ソーシャルテレビへの取り組み、Twitterが一歩リード
このセッションは、Adobe社のフリードマン氏を司会に、米国のケーブルテレビチャンネル「BET(Black Entertainment Television)」よりソーシャルメディアのシニアディレクターであるレスピナス氏、コンテンツ制作会社「Scripps Networks」よりメディアディレクターのチャド氏、米国最大のテレビ・ラジオ・ネットワークCBSの番組「CBS Local」のシニア・バイスプレジデントのワイナー氏が事例を語るというもの。
セッションの冒頭、フリードマン氏が議論を始める上で必要な言葉の定義と、主要なソーシャルメディアの取り組みについて語った。同氏は「ソーシャルテレビ」と「セカンドスクリーン」について次のようにまとめる。
ソーシャルテレビ
番組の内容に関連するコミュニケーションや、ソーシャルメディア上での相互作用のこと
セカンドスクリーン
あるデバイスでの視聴体験を、別デバイスの利用で拡大させ、新しい観点を与えること
例:テレビ番組を見ながら、タブレットから投票が行える
米国では2013年時点で、44%の人がテレビを見ながらセカンドデバイスを利用している。そのなかで、ソーシャルメディアの発言は大きな割合を占めているようだ。代表的な発信先はTwitterおよびFacebook。もちろん、TwitterやFacebook側もユーザーの投稿について分析などを行えるように対応しつつある。そして、この競争は現時点では、Twitterの方が優位といえる。例えばTwitterのデータは、テレビ番組の視聴率や評価を行なう、ニールセンのテレビレイティングの仕組みに公式導入されている。また、同社の「SocialGuide」でも利用されている。
SocialGuideには、その日、最も人気があった5つの番組が表示される。そして、各番組の「該当番組やシリーズについてつぶやいたことがある人数の累計」、「関連するつぶやきが閲覧された回数」、「該当番組についてつぶやいている人数」、「つぶやき数」がわかるようになっている。Twitterは他にも、テレビのトレンドを見るための仕組みを用意したり、分析を手助けするために「Trendrr」や、「Blue Fin Labs」などを買収している。
さらに、2013年11月からはケーブルテレビ会社「Comcast」と連携して「SeeIt」というサービスを提供している。これは、Twitter上で該当する番組に関するつぶやきがあると、「SeeIt」というボタンが表示される。そのボタンを押すと、番組をリアルタイムで見たり、録画できるというもの。
一方Facebookは、このあたりの動きがまだ少ない。しかし、新しい試みをいくつか開始している。その代表的なものが「Public Feed」と「Keyword Insights」だ。「Public Feed」は、特定のワードを含んだFacebookの公開投稿をリアルタイムで表示する。「Keyword Insights」は、直近12日間にFacebookで話題になったキーワードに関する投稿数や、投稿したユーザーの属性情報が表示されるというもの。現在、これらの機能は一部のテレビ会社や調査会社のみに提供されている。※著者註 詳細はこちら(英文)からご確認いただけます。