※本記事は、2019年4月25日刊行の定期誌『MarkeZine』40号に掲載したものです。
「イマドキ男子」のメディア接触行動
ある朝、とある時間帯の通勤風景。身動きができないほどに混雑していた山手線内回りは、品川駅で7〜8割の乗客が降車する。乗り込む乗客はその5分の1にも満たない。品川駅以降、それまでが嘘のように乗客は少なくなり、まばらになった乗客は思い思いの席に座り、それぞれが自分の時を過ごす。
右隣に座る大学生と思しき男性がスマホの画面を人差し指で、上へ上へとスクロールしている。すさまじいスピードで流れていく写真は「Instagram」のストリートファッション系の写真だ。ときおり手を止めて凝視したかと思うと、また忙しそうに手を動かす。そうしてしばらく、スクロール&ストップを繰り返した後、気になるブランドを見つけたのか、急にLINEに切り替えて、だれかに共有を始めた。その後もハッシュタグを切り替えながら、「高速スクロール」と「情報発信」が続いている。
ふと対面する座席の網棚の上の3面連続の車内モニター広告に目をやると、彼らには決して見られることのない、スマホの新しい割引料金プランの動画広告が虚空に向かって放たれている。
メディアや情報端末、そして、コンテンツとしての情報そのものが爆発的に増加している現在、ターゲットとの接点(=コンタクト・ポイント)の把握は重要なテーマである。「ターゲットは何を見ているのか?」についての考察は、目まぐるしく変化する生活者のメディア接触の環境変化も相まって、たえずアップデートが求められている。
本稿ではメディアプランニングで用いられるターゲット区分「M1(男性20〜34歳)」を取り上げつつ、「20〜24歳」にスポットをあてることで、「イマドキ男子」のメディア接触行動を浮き彫りにしたい。「M1」とひと括りにはできない「イマドキ男子」のメディア接触行動を確認することにより、「M1」という従来のターゲット区分から、さらに精緻にターゲットにフォーカスしたプランニングの有効性をお届けするとともに、広告コミュニケーションに携わる読者の皆様の「イマドキ男子」理解のアップデートを支援したい。
▶調査レポート
「イマドキ男子とのコンタクト・ポイントを探る」(Intage 知る gallery)