Omniture Summit 2009開幕
オンラインマーケティングの関係者が集まるイベント、Omniture Summit 2009がソルトレイクシティで開幕した。主催のオムニチュアは、ウェブ解析サービス「SiteCatalyst」を中心に、オンラインマーケティングの最適化支援サービスを提供する会社だ。
近年、ウェブ解析データを活用し、マーケティングも含めたオンラインビジネスの最適化をはかる動きが急速に進んでいる中、オムニチュア自身もウェブ解析を支援する企業からオンラインマーケティング全般の最適化を支援する企業へと変化を見せている。その成果として、5日に発表した08年通年の業績は昨対107%を記録しており、ビジネスは拡大中だ。
しかし、2009年の厳しい経済環境はオムニチュアにとっても例外ではない。その中で開催するOmniture Summit 2009のテーマは「Lead the Change」。変化の激しい業界動向やテクノロジー主導で進化するオンラインマーケティングの最新潮流をOmniture Summit 2009では体感できる。また、アドビ、マイクロソフト、ソニー、トヨタ、GAPなど、オムニチュアのソリューションを活用するエンドユーザー視点でのセッションも数多く予定され、現場のノウハウが聴けることも同イベントの特徴だ。
広告施策とコンバージョン施策の両面を支援
8時30分からの基調講演では、米オムニチュアCEO ジャシュ・ジェイムズ氏が登壇。「オムニチュアはテクノロジーカンパニーの立場から、CMO、マーケターにフォーカスしたサービスを提供し、オンラインマーケティングの最適化を支援していきます」と語り、2009年もマーケターの支援を中心としたビジネスを展開していくと述べた。
また「Omniture Optimizes Ad Spend & Conversion」というメッセージを掲げ、ウェブ解析サービスの提供だけではなく、オンラインマーケティング業務全般を支援する会社へのシフトチェンジをさらに推進していくという。
具体的には「SearchCenter」(SEM業務を効率化させるサービス)では広告施策の最適化を、「SiteCatalyst」(ウェブ解析サービス)「Test&Target」(コンテンツ最適化サービス)「SiteSearch」(サイト内検索サービス)などではコンバージョンの最適化を、というようにオムニチュアの各サービスを利用することで、広告施策とコンバージョン施策両面での最適化が可能な状況にあり、本日発表されたレコメンデーションサービスを皮切りにラインナップを増やしていく予定だ。
Tap The Green Gold
このように、統合的なマーケティングプラットフォームの提供を推進する同社だが、プラットフォームでマーケティングデータを蓄積したとしても、活用されなければ意味がないとジェイムズ氏は指摘する。「マーケティングデータは蓄積するだけでは意味がありません。それは、石油が土の中に埋まっているだけではお金を生み出さないのと一緒です。私たちは、データを掘り起こし、活用できる基盤を提供することで、みなさんのオンラインビジネスを成功に導きたいと思っています」と強調した。
石油のことをアメリカではブラックゴールドと例えることがあるという。自社のコーポレートカラーになぞらえて、オムニチュアサービスを利用して掘り出したデータをグリーンゴールドと例え、そのデータを活かすことに意味がある=お金に換わるというメッセージを発し、会場を沸かせた。
また、ジェイムズ氏は最後に1月末に発表した世界有数の広告会社、WPPとの提携について触れた。WPP Chief Exectiveのマーティンソレル卿はスライドでの参加となり、オムニチュア社との提携についてや今後の広告業界のマーケットについてマクロな視点から語った。
午前中の基調講演の後にはランチも兼ねた情報交換の場が用意され、その場でも意欲的に情報を収集する参加者が目立った。午後は各テーマに絞ったセッションが展開されていく。
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