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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

MarkeZine Day 2025 Autumn

SCARZ×カゴメ・フィリップスの事例に見る、「eスポーツ」の熱狂をマーケに活かす3つの壁と攻略法

 両国国技館や幕張メッセを満員にするほどの熱狂を生むeスポーツ市場。その熱狂を前に、自社のビジネスにどう活かせばいいのか思案するマーケターは少なくない。「MarkeZine Day 2025 Autumn」では、J.フロント リテイリンググループのeスポーツチーム「SCARZ」と大丸松坂屋百貨店のマーケティングを兼任する島袋孝一氏が登壇。eスポーツをマーケティングに活用する上での「3つの壁」の攻略法と、従来のスポンサーシップにとどまらないアクティベーション手法を、カゴメ、フィリップスの事例をもとに解説した。

推し活化するeスポーツ、Z世代・女性層が支える熱狂

 「この熱狂、すごくないですか?」

  そう語るのは、J.フロント リテイリンググループの大丸松坂屋百貨店と、eスポーツチームを運営する「XENOZ(SCARZ)」のマーケティングを兼任する島袋孝一氏だ。大丸・松坂屋やPARCO(パルコ)を擁するJ.フロント リテイリンググループは、2022年にeスポーツチーム「SCARZ」を運営するXENOZを子会社化し、eスポーツ市場に参入している。

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株式会社大丸松坂屋百貨店 デジタル戦略推進室 スタッフ/株式会社XENOZ マーケティング部 部長 島袋孝一氏

 島袋氏が投影しているのは、SCARZとそのファンが交流する有料イベントの様子。そこには、SCARZのメンバーと、自分の「推し」を応援しに来た女性たちの姿が映し出されている。客層のほとんどが女性であることから、このイベントには、コスメブランドのPAUL&JOEなどが協賛しているという。

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ゲーム『第五人格(IdentityV)』部門のSCARZメンバーなどと会えるイベントの様子

eスポーツとは?ファン数、ビジネスモデルは?

 eスポーツとは、「エレクトロニック・スポーツ(Electronic Sports)」の略で、コンピューターゲームやビデオゲームを競技としてプレイすることを指す。プロ選手やチームが大会に参加し、賞金や名誉をかけて競い合うのが特徴だ。加えて、「トレーニングが必要」「フィジカルな要素が含まれる」「観戦文化が発展している」といった特徴もある。

 eスポーツ市場は、その界隈だけに留まらず世界的な成長を続けている。世界のスポーツ別競技人口を見ると、eスポーツは約1億人とされており、これはテニスと同等で、ゴルフの6,500万人や野球の3,500万人を上回る規模だ。

 世界的な人気を誇るゲームタイトル『League of Legends』が、2019年にフランスで開催した世界大会決勝の最高同時接続数は4,400万人、平均視聴者数は2,180万人だったという。

 世界市場を追随する形で、日本国内市場も盛り上がりを見せている。2022年6月にさいたまスーパーアリーナで開催された『VALORANT Champions Tour』は、有料チケット制で2日間に2万6,000人超を動員し、ライブ放送の最大同時接続数は50万人に達した。

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 ファン数も、右肩上がりだ。2022年の日本eスポーツファン数は約776万人と推定されている。オンライン視聴の定着により増えたファン層は2023年以降も堅調に伸びていくと見られ、2025年には1,000万人を超えると予測されている(出典:日本eスポーツ白書2023/角川アスキー総合研究所)。

 「eスポーツのエコシステム自体は、メディアビジネスと同じ『2-sided-platform(ツーサイドプラットフォーム)』ビジネスとなっている」と島袋氏。

 「オーディエンスであるファンとの接点を作ることで、直接領域から波及領域へと市場が広がっていきます。そのため、直接領域においては、プロのeスポーツチームが多くの事業者との接点を持っているのです」(島袋氏)

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eスポーツ業界のビジネスモデル
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eスポーツマーケティングの3つの課題

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この記事の著者

竹上 久恵(編集部)(タケガミ ヒサエ)

早稲田大学文化構想学部を卒業後、シニア女性向けに出版・通信販売を行う事業会社に入社。雑誌とWebコンテンツの企画と編集を経験。2024年翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/12/26 08:00 https://markezine.jp/article/detail/49796

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