2026年2月20日に楽天グループは、広告・マーケティング領域における今後の取り組みを発表した。

まず、楽天グループ 執行役員 アド&メディアカンパニー ヴァイスプレジデント兼リンクシェア・ジャパン 代表取締役社長の石角裕一氏は、2026年2月時点での進捗を報告した。
2025年12月に楽天モバイルの契約数が1,000万件を突破。2025年11月には、楽天ポイントの累計発行量が5兆ポイント超となり、ポイントナイゼーションによる顧客共有が拡大していると報告。また、2025年7月に提供を開始したエージェント型AIツール「Rakuten AI」が楽天の様々なサービスに実装された。広告配信におけるAI活用も進んでおり、パフォーマンスが改善しているという。
モバイル契約数の増加により蓄積できるデータ量と種類が拡大しており、これをAI活用の基盤として複数の新プロダクトを展開していくと説明した。続けて、力を入れるプロダクトを紹介した。
楽天が力を入れるマーケティングソリューション
「AIチャット広告」
「AIチャット広告」は、AIとのチャット形式で広告を展開する手法を開発中。数分間の対話の中でユーザーの認知から購買検討までのファネル進行を促しながら、会話から定性的なインサイトも同時に取得できる点が特徴だ。
「AIO/GEO分析ツール」
「AIO(AI Optimization)/GEO(Generative Engine Optimization)分析ツール」は、GoogleなどAI検索における自社サイトの引用獲得数や視認性をスコア化するツール。SEOに代わる検索対策として注目が高まっており、米国でも展開を検討している。最低利用料金1万円から。
「楽天ペイメント ID POS 郵送サンプル」
楽天はオンライン・オフライン合わせて年間約30兆円超の流通総額を持つ。この額は、国内家計消費総額340兆円の約10%にあたる。同社は、このデータの一部を活用した「楽天ペイメント DM ID-POS 郵送サンプリング」の提供を2026年2月20日に開始した。
同サービスは、オフラインの購買データを基に、特定の商品を購入したユーザーの自宅へサンプル品を送付する。たとえば高価格帯シャンプーを継続購入しているユーザーに対し、同価格帯の競合商品のサンプルを送付してブランドスイッチを促す、といった使い方を想定している。
「未来購買予測」
「未来購買予測」は、特定の商品を過去に購入したユーザーの行動パターンを数千項目にわたって分析し、これから購買する可能性の高いユーザーをスコアリングするソリューション。過去の閲覧・購買履歴を追う従来のリターゲティングとは異なり、購買前の予兆行動を捉えてターゲティングする点が特徴だ。
年内には、予測ロジックにモバイルデータ、オフライン購買データ加えることで、予測精度を向上させる予定だという。
テレビCMのデジタル運用「RMP TV Ads(仮)」
新たに発表された「RMP TV Ads(仮)」は、日本テレビの広告取引プラットフォーム「AD Reach MAX」、ビデオリサーチの視聴率データ、楽天の購買データを組み合わせた運用型テレビCMサービス。取引指標にGRPではなくインプレッションを採用し、発注・原稿の締め切りは当日対応が可能となる。2026年4月以降に試験運用を開始予定だ。
東南アジア進出、ポイントと広告の融合にも注力
「ポイントと広告の融合」も注力領域だ。通常のポイントキャンペーンはコンバージョンの手前にフックを仕掛けるが、「1クリック=1ポイント」をクリック時点に仕掛けた施策を実施したところ、CTR(クリック率)は87倍、CVR(コンバージョン率)は8分の1に低下したが、経由売上は6倍となった。CTRは通常1%前後のところ約50%に達しているという。
また、石角氏が代表を務めるリンクシェア・ジャパンは、アジアパシフィックエリアに進出する。同氏は最後に、「『マーケティングの進化で、日本を元気に』を合言葉に、一緒にこの世界を盛り上げていければ」と意気込みを語った。
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