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メディア×SNSで「体感型コミュニケーション」を ケルヒャー ジャパンとLIMIAの挑戦

 清掃機器メーカーのケルヒャー ジャパンは、インドア向け家庭用清掃機器の認知を拡大するため、ライフスタイルメディア「LIMIA」を活用。インスタグラマーによる動画投稿、タイアップ記事広告により、「体感型コミュニケーション」を実現した。ケルヒャージャパンの朝喜謙二氏と、LIMIAの金子泰章氏に、施策のポイント・成果について尋ねた。

ケルヒャー ジャパンの抱える2つの課題を解決するために

MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、今回の施策全体の狙いを伺えますか?

朝喜:ケルヒャー ジャパン(以下、ケルヒャー)は、高圧洗浄機が主力商品の清掃機器メーカーです。日本法人が設立されてから今年で30周年を迎えます。元々は業務用の清掃機器からスタートし、そこで得られたノウハウを活かして、現在では家庭用清掃機器へも事業を展開しています。家庭用清掃機器には、屋外で使う高圧洗浄機のほか、スチームクリーナーや窓用バキュームクリーナーなど、インドア向けの商品もあります。今回の施策では、この「インドア向け家庭用清掃機器」の認知・売り上げを拡大することを目的としていました。

ケルヒャー ジャパン株式会社 マーケティング部 部長 朝喜謙二氏
ケルヒャー ジャパン株式会社 マーケティング部 部長 朝喜謙二氏

MZ:ケルヒャーと言えばテレビショッピングのイメージが強いのですが、今回広告戦略としてLIMIAへの記事広告出稿に至った理由を教えてください。

朝喜:インドア向け家庭用清掃機器の認知・売り上げ拡大には、大きく2つの課題がありました。1つ目は、女性からの認知が低いことです。元々の主力商品がアウトドア向けの高圧洗浄機であったこともあり、男性からの認知は得ていたのですが、女性へのリーチには課題感をもっていました。

 もう1つは、弊社の商品が少々特殊に捉えられており、「実際に使ってみないとわからない」とお客様に思われていることです。家電量販店やホームセンターの店頭で商品の実演を定期的に行ってはいるのですが、それだけではリーチ数は限られます。そこで、メディアやSNSを活用し、お客様に商品の使い勝手を体感していただく、「体感型コミュニケーション」を実現できないかと考えました。

 この2つの課題感に対し、最も適したメディアがLIMIAさんだと思い、今回の記事出稿に至りました。

人気のブロガー&インスタグラマー約800名からキャスティング

MZ:LIMIAはどのようなメディアなのでしょうか?

金子:LIMIAは、住まい・暮らし領域に特化したライフスタイルメディアです。立ち上げてからおよそ3年弱ですが、現在20~50代の女性を中心に、月間で500万人ほどのユーザーに来ていただけています。掲載記事としては、弊社の編集部が制作するものと、ネット上で人気のブロガーやインスタグラマーといったインフルエンサーの方々に投稿いただくものがあります。

リミア株式会社 代表取締役社長 金子泰章氏
リミア株式会社 代表取締役社長 金子泰章氏

金子:事業としては、このLIMIAの媒体力や提携インフルエンサーを活用したマーケティング事業を主に展開しています。企業様からはプロモーション企画の際にインフルエンサーさんをキャスティングしたいという相談が非常に多くありまして、そこで我々が企業様のサービス・商品の特徴や訴求ポイントをお伺いしながら、提携しているインフルエンサーさん約800名の中から最適な方をキャスティングし、記事やSNS投稿の制作をディレクションしています。

コンテンツは店頭POPなどに二次利用

MZ:では、今回実施したプロモーションについて教えてください。

金子:インフルエンサー6名を起用し、タイアップ記事を1本とInstagramに投稿する動画を制作しました。内容としては、インフルエンサーさんに実際にケルヒャーさんの商品を使っていただくというものになります。記事や投稿を通して、読者にケルヒャーさんの商品を「体感」してもらうことを目指していたので、クリエイティブは「動画」を使い、実際の使い心地や、使用前と使用後のビフォーアフターを見せるものにしました。また今回ケルヒャーさんとご一緒したパッケージプランでは、制作したコンテンツの二次利用も自由にできるというものです。

実際の記事
実際の記事

朝喜:コンテンツを二次利用できることは、非常に魅力的なポイントでした。弊社でも独自に写真や動画を作成してはいたのですが、どうしても広告色が強くなってしまい……。インスタグラマーさんに作っていただけた動画のほうが、ユーザーに響くものになったと思います。制作した動画や記事は、店頭のPOPや販売店さんのトレーニングシーンなどに活用しています。

Instagramの投稿
Instagramの投稿

インフルエンサーごとの特性を活かして

MZ:現在約800名のインフルエンサーと提携しているとのことでしたが、どのような観点でプロモーション担当を決めているのですか?

金子:インフルエンサーを活用するうえで重要なのは、誰をアサインし、その人に合った切り口と見せ方ができるかどうかというところです。インフルエンサーさんのフォロワーは、この人のこんなところが好きだからフォローしている、この人のこのトーン、雰囲気が好き、といったポイントがあります。

 LIMIAでは、その投稿がフォロワーの方々へ響くのか、インフルエンサーごとにあわせてメッセージの出し方をきめ細かく企画しています。家族構成やライフスタイルなど、まず商品ごとに最適なターゲットを設定し、そこからインフルエンサーのアサイン、動画の絵コンテを制作します。

 今回の場合、Instagramの合計した動画再生数だと60万再生を超えており、コストを考えると非常に効果的、かつ効率よくユーザーへリーチできたと考えています。

メディアのミッションに沿ったコンテンツ制作を

MZ:記事広告を作るうえで、意識されていることとは?

金子:我々のメディアは「インターネットによって、毎日の暮らしを、楽しく幸せに。」をミッションとして掲げています。編集部が制作する記事であれ、企業様とのタイアップ記事であれ、我々のメディアから発信するすべてのコンテンツにおいて、そのミッションに沿うようにしています。大事なのは、ユーザーさんが違和感なくコンテンツを楽しむことができること。タイアップ記事の企画においても、どうすればユーザーさんの「毎日の暮らしを、楽しく幸せに」できるのか、この視点から企業様と一緒にコミュニケーションの手段や見せ方を考えています。

MZ:今回のプロモーションの反響はいかがでしたか?

朝喜:実施したばかりですので、成果についてはこれからというところです。ただ、Instagramのコメント欄では非常に好意的なものが多かったですね。今まではテレビショッピング、ホームセンターでの販売など、比較的年齢層が高いお客様をターゲットにした施策が中心だったのですが、今回デジタル施策を実施したことで、今までよりも若い年齢層にもリーチできたのではないかと思っています。

清掃機器を「コミュニケーションツール」に

MZ:今後の展望をお聞かせください。

朝喜:「清掃」というのがまだまだ嫌なもの、大変なものというイメージが根強くあります。でも、ケルヒャーの清掃機器であれば楽しく掃除ができる、ある意味では「コミュニケーションツールにもなる清掃機器」だと考えているんです。たとえば、高圧洗浄機を使うと、ものすごく綺麗に、かつ簡単に汚れが取れます。そうなると汚れを取ることが快感になり、逆に汚れを探すようになります。お子さんが自分から「やらせて!」と寄ってくるという話もあります。清掃は人と人のつながりを強くするということを、ソーシャルメディアでも発信していきたいです。そのためにも企業としてブランディングにも力を入れて、ケルヒャーの商品の魅力を積極的な姿勢で発信していきます。

金子:住まい暮らし領域においては日本にまだまだメガメディアが存在していないジャンルかなと思っています。たとえば、食の領域ではクックパッドさんや食べログさん、化粧品の領域であれば@cosmeさんなど、各ジャンルにメガメディアがある中で、住まい暮らし領域ではメガメディアはまだ確立されていません。規模感的にも月間500万ユーザーを超えてはいますが、利用者様の中のイメージとして「住まい暮らしであればLIMIAだよね」という一般的な認知を確立したいですね。

 企業様とのお取り組みにおいては、メディアとして情報を伝える場としての価値だけでなく、住まい暮らしに関する情報、データをもっている会社として、そのノウハウやコンテンツの制作の知見を活かしながら、踏み込んだソリューションパートナーとして事業を展開していきたいです。お客様とのコミュニケーションまでを含めて、お手伝いできるような関係を今後構築していきたいです。

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

大木 一真(オオキ カズマ)

モジカク株式会社 代表取締役。株式会社サイバーエージェントに新卒で入社し、Webメディア「新R25」の立ち上げにディレクター兼編集職として参画。Webマーケティングを手掛ける株式会社AViC(2022年7月に東証グロース市場へ上場)の創業期に参画し、執行役員を務める。2019年1月にBtoBサービスやSaa...

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/10/17 10:00 https://markezine.jp/article/detail/29330