カスタマージャーニー分析で超複雑化するユーザー行動を定量的に可視化
はじめまして。イー・エージェンシーのシニアコンサルタント、大藪祐一と申します。
当社は1999年に京都で創業し、「おもてなしを科学する」というコンセプトのもと、主にWebソリューション事業を展開してきました。なかでも、「Google アナリティクス」の活用には力を入れており、本日ご紹介する「Google アナリティクス プレミアム」の導入支援については多くの経験と実績があります。
本日のテーマは、Google アナリティクス プレミアムとDoubleClickが連携することで実現できる「カスタマージャーニー分析」です。
我々を取り巻く環境の変化によってユーザーの行動が「超複雑化」しています。自宅のPCで見つけた商品を、通勤中にスマホで確認し、タブレットで注文する。ひとつのWebサイトであっても、複数のデバイスでアクセスする時代になったのは生活者でもある皆さんもご存知のとおりです。
商品を認知するきっかけも様々です。目に触れたバナー広告をクリックする人もいれば、同じ商品の広告を何度も見て、やっと興味を持つ人もいます。ユーザーの行動は複雑化しているのに、従来のWeb解析ツールでは訪問者数や購買率など局所的な情報しか把握できないのが現状です。
そんな「超複雑化」の時代において、ユーザーの行動シナリオにおける各タッチポイントにおいてどのようなコミュニケーションが最適かをマッピングし、共通の目的・ユーザー像・ゴールを関与者と共有し、合意形成に貢献できる手段として「カスタマージャーニーマップ」という手法に注目が集まっています。本日のセミナーでは「個」の「一連の行動」を追いかけることを「カスタマージャーニー」、作成したカスタマージャーニーマップを定量的に検証したり、ユーザーの行動ログからカスタマージャーニーを組み立てる手法を「カスタマージャーニー分析」と定義させていただきます。
カスタマージャーニーマップはご担当者様の勘や経験で作られるケースがしばしばあります。しかし実際のユーザー行動との乖離は避けられませんし、作成したカスタマージャーニーマップが定量的に検証されることがなければ「絵に描いた餅」になります。結果として売り手の都合による誤った合意形成が、効果が見込めない施策を生み出す危険性もあります。
しかし当社では「Google アナリティクス プレミアム」と「DoubleClick」を連携させることで、ユーザーの行動ログをベースに作成しています。実態に伴ったカスタマージャーニーマップを作ることができるため、営業やマーケティングなど、関係部署や担当者との合意形成にも役立てて頂けます。
「個」の「一連の行動」が明らかに
本日は業態を問わない汎用的なカスタマージャーニー分析の一例を解説します。ユーザーの一連の動きは、何らかの形で商品やサービスを「認知する」というフェーズから始まります。「認知した」ユーザーは広告、自然検索、ソーシャルメディアなどを経由してウェブサイトに訪問することで「接触」します。その後、商品ページなどで詳細を「検討する」フェーズに入ります。なお、ユーザーがPC、モバイル、タブレットなど、様々なデバイスで行動していることは言うまでもありません。
本日お話する「カスタマージャーニー分析」の特徴は、先ほど定義させていただいたカスタマージャーニーの「個」の「一連の行動」を定量的に可視化することで、実態の伴ったカスタマージャーニーマップを実現することです。
どんな人?という「個」を追うことが可能になった
Google アナリティクスではディスプレイ広告との連携を行うことで、サイトに訪れたユーザーの属性情報を取得することが出来ます。これにより、カスタマージャーニーにおけるペルソナやターゲットの年代・性別や趣味趣向などのデモグラフィック属性も分析の観点に加える事が可能になりました。
そしてGoogle アナリティクスではセッション単位だけではなくユーザー単位でのセグメントを作成することができます。初回訪問の期間を指定したり、特定のユーザー行動のステップを条件にすることでユーザー単位での時系列の行動も指定できます。
上述の属性情報もセグメントの条件に指定することができますので、ECサイトなら「12月にホームページを初訪問し、購入金額が3万円以上になった40代の女性ユーザー」、メディアの場合は「Yahoo!ニュース経由で訪問し、5ページビュー以上回遊した男性ユーザー」といったセグメントで、ユーザーの動きを見ることができます。
Google アナリティクスは作成したセグメントをリマーケティングリストに登録することも可能です。「商品をカートに入れたあとに購入しなかった」お客さまを抽出し、「買いそびれはありませんか」といったアプローチもできるのです。