「量」と「質」を重視する、サントリーのプランニング戦略
MarkeZine編集部(以下、MZ):まずはサントリーのアルコールカテゴリーにおける、広告メディアプランニングの戦略と課題についてお伺いします。
牧原(サントリー):当社ではアルコールカテゴリーに限らず、全体としてメディアROI(投資対効果)を最大化するため、広告を一人でも多くの生活者へ届けるリーチの「量」と、生活者の記憶に残せたかというリーチの「質」の両面を重視しています。特に、ブランドメッセージを届ける上で、動画広告は極めて重要な役割を担います。質の高い動画広告のリーチを、いかにコスト効率よく最大化していけるかは、私たちが常に追求している命題です。
しかし、アルコールカテゴリーには「メディア自主規制」が存在し、広告を配信できるメディアやデバイス、時間帯、年齢層といった多岐にわたる項目を制限しています。つまり、清涼飲料カテゴリーと比べ、配信可能な広告在庫量が必然的に少なくなります。その結果、どうしてもCPMが高騰してしまいがちという構造上のネックがありました。
「質」を求めればコストが上がる。動画広告につきまとう「二律背反」のジレンマ
MZ:そうした中、サントリーではこれまでどのような配信設計を行い、そこでどういった課題に直面されていたのでしょうか?
牧原(サントリー):基本戦略として、ユーザーボリュームの多いYouTubeを優先的に選定し、最後まで見てもらえる可能性の高いインストリーム面を中心に配信してきました。しかし、量と質の両立には大きなハードルがありました。
YouTubeはリーチ規模を担保できるものの、様々なコンテンツがあり広告がしっかり見られているのか、という懸念がありました。それに加えて、近年の出稿企業増加によるCPMの上昇傾向があり、特に繁忙期には在庫が逼迫しCPMが高騰することも珍しくありません。
比較的安価に配信可能な縦型Shortsを活用してコストを抑える工夫もしましたが、やはり当社として大事にしているのは動画素材に込められたブランドメッセージを届けること。インストリーム面でどうやって単価効率を改善してくか、という点に日々頭を悩ませていました。

