アメリカン・エキスプレス・インターナショナルは、日本を含む計10か国において、顧客サービスに対する意識や考え方に関するインターネット調査を実施した。本調査は今年で4度目。
「期待通りのサービスを受けている」過去最低の45%に
企業の顧客サービスについて聞いたところ、「期待通りの顧客サービスを受けている」と思う消費者は過去4回の調査で最低となる45%となり、年々低下していく傾向となった。その反面、顧客サービスが「期待を下回っている」と回答した人は26%で前回(36%)よりも大幅に好転。消費者のサービスに対する期待が多様化している傾向があることが明らかになった。
実際、「現在の経済状況において、各企業のビジネスはどのように変化していると思われるか」、との質問に対して、前回と同様に約3割(35%)の日本人が「以前よりも優れた顧客サービスの提供を重視するようになった」と回答した反面、「顧客サービスに対する企業姿勢は変わっていない」と回答する割合が前回の30%から34%に増加した。
また、サービスを提供する企業を選ぶ際に重要な要素について聞いたところ、「顧客サービス」が一番重要だと回答した日本の消費者は13%に留まった反面、半数近い41%がより「高品質の製品」を求めると回答。次いで、「コストパフォーマンスの高さ」(32%)という結果になり、他国と比較しても日本の消費者は「高品質」を一番重要と考えている結果に。
さらに、「企業が顧客の期待を上回るカスタマーサービスを提供する方法としても最も優れているもの」について質問したところ、「適切な価格で約束通りの価値を提供すること」と回答した人が32%と一番多く、次いで30%の日本人が「顧客ニーズを満たす製品・サービスを提供すること」と回答。世界で最も商品の選択基準が厳しいと言われる日本人だからこそ、期待に応える顧客サービスを提供するためには、まずは高品質の製品とサービスを提供することが求められている結果となった。
顧客サービスにおけるSNSの依存度は高まる傾向に
過去1年間に、顧客サービスを利用するためにSNSを利用した経験のある人は前回の21%から26%に増加し、SNSの利用機会が増えている結果に。顧客サービスの利用時におけるSNSの用途としては、引き続き「自身のサービス体験を多くのユーザーに情報共有すること」(39%)、「サービスの優れた企業について他のユーザーから情報を収集すること」(32%)が高い結果となった。さらに、「サービスの問題について企業から回答を得るため」と回答した人が21%となり、前回よりも6%も増加した。そして「優れたサービス体験についてその企業を称賛するため」と回答した人が前回よりも4%高い20%になるなど、顧客サービスにおけるSNSへの依存度が高まっている傾向が明らかになった。今後、企業はSNSを通じた顧客サービスの開発および提供が求められる。
さらに、自身の顧客体験を伝える際にSNSを活用する頻度は10か国中、日本は35%と最も低く、積極的に情報を発信しない傾向が浮き彫りに。さらに、ひどい顧客サービスを我慢できる回数について聞いたところ、日本を除く9か国では50%以上が「2~3回は我慢できる」と回答したことに対して、日本人の半数以上となる52%が「1回でもひどい顧客サービスを体験したら、直ちに別の会社に替える」と回答した。ひどい顧客サービスを受けると、何も言わずに立ち去る日本人の傾向が判明した。
【調査概要】
調査方法:オンライン調査
調査対象:18歳以上の男女
サンプル数:計10,014名
調査実施国:日本、米国、カナダ、メキシコ、イタリア、英国、オーストラリア、インド、シンガポール、香港
実施期間:2014年8月1~31日
調査協力:Ebiquity Plc,(英国)
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