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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

MarkeZine Day 2025 Retail

3社の事例から学ぶリテールメディアの可能性、ドンキだから実現する「ワクワクとデータドリブン」の両立

 リテールメディアへの注目が高まる中、単なる広告枠に留まらない、その本質的な価値と可能性はどこにあるのだろうか。2025年11月に開催された「MarkeZine Day 2025 Retail」で、pHmedia COOの松居達也氏は「非日常エンターテインメント型店舗」という強みを最大限に活かした、ドンキ流のリテールメディアの在り方を紹介した。花王、ファイントゥデイ、ロート製薬の3社の具体的な成功事例を通じて、リテールメディア活用のアイデアを学んでいく。

PPIHグループ×博報堂が展開するリテールメディア事業

国内小売4位、ドン・キホーテなどを展開するPPIHとは

 PPIHグループと、博報堂の個性を掛け合わせた新会社として2023年12月に設立されたpHmedia(ペーハーメディア)。同社は、PPIHグループにおけるリテールメディア事業に取り組んでいる。試験紙のように施策の反応(効果)を返す会社になりたいという思いから、pHmediaと名付けられたそうだ。

 PPIHグループは、中核事業である「ドン・キホーテ」のほか「アピタ」「ピアゴ」などの事業を展開するメガリテールで、2兆円以上の売上規模を誇る。その特徴は、「非日常エンターテインメント型店舗」にあり、来店客が宝探しをするようにワクワク・ドキドキしながらお買い物を楽しめるようなユニークな売場作りをしている。

pHmediaが展開する“らしさ”を活かしたリテールメディア

 そんなPPIHの強みを活かしたリテールメディア開発のコンセプトとして、pHmediaが提唱しているのが「狼煙型マーケティング」だ。これはひとことで言うと、商品がその場にあるという“地の利”を活かしながら、PPIHを話題の“震源地”とし、その情報をオンオフで拡散していくという考え方である。

 この狼煙型マーケティングの背景には、ドン・キホーテ自体が生活者の間で「SNS発信のネタやコンテンツ」となっており、話題に上りやすいという特徴がある。たとえば、Instagramでは「#ドンキ購入品」などのハッシュタグで、ドン・キホーテで購入した商品をまとめて紹介するようなUGC投稿が多数あがっている。

 pHmediaでは、こうした顧客の動きも含めてリテールメディアソリューションを開発し、“ワクワクとデータドリブンを両立する”リテールメディア事業を推進。オフライン(店舗の棚を活用する施策)、オンライン(PPIHグループのmajicaアプリやSNSなどでの情報発信)、データ(リテールデータの活用施策)の大きく3つのソリューションを提供している。

 「pHmediaのリテールメディアは、“拡散性”や“拡張性”に独自価値があります。狼煙型マーケティングでは、ドン・キホーテなどを中心に、PPIHの中だけでなくPPIHの外へ情報を広く届けることができます」(松居氏)

株式会社pHmedia COO/株式会社博報堂 コマースコンサルティング局 局長補佐 松居達也氏
株式会社pHmedia COO/株式会社博報堂 コマースコンサルティング局 局長補佐 松居達也氏

 日本でもリテールメディアへの注目が高まっているが、2025年時点では多くの企業がまだトライアルの段階にいる。リテールメディアでブランディングやマーケティングはどこまでできるのか、探っている読者もいるだろう。

 セッションで松居氏は、花王、ファイントゥデイ、ロート製薬の3社の事例からリテールメディアの可能性を紹介した。

次のページ
花王事例:リテールメディアで「コンテンツ」の役割を果たすのは?

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2025/12/22 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50182

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