本連載では、広告・マーケティング業界に特化した転職、副業、就活のキャリアコンサルティングを3,000人以上担当したホールハートの野崎大輔さん(通称:白メガネ)が、同領域で活躍中の業界人のこれまで歩んできたキャリアを深掘りし、100年時代におけるキャリア設計のヒントを探ります。初回となる今回は、新卒でセプテーニに入社後、VASILY 、DeNAを経て現在wwwaapの代表取締役COOを務める高橋伸幸さんに話を聞きました。
順風満帆な現状に疑問
今回のインタビュイー:株式会社wwwaap(ワープ) 代表取締役COO 高橋伸幸さん
2009年に新卒でセプテーニに入社。営業マネージャーとしてチームマネジメントを経験後、VASILY(現・ZOZOテクノロジーズ)、DeNAを経て、2017年に横浜DeNAベイスターズの経営IT戦略部へ出向。マーケティング業務、新規事業の立ち上げを担当。2018年7月より現職。

野崎:昨今、マーケターも転職や独立など様々なキャリアを歩んでいくのがトレンドです。そして、それと同時に「今後どんなスキルセットが必要になるのか」と考えている人も多いのではないでしょうか。本連載では、今回のwwwaapの高橋さんのような次世代のトップランナーに、広告・マーケティング領域に特化したキャリア設計支援を行う私が、キャリアについて根掘り葉掘り聞いていき参考になるナレッジを引き出したいと思います。
まず、高橋さんが新卒入社したセプテーニ時代のお話から聞かせてください。
高橋:私は2009年卒でセプテーニに入社し、退職する2016年まで大手企業を中心にSNS広告の営業を担当していました。最終的には営業マネージャーも経験しています。
野崎:同期ではトップクラスの成績を出し、条件面含めとても良い環境だったと思うのですが、なぜ順風満帆とも言える状況で転職されたのでしょうか。
高橋:確かに実績を重ねるごとに、社内では自分の意見が通りやすくなり、自分の考えに沿って組織が動いていく感覚もあったので、正直に言うと気持ちよかったです。痛いヤツですよね(笑)。それと同時に、このままで良いのかと疑問に思うようになりました。
マネージャーとしてチームメンバーの育成を頑張って仕事が回り始めて、時間を持て余していたんです。その時に他の会社のことが知りたいと思い、直近で大型調達をしたベンチャー企業を中心に電話してアポを取り付け、直近の動向や資金調達について聞きまわっていました。
デジタル専業ならではのキャリアのジレンマとは
野崎:すごいバイタリティですね。原動力になったのは、順調な状況に対しての危機感なのでしょうか。
高橋:それもありますが、もうひとつ理由があります。それは、マーケティングの一部にしか携われていないという、デジタルエージェンシー特有のジレンマです。僕が在籍していた当初は、大手総合広告代理店によってアロケーションされた予算の中でしか、施策をプランニングすることしかできませんでした。
野崎:私もデジタルエージェンシー出身ですが、野球で言うところの9回に投げる抑えのピッチャーみたいなポジションになりがちですよね。
高橋:そうですね。抑えもチームには必要だと思いますが、先発が完投してチームを勝利に導くように、マーケティングファネル全体に関わって企業のビジネス成果を出す支援がしたいと常に考えていました。
野崎:そうなると、一般的には総合広告代理店という選択肢が浮かびがちなのですが、そこは考えなかったのですか。
高橋:そうですね。結局総合代理店に言っても今の仕事の延長線にある仕事しかできなさそうだと思っていたので。そうではなく、今のスキルでは太刀打ちできないようなカオスな会社に入りたいと思いました。大型の資金調達をしているベンチャー企業の経営者に話を聞きに行っていたのも、そういった意図があります。
そのため転職先は「急成長を遂げているか」「大型の資金調達を行っているか」を基準に選定していました。成長が著しく、資金が大量投下されている領域であれば自分も急成長できると思っていたからです。
そこで選んだのが、当時ファッションコーディネートアプリ「IQON」を運営していたVASILYでした。
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水落 絵理香(ミズオチ エリカ)
フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。
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