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MarkeZine Day 2025 Autumn

指名検索スコアランキング

2025年第2四半期、視聴者が検索したテレビCMを分析~衛生医薬品・家庭用品業界編~【ノバセル調査】

 スマートフォンの普及により、スマホを片手にテレビを視聴する「ながら視聴」が一般的な光景となっています。テレビCMの効果指標として「指名検索数」を重視しているノバセルでは、CM放映の前後数分間に増加したブランド名の検索数を、放映量で割った数値を「指名検索スコア」として設定しています。このスコアが高いほど、テレビCMが視聴者に強い印象を与え、ブランド名が検索されたと評価できます。本記事では、すべてのテレビCMの指名検索スコアを可視化できる「ノバセル トレンド」を活用し、2025年4〜6月に放映されたテレビCMを対象に「業種別 指名検索スコアランキング」をご紹介します。今回は、季節要因などの影響が見られた「衛生医薬品・家庭用品業界※」に注目し、その中でランキング上位となったCMの傾向についても分析していきます。

2025年4月〜6月の指名検索スコア【衛生医薬品・家庭用品業界編】

 本記事では、2025年4月〜6月の期間においてランキング上位のテレビCMを「ノバセル トレンド」で分析し、トレンドや傾向を見ていきます。

2025年1~3月 指名検索スコアの高いテレビCMランキング
2025年4月~6月 指名検索スコアの高いテレビCMランキング

※放映地域は関東/期間は2025/4/1~2025/6/30放映分のみ/放映回数30回以上/一部ブランド制限あり
放映回数・imp(単位:100万):「インテージ Media Gauge TV/エム・データ 全国CMマスタ」
※ノバセルトレンドによる業種分類に基づく
(出所)ノバセルトレンド

指名検索スコアとは

 ノバセルでは、テレビCMインプレッション100万回あたりの分間指名検索数を「指名検索スコア」と定義しています。スコアが高いほど、検索獲得効率が高いとされており、クリエイティブや放映枠を相対的に比較する際の指標として活用されています。

暑さが増す季節に向けた商品がランキング入り 老舗企業の新旧ブランドが肩を並べる

 衛生医薬品・家庭用品業界において、2025年4月〜6月に検索数が多かったCM上位10ブランドを見てみると、以下のように分類できます。夏本番を見据え、身だしなみや疲労回復といったセルフケアやボディメンテナンスへの関心が高まる中、ランキングには歴史ある企業が多く名を連ねています。時代に合わせて刷新を続ける老舗ブランドや、新たなアプローチによる新商品などが、注目を集めていることがうかがえます。

【ヘルスケア】疲労回復・ダイエット

1位:キューピーコーワ(栄養ドリンク)
3位:アライ(内臓脂肪減少薬)
4位:バンテリンコーワ(湿布薬)
5位:グロモントPREMIUM(栄養ドリンク)

【スキンケア】暑さ・紫外線対策など

2位:シックファースト トーキョー(シェーバー)
6位:8x4(エイトフォー)(デオドラント)
9位:インターメスティック/Zoff(サングラス)
10位:ダヴ(ボディソープ)

【虫除け】室内対策・屋外用など

7位:スキンベープ(虫除けスプレー)
8位:MAMOROOM(マモルーム)(虫〔ゴキブリ〕予防)

 1954年の発売開始から70年余りが経つ1位の「キューピーコーワ」は、近年、俳優の斎藤工さんをイメージキャラクターに起用し、爽やかで力強いメッセージを打ち出したCMによって、高い検索スコアを獲得しました。また今年で発売40周年を迎える「バンテリンコーワ」は、定番のジングルとともに効き目や使用感といった商品特性を訴求するCMを展開し、4位にランクインしています。

 一方、11人組のグローバルボーイズグループ・INIを起用したCMが話題となった2位の「シックファースト トーキョー」は、Z世代向けの新ブランドとして2024年9月に発売されました。3位の「アライ」も、日本初の内臓脂肪減少薬として同時期に発売されています。いずれも新生活が始まる4月〜5月にかけてCM出稿量が増加し、それにともない検索数も伸びる結果となりました。

 5位の「グロモントPREMIUM」は、約60年の歴史を経て商標権を引き継いだレック株式会社により、2025年1月に新商品として発売されました。また、約50年前の1974年に日本初のパウダースプレー状デオドラントを発売した6位の「8x4(エイトフォー)」も、コスメ感覚で使える新商品「8x4(エイトフォー)デオドラントパテ」を、2025年2月に発売。パテ状のデオドラントをパフで塗り込む新しいスタイルが特徴です。「グロモントPREMIUM」はミュージシャン・俳優の吉川晃司さんを、「8x4(エイトフォー)」はモデル・タレントの藤田ニコルさんをそれぞれ起用し、いずれも新たなターゲット層へのアピールを図っています。

 虫除け商品として7位と8位にランクインしたのは、蚊やゴキブリの存在が気になり始めるこの季節の需要を的確に捉えた「スキンベープ」と「MAMOROOM(マモルーム)」。ベープブランドより20年以上の歳月でタレント起用のCMを放映し続け、屋外用の定番虫除けスプレーとして知名度を得ている「スキンベープ」に対し、スタイリッシュなドーム型の屋内用ゴキブリ対策として2023年に売り出された「MAMOROOM(マモルーム)」は、前年4月のCM初放映でも話題 となり、2025年5月からのCM再放映で認知度をさらに高めています。

 プロバレーボール選手の石川祐希さん・真佑さん兄妹が出演するサングラスのCMで9位となった「インターメスティック/Zoff」と、「ラデツキー行進曲」の軽快なメロディに合わせ毛穴ケアと“つやぴか真珠肌”という泡ボディウォッシュの効果を歌った10位の「ダヴ」も、暑くなる時期に必要となるアイテムを印象的に打ち出すことで、視聴者の検索につながったと考えられます。

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タレント起用のインパクトあるCMで認知度アップに成功

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この記事の著者

ノバセル株式会社(ノバセルカブシキガイシャ)

 マーケティングの民主化をミッションに掲げ、テレビCMなどの広告動画の企画・制作・放映・分析までをワンストップで提供しています。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/08/06 08:00 https://markezine.jp/article/detail/49574

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