電通は2月9日、マーケティング領域におけるAI活用強化の一環として、データアーティストを子会社化すると発表した。
電通は1月、AIの活用を社内外で推進する統括プロジェクトチーム「AI MIRAI」(エーアイ・ミライ)を立ち上げた。AIはマーケティング領域においてもすでに実践的な段階に入っており、最新テクノロジーに精通したAI人材の獲得と育成が今後の最重要課題となっている。
このため同社は、マーケティング領域のAI開発に強みを持つデータアーティストを子会社化し、競争力の強化を図り、ビジネスに不可欠なAIの活用を進め、顧客企業により効果的なソリューションを提供していく狙いだ。
両社はこれまでも、ディープラーニングを用いたテレビ視聴率予測システム「SHAREST(β版)」や"人"基点で電通グループ内のマーケティング手法を結集・高度化した統合フレームワーク「People Driven Marketing」のデータ基盤である「People Driven DMP」の拡張エンジンを開発するなど、2016年11月の業務・資本提携以降、協業を加速させていた。
今後、電通はデータアーティストをAIソリューションの開発部隊と位置づけ、年内にモンゴル・ウランバートルでの拠点設立を計画している。モンゴルは、政府が「数学オリンピック」への参加を推奨するなどAIの基盤となる高度な数学の素養を持つ人材の豊富さに魅力がある。
また、データアーティストは、これまでも数学オリンピックのメダリストや上位入賞者をAIテクノロジストとして採用し、即戦力としていることから、今回モンゴルへの拠点設立を計画するに至った。
【関連記事】
・電通デジタル、オープンイノベーション創出のための共同研究組織 「共創イノベーションラボ」を設立
・電通デジタルの顧問にクリエーティブディレクターの小霜和也氏が就任
・電通ライブとバスキュールが音声ARシステムを開発
・電通、AI活用を社内外で推進する統括プロジェクトチーム「AI MIRAI」を設置
・2018年はデジタル広告費がテレビ広告費を上回る?世界の広告費成長率を予測【電通イージス調査】