異なる領域の3事業を横断してMOMを導入
本記事では、MarkeZine編集部が主催するマーケティングアワード「BEST OF MARKETING AWARD 2026」において、BtoB部門にノミネートされた旭化成株式会社の事例を紹介する。
旭化成のデジタル共創本部が向き合ったのは、製造業におけるマーケティングの構造的な欠陥。同社は電子部品、機能樹脂、建築材料という、市場も顧客もまったく異なる3つの領域において、マーケティングを「事業成果を生む仕組み」へと変革するプロジェクトを推進した。
前述のとおり、3つの事業で市場環境が異なるため、事業部ごとに抱えている問題は表面的には異なる。しかし、実態を深掘りすると、勘や経験に依存した投資判断、営業への形骸化したリード連携、ROIの不明瞭さといった共通の課題が浮き彫りになった。これらの課題に対し、同社が導入したのが「MOM(マーケティングオペレーションモデル)」である。
6つのステップでマーケティングの収益貢献を可視化
旭化成では、「1.現状分析・課題定義」「2.業務標準化・SLA策定」「3.MA/CRM連携」「4.データ可視化」「5.改善サイクル定着」「6.Playbook(MOMマニュアル)として明文化」の6つのステップでマーケティングの収益貢献を可視化するMOMを導入。特筆すべきは、単なるITツールの導入に留まらず、組織文化そのものをデータドリブンへと変革しようとした点だ。
同社独自の教育プログラム「DXオープンバッジ」や実戦形式の「リードビジネスセミナー」を通じ、営業とマーケティングの双方が共通言語を持つための土壌を徹底して作り上げた。ツールを使いこなす「スキル」と、データを基に判断する「思考」の両面を育成することで、改善し続けられる組織の基盤を構築したのである。
