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統括編集長インタビュー

カリスマ経営者ジャシュ・ジェイムズが断言「スマホ経営の時代。リアルタイムデータで会社が変わる」


 スマホ経営が現実に──。10月3日、ビジネス最適化プラットフォームを提供するDomoは、自社主催のカンファレンスDomo City Tourを開催した。Domo創業者兼CEOのジャシュ・ジェイムズ氏をはじめ同社のエグゼクティブたちが来日。導入ユーザーの活用事例を交え、スマホ経営のリアルが共有された。会場内でジャシュ氏とCMOのシェーン・アッチソン氏へのインタビューも実現。スマホ経営を実践し、リアルタイムで意思決定を行う両者から、次世代のワークスタイルが感じられた。

日本語で始まったCEOスピーチ

 DomoはOmniture(2009年にAdobeが18億ドルで買収し、今はAdobe Analyticsとして継続)創業者のジャシュ・ジェイムズ氏が2010年に創業した、クラウド型のビジネス最適化プラットフォームを提供する企業。自社主催カンファレンスDomo City Tourの今回のテーマは「デジタル変革を次のステージへ データドリブンで拓く未来」。オープニングスピーチにはジャシュ氏が登壇し、日本語でのスピーチを行った。

得意の日本語でスピーチをはじめた
Domo 創業者兼CEO ジャシュ・ジェイムズ氏

 冒頭、大谷翔平選手や大阪なおみ選手の活躍を引き合いに出し、これまでは不可能だと言われていたがチャレンジすることで突破できると主張。自身が欲しいと思い作ったDomoを活用すれば、これまで不可能だった、リアルタイムデータに基づいた意思決定が行えると強調した。

 「Domoは私自身が欲しいと思い作ったサービス。多くの経営者はリアルタイムでのデータ収集・分析は無理だと思っていました。でも、時代は変わりました。スマホを通して意思決定し、ビジネスを動かせる時代なのです」と語った。

 スピーチの後にはDomo導入ユーザーである、ローソン 理事執行役員 ラストワンマイル事業本部長の中村 雄一郎氏とのクロストークが行われた。中村氏はコンビニ市場は成長を続けているが、近年スーパーやドラッグストアはもちろん、ECの伸長などにより環境が激化しているとの見解を示し「店舗とデジタルの融合が求められています。今まさにデジタル変革のタイミングと捉えています」と語った。

ジャシュ氏と中村氏がクロストーク
ジャシュ氏と中村氏がクロストーク

 このような課題感から、ローソンでは新しい取り組みを推進している。デジタルビジネスの例としては、ローソンフレッシュピックの取り組みがある。ローソンフレッシュピックは、生鮮スーパーの食材をアプリで朝注文して、夕方ローソンで受け取れるサービス。このサービスの運用において中村氏はDomoを利用し、日々の意思決定を行っている。もちろんその際に利用しているのはスマホだ。リアルタイムでの意思決定を行うことで、PDCAを高速で回せているという。

 一方でデータドリブンを実践することで、中村氏は次のような心境になったという。「リアルビジネスは『目で見える商売』ですが、デジタルビジネスは『データの集合体』。あらゆる行動がデータで可視化されることに意味がありますが、表面上の数字を見ているだけでは何の意味もありません。数字の裏にある『意味』を理解することが、データドリブンの実践には不可欠だと思います。今は購買行動や店舗状況のデータしか活用できていませんが、今後は未来志向での活用、たとえば機会損失や廃棄ロスの削減などの領域での活用も試していきたい」と意欲的に語った。

利用領域の広がり、日本市場の展開加速

 ローソンでの導入に限らず、Domoの国内における導入企業数と活用の裾野は広がっている状況だ。製品販売開始は2013年だが、経営、マーケティング領域での活用を皮切りに経営企画、営業、財務、IT、人事の領域まで活用の裾野が広がっている。

 こうしたニーズの高まりから、Domoはこれまで行えていなかったAWS東京リージョンでの提供開始も発表。ITインフラを拡張することで、国内でのサポート体制とデータガバナンスの強化を実現し、デジタル変革の支援を加速していくという。

 ジャパンカントリーマネージャーを務める川崎氏が、「AWS東京リージョンでの提供開始まで6年かかりました。タイムゾーンが違う、レスポンスが違う、導入したいのだが日本にないのでデータを預けられないなど様々な声を頂いていたので、今回の発表を大変嬉しく思います。皆様のビジネスに寄り添い、皆様の発展により一層貢献したいと思います」と意気込みを語ると、会場からは拍手が贈られた。

導入企業の広がり
国内の導入企業
領域の広がり
活用領域の広がり
ジャパンカントリーマネージャー 川崎友和氏
ジャパンカントリーマネージャー 川崎友和氏

 キーノートの後には、ジャシュ氏とCMOのシェーン・アッチソン氏それぞれへ単独インタビューが実現した。ジャシュ氏へのインタビューは2009年にソルトレイクで行われたOmniture Summit以来となるので約9年ぶりとなる(参考記事)。

 当時「Tap The Green Gold」(※)という言葉を用い、マーケティング領域のおけるデータ活用の未来を示し会場を沸かせていた記憶が蘇る。ジャシュ氏は当時と変わらない、もしくはそれ以上のパッションでインタビューに応じてくれた。

※石油のことをBlack Goldとたとえることがある。Omnitureのコーポレートカラーになぞらえて、Omnitureを利用して掘り出したデータをGreen Goldと表現。データは次世代の石油であり、それを掘り出し活用することでビジネスが拡大できるとジャシュ氏は主張していた。ジャシュ氏がDomoで実現していることは、Omniture時代から地続きの流れだ。Omniture Summit 2009レポート記事はこちらへ

 CMOを務めるシェーン氏は、デジタル広告およびデジタルマーケティング領域において25年以上のキャリアをもち、Domo入社以前はWPPグループ傘下で世界最大手のデジタルエージェンシーPOSSIBLEのCEOを務めていた人物。当時はOmnitureとパートナー関係にあり、いわばジャシュ氏とシェーン氏は盟友関係にある。シェーン氏から見たジャシュ氏の印象についても語ってくれた。

インタビューに応じるジャシュ・ジェイムズ氏とシェーン・アッチソン氏
インタビューに応じるジャシュ・ジェイムズ氏とシェーン・アッチソン氏

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/09 13:55 https://markezine.jp/article/detail/29383

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