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【新年特集】2025→2026 キーパーソンによる予測と展望

【広告業界予測 2026年】いよいよ「ジャンプ」の年へ!AIエージェントと拓く新時代の可能性

 AIの進歩が止まることを知らなかった2025年。広告業界に次々と新たな変化をもたらすAI技術の波に対して、広告主や代理店はどのような点を重視し、2026年への戦略を立てていけばよいのか。アタラの杉原剛氏に2025年の広告業界における注目すべき傾向とそこから見える2026年の予測をうかがった。

「ホップ・ステップ・ジャンプ」で進むAI化

──杉原さんはプラットフォームビジネスアナリストとして、広告業界を俯瞰し情報を発信されています。2025年の広告業界の動向をどのように捉えていらっしゃいますか?

 2025年は、業界の関心と投資がAIに集中した年でした。

 ここ数年業界を賑わせてきたCookie問題への関心は低下し、代わりにAIがコンテキストを理解したうえでマッチングする手法が注目を集め、業界議論の中心となりました。GoogleによるThird Party Cookie廃止中止や、プライバシーサンドボックスの実質的終了の発表により、多くの企業が「問題解決」としましたが、日本のスマートフォンの7割を占めるiOSデバイスは既にCookieレス環境であり、実質的な課題は残っています。

アタラ株式会社 代表取締役CEO 杉原 剛氏
アタラ株式会社 代表取締役CEO 杉原 剛氏

 つまり、2025年はCookie問題という構造的課題を抱えながらも、業界全体がAI技術への期待と投資に向かった転換点の年といえるでしょう。

──2025年は、やはりAI一色の年でしたね。

 AIの活用はマーケティング、デジタルマーケティング、デジタル広告分野で本格的に進んでいます。

 2024年までは生成AIの台頭による、クリエイティブ制作の変化が中心でした。しかし2025年には、ターゲティングやレポーティング、アトリビューションといった、より高度な分野にもAIが拡張されました。後述しますが、メディアプランニング分野にも、エージェンティック広告の標準技術が登場しています。2026年はプランニングからエグゼキューション、レポーティング・分析まで、デジタル広告の一気通貫したAI化が実現する元年となるでしょう。

 2024年までが「ホップ」、2025年が「ステップ」、そして2026年がいよいよ「ジャンプ」の年になります。

各プラットフォーマーもAIに投資、Googleはビジネスモデルを根本から変えた

――プラットフォーム各社の動きはいかがでしょうか?

 各プラットフォーマーにおいても、AI投資が広告事業の売上に大きく寄与しています。Googleは、検索とYouTubeが14~15%、Metaでは24%の成長を記録しました。

 Googleはエージェント機能の追加が最も大きなAI投資の成果となりました。Meta AIについては日本でもローンチされ、会話情報を広告ターゲティングに活用することでさらなる精度向上と売上成長が期待されます。

プレスリリースより

 2026年も各プラットフォーマーのAI投資は続くと考えられます。

──Google検索には、「AI Mode(AIモード)」や「AI Overviews(AIによる概要)」などが導入されてきていますね。

 Googleは検索のAI化をさらに推進していくでしょう。これによりゼロクリック検索がさらに増加し、パブリッシャーには厳しい状況が続くと予想されます。

 検索結果の見た目は大きく変わっていませんが、Googleのビジネスモデルは根本的に変化しました。従来のGoogleは、検索広告でマネタイズし、送客先でAdSenseによる再マネタイズを行うウィニングパターンを30年間続けていました。しかし、AI Overviewsが直接答えを提示するようになると、ユーザーの行動が変化します。答えを得たうえでさらに精度を高めるために再検索を行い、その過程で検索広告が表示されマネタイズされる構造に変わったのです。

Googleのビジネスモデルの変化

 リンククリック配信プラットフォームから、AIエンゲージメントプラットフォームへ。つまり、パブリッシャーに対してクリック配信を行うプラットフォームから、自社でAIエンゲージメントを実現するプラットフォームへと変化したということです。ユーザー体験を損なうことなく、基幹ビジネスのモデルを根本的に変革したといえます。

 このような結果として、クエリ数、クリック数、コンバージョン率が向上し、競争激化でCPCも高騰しています。広告主にとってはコスト高が課題となり、一部予算を他のプラットフォームや媒体へ振り分ける動きも見られます。

 つまり、Googleが一強の状況は間違いないものの、コスト高騰により他への投資も検討したいという課題感が生まれています。代理店や事業会社のマーケターには目利き力が求められているといえるでしょう。

 様々な選択肢が登場している中、いかに適切に見極め、テストを実施し、メディアプランに組み込んでいくかが重要なポイントとなります。

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日本のリテールメディア分野では変化の兆し

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2026/01/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/50230

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