カンター・グループのミルウォード・ブラウンは、本年で13年目となる「世界のブランド価値ランキング2018年度版」を公開した。
中国のAlibabaがトップ10に初ランクイン
本年のランキングでは、テクノロジー大手のGoogle、Apple、Amazon、Facebookに加え、中国のAlibabaが初めてトップ10にランクインした。ブランド全体の総資産価値は、年間で前年比+21%となり、トップ100ブランドの総保有価値総額は4.4兆ドルとなった。これは過去最大の成長幅である。
Netflixが+73%の成長率を見せるなど、テクノロジー関連企業の成長が目立つ
上記ランキングを見ると、グローバルブランドトップ10のうち、半数はテクノロジー関連企業、またはテクノロジーをベースとしたサービスを提供している。このカテゴリーは、引き続き1位と2位にランク付けされたGoogleとAppleが支えており、それぞれ前年比23%増の3,021億ドル、28%増の3,060億ドルの成長を続けている。
2018年のトップ100ランキング全体で見ると、さらにテクノロジーの貢献は顕著で、デジタルコンテンツ関連のサービスが大きく貢献している。大きくランキングを上げたNetflix(61位)はセットトップボックス(STB)サービスにより、+73%もの成長率を見せ、その他Facebook(6位)のストーリー、Apple(2位)のiTunes、Alibaba(9位)のアリババ・ピクチャーズなども貢献した。
中国ブランドの成長率は米国の2倍以上、中国の勢いがトレンドを変える
また本年は、米国ブランドが前年比成長率において中国ブランドに抜かれるという結果になった。2006年の同ランキング(第一回目の調査)では、TOP100にランクインした中国ブランドはわずか1ブランドだったが、12年後の今年のランキングには14の中国ブランドがランクインしている。さらに、地域別上位10ブランドの価値総額ランキングを見ると、中国の成長率は前年比+47%となり、これは、米国ブランドの前年比+23%と比べると2倍以上の成長を表す。
最も高い成長率を誇り、急成長を遂げた中国ブランドは、チャットアプリ「WeChat」を運営し中国のEC市場を牽引するJD.com(59位)で、ファイナンスなどの新しいカテゴリーへの参入によってブランド価値が94%も上昇した。続いて、Alibaba(9位)は、世界的なリーチの広がりと「シングルズ・デー」の特売日による成功などで前年比+92%の成長を遂げ、初めてのトップ10入りとなった。
世界で最も価値のある日本ブランドは、Toyota
日本のブランドでは、自動車カテゴリーの2ブランド(Toyota、Honda)と通信カテゴリーで1ブランド(NTT)がトップ100ランキングに入ったが、いずれも前年から順位を落としている。
調査が始まって以来ずっと、Toyotaは常に日本のトップブランドとしてランクインしている。アジアにおけるブランド価値ランキングの上位10ブランドを見ると、Toyotaは7位。10ブランドのうち8ブランドが中国ブランドだ。
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