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MarkeZine Day 2026 Spring

インサイト活用のプロ・米田氏と紐解く、実践的インサイト活用法

リサーチはクリエィティブワーク。雪印メグミルクが重視するリサーチの質を高める要点と実践例

 「調査依頼が盛りだくさんで整理できない」「結果の解釈が難しい」「結局、調査がビジネスに効いているのか不安」といったリサーチあるあるのお悩み解決法とは――? 元P&Gで数々のインサイト活用を行ってきた米田恵美子氏が、様々な実践的場面におけるインサイト活用について紹介し、解説していく本連載。本記事には、雪印メグミルクでマーケティングリサーチに携わる千原氏と鈴木氏が登場。調査の依頼側となる商品企画・開発部門のマーケターにも知ってもらいたい「リサーチあるある」から、米田氏と週1回実施している「壁打ち勉強会」で気づいた調査のポイント、現在取り組んでいる朝食調査の様子まで、多岐にわたるテーマを議論した。

調査担当者を悩ませる「リサーチあるある」

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インサイト・ピークス 代表取締役社長 米田恵美子氏

米田:御社のマーケティング部の皆さんとは、消費者理解やリサーチの質を高めることを目的に、週1回の壁打ち勉強会を行っています。毎週の定例では、10〜15分で具体的なお悩み相談をいただき、その場で私が「この調査の目的って何だったんですか」「どんな結果が出るとどう使うご予定だったのですか?」といったように突っ込むという流れです。相談いただくご本人だけでなく、一緒に聞いているメンバーも突っ込みを入れている私自身も「なるほど…」と学びを共有するような場になっています。

 今日はその勉強会を通してどのような気づきや学びがあったかを、千原さんと鈴木さんからご共有いただきたいと思っています。まずはお二人の自己紹介をお願いします。

千原:マーケティング部のリサーチグループで、消費者調査の企画・推進を担当しています。商品開発やブランドマネジメントなど、各部門から出てくる課題に対して、どんな調査をすれば良いかを考え、調査・分析を行っています。

鈴木:千原と同じマーケティング部ですが、私はマーケティング企画グループに所属しています。事業を横断してブランドマネジメントを推進する立場であり、事業部と一緒に「ブランドをどう育てていくか」を考えながら並走しています。合わせて、新しい調査手法の探索や生活者研究も行っています。

米田:勉強会では様々なご相談をいただきますが、私自身も「それはあるあるだよね」と言いながら、解決策を一緒に考えています。では、千原さん、お悩みあるあるについて聞かせてもらえますか。

千原:一つ目としては、調査依頼の内容が多すぎることです。「これも知りたい」「あれも確認したい」と盛りだくさんの依頼を受け、整理しきれないまま調査を組むと、設問数や対象人数が増え、回答する側にも分析する側にも負荷がかかってしまいます。

鈴木:私は昨年まで商品企画の立場にいたので、まさに「せっかく調査をするなら全部聞きたい」と依頼していた側でした。ただ、千原の近くで仕事をし、壁打ちの議論を聞く中で、それでは調査の目的がずれてしまうと感じるようになりました。

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(写真左)雪印メグミルク マーケティング部 リサーチグループ 課長 千原 隆氏
(写真右)同部 マーケティング企画グループ 鈴木 久美子氏

結果の解釈&活用にも壁がある

千原:二つ目の悩みとしては、スケジュールと予算の厳しさです。「今すぐ知りたい」「2週間以内に結果が欲しい」「でも予算は限られている」といった依頼はどうしても出てきます。納期が短い場合、逆算して詰めていくと、最も大切な企画面に時間をかけられず、結果として精度の低い調査設計になってしまうことがあります。また予算が限られると、1問の中に聞きたいことを詰め込まざるを得ず、質問がわかりにくくなってしまい、この場合も調査結果の精度は下がってしまいます。

 三つ目は、調査結果が十分に活用されないことです。「ここが知りたい」というポイントは深く分析される一方、「ついでに聞いた」設問はその後どう使われたか分からないケースが多くあります。定点調査も同様で、時系列でデータを取り続けても、本当に活用されているのか疑問が残るものもあります。

 四つ目は、調査結果の矛盾や解釈の難しさです。連続調査で前回と結果が噛み合わなかったり、同じ調査内で絶対評価・比較評価を複数聞いた結果、回答が矛盾したりすることもあります。それをどう解釈するのか。こうした場面で悩むことが非常に多いです。

米田:千原さんが挙げてくれた四つの悩みは、多くの調査担当者が感じていることで、私も強く共感するところがあります。

 鈴木さんは今、生活者研究を自身で企画し、調査もされていますが、どんなことを考えながら取り組んでいますか。

鈴木:生活者研究をしているとき、あれもこれも追いかけているうちに、自分自身が目的を見失ってしまうことがありました。だからこそ、調査のたびに目的に立ち返ることが大切だと感じています。また、商品企画時代は、「こういう結果が出てほしい」という期待を込めて調査を依頼し、社内のプレッシャーの中で結果をフラットに見られていなかった時もあったと、今は反省しています。

次のページ
調査のクオリティを高める!勉強会で得られた3つの気づき

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この記事の著者

こまき あゆこ(コマキ アユコ)

ライター。AI開発を行う会社のbizdevとして働きながら、ライティング業・大学院で研究活動をしています。
連絡先: komakiayuko@gmail.com

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/02/19 08:00 https://markezine.jp/article/detail/50349

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