蔓延する「無関心」「心理的バイアス」にどう立ち向かう
本記事では、MarkeZine編集部が主催するマーケティングアワード「BEST OF MARKETING AWARD 2026」において、ソーシャル・インパクト部門にノミネートされたKARADA内科クリニックの事例を紹介する。
KARADA内科クリニックが2025年4月から提供開始した「JUST IN CASE」は、性感染症の事後予防に特化したオンライン処方サービスだ。中核を成すのは、性行為後72時間以内の服用で梅毒、淋病、クラミジアの感染リスクを大幅に低減させる予防内服薬「DOXY PEP(ドキシペップ)」。同クリニックは、感染症専門医の知見を活かし、24時間対応のオンライン診療と即日発送の仕組みを組み合わせることで、誰もが迅速に予防措置を講じられるインフラを構築した。
本取り組みの背景には、感染経路の変化とそれにともなう深刻な社会状況がある。近年の統計によれば、感染経路の約3割を「マッチングアプリを通じた出会い」が占めており、特に2020年以降、20代女性の感染急増が顕著となっている。
最大の障壁は、一般層に根深く存在する“心理的ハードル”であった。多くの若年層にとって性感染症は「自分には無関係」なものであり、同時に「性に奔放な人がかかるもの」という強いネガティブイメージが付着している。この社会的偏見が、予防意識の向上を阻むだけでなく、感染の疑いがあっても受診を躊躇させる要因となっていた。
