転職市場「特有の難しさ」とフルファネル戦略への転換
──まず、転職サービス市場特有のマーケティング課題と、「doda」が置かれていた状況について教えていただけますか?
武本(doda):多くの方は、常態的なニーズを持ちづらく、日常的には転職サービスへの関心が高まりません。そのため、潜在層へのアプローチは効果が限定的で、継続的な関係維持も困難とされてきました。
転職サービス「doda」と「doda X」において、認知目的と獲得目的の両面から、toC向け広告を活用した集客施策を統括
武本(doda):そういった状況下では、リスティング広告が有効な手段となるわけですが、競合各社の投資が集中したことでCPAは高騰。外部環境の変化も重なり、従来の手法では限界が見えてきました。
そこで現在は、ニーズの発生タイミングの前倒しを狙った訴求軸の拡張と、ディスプレイ広告を含めた新規のプレースメントの多様化を図り、アッパー層からローワー層までのフルファネル戦略を模索している状況です。
──人材領域におけるマーケティング特有の難しさはどのような面にありますか?
井上(doda):人材領域特有の難しさとして、単に会員を獲得すれば良いわけではない点があります。たとえば年収の具体金額を訴求しても、ユーザーの実態に沿ったものでなければ、実際の転職支援につながらず事業拡大にも寄与しません。
「doda」の獲得部隊として、主にディスプレイ広告全体(SNS広告・ダイナミック広告・アプリ関連領域)を担当
杉田(doda):別の難しさとして、我々のKPIは「doda」の会員登録ですが、ECと異なりWeb上では完結せず、実際の転職決定まで追う必要があります。潜在層にアプローチする際も、最終的に転職決定につながる見込みの高いユーザーを獲得することが求められます。
「doda」の獲得部隊として、ダイナミック広告やデータフィード系の広告を担当
Cookieレス時代への一手。Criteoを選定した理由
──なぜCriteoの「コマース・オーディエンス」の導入を検討されるようになったのでしょうか?
井上(doda):2024年頃から3rd Party Cookieの段階的廃止が見込まれていた中で、ターゲティング精度の低下、特にiOSユーザーへのリーチが困難になることが予想されていました。
代替手段を講じる中で注目したのが、新規ユーザーにリーチできる「コマース・オーディエンス」でした。私自身、「Criteoといえばリターゲティング」というイメージを持っていたため、新規獲得機能があることには驚きました。
杉田(doda):元々Criteoのリターゲティング広告を利用しており、ダイナミック広告の転職成約率や売上への貢献度が他の媒体よりも高かったという実績がありました。そのため、3rd Party Cookie廃止後も、この成果の高いダイナミックターゲティングを継続したいという思いから、代替メニューがあれば積極的に試してみようという状況でした。

