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LIG岩上氏とイノーバ宗像氏が語る“コンテンツマーケティングを続ける秘訣”とは?

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2015/02/27 11:00

 2月23日、「コンテンツマーケティング成功者Night」なる挑戦的なネーミングのイベントが開催された。登壇者はLIG 岩上 貴洋氏と、イノーバ 宗像 淳氏だ。イベントでは、地道にオウンドメディアを育てる両社の姿が語られた。

LIGが意識する「ファンづくり」

 ネットスケットとイノーバは、2月23日「コンテンツマーケティング成功者Night」を開催した。「ファンを作ることを大事にしたい。誰に対して何を伝えたいのかを重要にしています」と自社サイトのコンテンツ制作姿勢について語ったは、LIGの岩上貴洋氏だ。

株式会社LIG 代表取締役社長 岩上 貴洋氏

株式会社LIG 代表取締役社長 岩上 貴洋氏

 LIGはコンテンツ制作のかたわら、自社のコーポレートサイトへの記事広告掲載や、ブログでの情報発信を続ける。デザイナー募集で岩上氏がなぜか砂浜に埋まるなど、ユニークな記事が話題化しているため、目にしたことがある人も多いのではないだろうか。そんな同社では1日3本、月に60~100本ペースで記事を公開し、現在までに約3,000本の記事コンテンツを作ってきた。今回のイベントでは、同社がブログでの情報発信を開始したばかりの頃に行っていたノウハウが紹介された。

 LIGが自社サイトをメディア化しようと考えたのは2011年11月。当時、同社は「人月単価が安い/採用力が弱い/企業としての特徴がない/資金不足のために投資力がない」という課題を抱えていた。そのような状況で、資金がなくとも始められるマーケティング手段が情報発信だったというわけだ。始めるにあたり、岩上氏は次のことを考えたという。

 誰に向けて:Web担当者(Webやソーシャル、面白いことが好きな人)
 何を届ける:会社のこと、社員のコト、実績、考え方、LIGでできること
 どう届ける:制限は設けず

 「どうやって(どのような内容・方法)で届けるかは、コレということを決めませんでした。自分たちが楽しんだことをアウトプットして、相手に届けばいいという考え方。肩ひじを張らずに、幅広く情報発信をすることにしました」(岩上氏)

 届け方にとらわれないと語る岩上氏だが、記事のジャンルについては決めたこともある。「ネタ系の記事と技術系の記事で分けることを決めました。配分は技術系の真面目な記事が8割、おもしろいネタ系が2割。真面目な記事を蓄積しつつ、時々ネタ記事をスパイスのように公開するというバランスです」(岩上氏)

 ●技術系記事
 ターゲット:Web担当者
 流入経路:自然検索が中心
 期待するアクション:信頼度UP、「ためになる」と思ってもらう

 ●ネタ系記事
 ターゲット:笑えるものが好きな人
 流入経路:FacebookやTwitterなどから。バズって流入
 期待するアクション:「面白いことを考えている奴らがいる」と思ってもらう、記事を共有してもらう

 情報発信は全社員が毎月1本、自分のアウトプット(何をした・何を学んだかを)を書くというルールではじまった。内容は自由だが、誰に向けた記事かを考えて書くことを求めたという。また、PVやUUといったアクセス情報は、編集長のみがチェックすることとした。なぜならば、数値を意識すると書きたいものが書けなくなるからだ。まずは継続的に情報を発信することを重視した。

 しかし、コンテンツを作り続けることは容易ではない。岩上氏はモチベーションコントロールに注力したという。「ブログは営業活動であり、採用活用であり、広報活動だと、記事を書く意義を何度も伝えました。そして、良い反応があったら書き手にフィードバックをする。情報発信について人事評価に組み込むこともしました。もちろん、経営陣が積極的な姿勢を見せることも重要でした」(岩上氏)

 こうして、LIGは情報発信を続け、今に至るという。

2011年11月の段階では8,000UU、20,000PVだった

赤い折れ線がネタ系記事、青い折れ線が技術系記事。2011年11月の段階では8,000UU、20,000PVだった。

 最後に岩上氏は、これからすぐに試せる5つのコツを紹介した。LIGがブログを開始して6か月目頃に実際に行っていたことだという。

 1)キャラ設定をする(擬人化)
 LIGのブログにはキャラの立った広報担当が登場する。ロゴよりも人の方が、訪問者とコミュニケーションをとりやすいのでは、という考えからだという。

 2)キーワードプランナーを活用する
 キーワードプランナーはGoogleAdWordsの無料ツール(※要アカウント)。キーワードの流入数を予測できため、タイトル付けや企画内容を考える際に役立てられる。

 3)Googleトレンドも活用する
 Googleトレンドは、あるワードについての過去の検索数や急上昇ワードなどを調べられるツール。どのような情報が求められているのか等を調べることが可能だ。

 4)タイトルの付け方を工夫する
 文字数の調整、具体的な数字を入れる(例:自社サイトをコンテンツ化して1年で100万PVにしてわかった失敗と成功のまとめ)、役に立つ情報だと分かる言い回し(例:~の方法、~のヒント)、SEOキーワードを意識した単語選びなど。書籍やインターネットで公開されている情報を参考に、工夫を続けたという。

 5)OGP(Open Graph protocol)を設定する
 OGPとは、SNSとウェブページを連携させる為の記事情報。これを設定しているかどうかで、イイね!ボタンを押された時にFacebookのタイムラインにページが表示されるかどうかなど、露出の度合いが変わってくる。

取り組み・KPIは段階的に変える、オウンドメディア8つのステージ

 続いて、イノーバの宗像 淳氏が登壇。コンテンツマーケティングの各段階で行うべき施策やKPIについて紹介した。

株式会社イノーバ 代表取締役社長CEO 宗像 淳氏
株式会社イノーバ 代表取締役社長CEO 宗像 淳氏

 宗像氏はコンテンツマーケティングについて、“多くの人への認知拡大、商品・サービス購入、リピーター醸成”というステップを踏みながら、顧客との関係を育成するものだと解説する。そして、長期的に取り組む必要がある点を強調した。「コンテンツマーケティングに即効性はありません。積立貯金のように、長く続けることで意味が出てきます」(宗像氏)

 岩上氏同様に、宗像氏も最初期におけるモチベーションの維持の難しさを指摘する。というのも、認知されていない段階では、コンテンツを公開してもなかなか反応を得ることができないからだ。そこで情報発信を継続するためには、正しい目標(KPI)設定が必要だという。「ゴールに近づいていると感じられれば、辛くない。しかし、数値は見ようと思えば、いろいろと設定することがでます。大切なのは、ステージに合わせてKPIの種類を変えてゆくことです」(宗像氏)

 では具体的などのようなKPIを設定し、何を行うべきか。宗像氏はコンテンツマーケティングを次の8つのステージに分け、目標を設定することができると説明する。

画像はクリックで拡大します
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 ステージ1は「立ち上げ期」だ。ブログ等といったオウンドメディアの存在は知られていない。したがって、記事をアップしてもアクセスは増えない。この段階を乗り越えるためには、見てもらう人・記事を増やすことが必要だ。そのため、KPIも記事の公開数やソーシャルの投稿数など、行動量を増やすことを重視するべきだという。

 ソーシャルの流入が少しずつ増えるとステージ2に入る。この段階では検索での流入は期待できない。この時期も記事を増やし続けることがマストだ。また、周囲に記事見せ、アドバイスをもらうのも良いという。「まだアクセス数がないので、閲覧者の反応を見て改善することは難しい。身近な人にフィードバックをもらうことも重要です」(宗像氏)

 いわゆる「バズる記事」が出始めるのがステージ3だ。なぜ記事が当たったのかを分析し、成功法則を探る必要がある。また、この頃になると「PVが増えても売上につながらない」という問題が顕在化する。原因は集客ができても、商材への興味が浅い点にある。そのため、メールアドレスを登録したら資料やクーポンを提供するなど、商品を売る前のステップ(中間コンバージョン(CV))を設定すると良いという。

 ステージ4は「オウンドメディア確立期」だ。検索による流入も増え、サイトのリピーターも現れはじめる。メディアとして育ち始めた時期だ。ここで挑戦してほしいことが、競業他社の商品名などを出した記事の作成だ。「他社のキーワードで検索した場合に、自社のコンテンツが上位に表示されるようになります。検索している人にとって、提供企業は関係ないことも多いです。自社にも関連する事柄に興味を持っている人を引っ張ってくるができます」(宗像氏)

 問い合わせが入ってくるのが、ステージ5だ。この段階では、読まれる記事に商品ページ(LP)などの導線を配置する。事例(B2Bなら企業事例、B2Cならユーザーの声)を入れると良い。問い合わせを成約に結び付けることが目標となるのがステージ6だ。そして、集客から申し込みまでの流れが完成すると、ステージ7に入る。この段階に入ると、マーケティングオートメーションの活用が有効になってくる。つまり、読んでいるコンテンツやメールマガジンの開封率等を可視化・把握することで、各顧客とのやり取りを確実で円滑なものにできる。現段階でステージ6や7を実現できている企業は少ないと宗像氏は語る。

 ステージ8を宗像氏は無双と表現する。このステージになると、顧客それぞれの興味を把握し、OnetoOneでの対応が可能になる。「ここまでくるとKPIはLTV(Life Time Value)になります。数値化は難しいですが、顧客それぞれの満足度を上げることで、継続的な取引をしてもらう。そして、さらなるLTV向上を実現するサイクルが完成します。実現できる企業は少ないですが、私たちもここを目指したいと考えています」(宗像氏)

 コンテンツマーケティングは一朝一夕では実現しない。続けながらノウハウを蓄積し、感覚を掴んでいくことが重要なのだ。岩上氏と宗像氏からのメッセージが詰まったイベントとなった。

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