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MarkeZine Day 2025 Autumn

CXマーケターの革新事例を探る(AD)

アパレル大手ワールドのMA刷新 属人化を脱し、“現場で動く”CX戦略とは

 豊富なブランドポートフォリオと、時流をとらえた市場対応力を強みに、日本のアパレル業界をけん引してきたワールド。近年はECやデジタル戦略を強化し、2025年2月期には前年同期比で増収増益を達成した。そんな同社がいま、特に力を入れているのが、メールやLINEを活用したパーソナライズメッセージの配信だ。高度に設計された施策により、これらは売上に直結する重要なチャネルとなっている。その基盤を支える仕組みとして、2024年9月には従来のマーケティングオートメーション(MA)を刷新し、プレイドの「KARTE Message」へと移行。今回の取材では、ツール刷新に踏み切った背景と、ワールドが描く“次の顧客体験”に迫る。

“アパレル”の枠を越えたワールドの挑戦

MarkeZine編集部(以下、MZ):まず、ワールドについて簡単にご紹介をお願いします。

尻江:ワールドは1959年の創業以来、世の中のチャネルやマーケットの変化に応じて業態変更を重ねてきました。最初は100%卸売業態でスタート。街のブティック様向けに洋服を販売し、自社では在庫を持たない業態でした。次の段階では、百貨店での直営販売を開始し、実店舗を持つ業態へ。2000年代からは、ショッピングセンターの増加に対応した業態開発を進めてきました。

 ファッションのイメージが強い当社ですが、現在はブランド事業デジタル事業プラットフォーム事業の3つの柱で事業を展開しています。

 ブランド事業では、現在71のブランドを展開し、全国に2,195店舗を構えています。デジタル事業では、自社ブランドのECモール「WORLD ONLINE STORE(以下、WOS)」の運営・構築をはじめ、他社ECモールの運営受託や、ファッションサービスに関するソリューションの提供などを行っています。急成長中のユーズドセレクトショップ「RAGTAG(ラグタグ)」もこの領域に含まれます。さらに、プラットフォーム事業では、当社が創業60年で培ってきたノウハウを、業界内外に向けて展開するBtoBビジネスを展開しています。

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株式会社ワールド ブランド事業本部 デジタルリテール推進室 DCX部 部長
兼 株式会社ファッション・コ・ラボ WOS事業本部 WOS WEB制作部 部長 尻江 高昭氏

MZ:非常に幅広い事業を展開されていますね。今回はその中でも、特に「WOS」における取り組みについてお伺いできればと思います。御社ではECをどのようなチャネルと位置づけ、どのような戦略で展開されているのでしょうか?

尻江:2025年2月期のEC取扱高は497億円。全体売上の約22%を占めており、ECは非常に重要なチャネルと位置づけています。業界全体としてECモール化が進む中、当社でもECモールとしての規模拡大に注力しています。

 具体的には、「WOS」と親和性の高いブランドの招致に取り組むほか、アパレル以外のライフスタイル雑貨や服飾雑貨といった商材の強化にも注力しています。

 さらに、実店舗とオンラインの双方をご利用いただくお客様に向けたサービスも拡充中です。たとえば、店舗在庫の取り置きサービスや、店舗への商品取り寄せ機能の充実を図ることで、よりシームレスな購買体験の提供を目指しています。

デジタル戦略の要「メール基盤」の刷新を決意

MZ:EC売上においては、“メルマガ”を活用した顧客コミュニケーションが、かなり重要なタッチポイントになっているそうですね。

尻江:そうですね。オウンドメディアで配信しているメルマガは、売上への貢献度が高く、非常に重要なタッチポイントのひとつです。内容としては、「夏こそサマになる!即戦力トップス」といった季節ごとの特集や、スタッフによるスタイリングコンテンツなどを配信しています。

 また、MA(マーケティングオートメーション)を活用し、カートに商品を入れたものの購入に至らなかった場合や、お気に入り登録された商品の価格が下がった際、在庫が少なくなった際など、特定のシナリオに基づいてメルマガを配信しています。

MZ:上記戦略を進める中で、課題と感じることはありましたか。

尻江:EC売上が拡大し、成長を続けることで、取り扱う商品やブランドの数も必然的に増加します。その結果、お客様一人ひとりに提供される情報量が多くなり、かえって選択の負担になってしまうケースが出てきました。

 このような状況を解決するためには、パーソナライゼーションが不可欠であり、お客様の行動データを活用することが重要だと考えています。事前にある程度最適化された状態でお客様をお迎えし、適切な商品やサービスを提案できる仕組みの構築が必要だと感じ、2021年にKARTEを導入。Web上のパーソナライズ施策を推進してきました。

 また、MA配信は別ツールを用いて行っていたものの、新規シナリオの作成や既存シナリオの修正といった業務を内部で行うことができず、スピード感を持って運用することが難しいという課題もありました。

 そこでMA配信を「KARTE Message」に切り替えることで、内製化を図ることにしたのです。

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重要なのは“社内メンバーが使いこなせる”こと

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この記事の著者

和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)

 IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社プレイド

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2025/07/31 11:00 https://markezine.jp/article/detail/49411

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