第1回のおさらい:AIによって起こったマーケティングの変化
連載の第1回では、AI×マーケティング領域で起こっている変化を4カテゴリーに分けて整理をしました。今回は、この中でも特に「(1)顧客接点の変質」について見ていきつつ、「(3)リスクの増加」のWeb上コンテンツの監視方法についても触れます。
まずは、この領域に関して第1回でお話しした内容をまとめておきましょう。
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AIの登場により、人々の購買行動モデルが従来型→AI型に移り変わっている
従来型:認知〜情報収集・比較検討〜購買まで人が自らマルチチャネルを行き来する
AI型:認知刺激を受けた人が、情報収集・比較検討をAIチャネルで行う
AIエージェンティック型:AI型に加え、認知や購買といった領域までAIが自発的に行う
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定量的に見ると、先端的な業界(B2Bや金融など)で従来型:AI型=9:1程度の割合ではないかと考えられる
これを踏まえ、今回は具体的に「自社ユーザーのAI型モデルへの移行度合い」をどう測っていくのかお話をしていきます。
「AI型購買」の計測方法
まず、AIに限ることではありませんが、「直接CV」と「間接CV」を切り分けて考える必要があります。
仮に、ChatGPTやGeminiといった対話型AIプロダクトに「AI検索のコンサルを教えて」という投げかけをして、「Speeeがおすすめ」という回答が返って来たとしましょう。ここでAI上に表示されたSpeee公式サイトのリンクをクリックし、そのまま問い合わせを終えた場合は、「直接CV」としてGoogle Analyticsなどのツールで計測が可能です。

一方で、AIに「Speeeがおすすめ」と言われた後に、一度検索を止めて知人や有識者にも話を聞いてみる、セミナーを見てみるなどして、改めて「Speee AI」などの指名検索をして問い合わせに至るといった行動をした場合。これは「間接CV」となり、一般的な環境でのデータ取得は難しいものとなります。
間接CV計測の方法は、手軽なものでは大きく次の2つに分かれると考えられます。
(1)CV相手への直接的なヒアリング
CVがあった場合に、「どうやってこちらの購買/お問い合わせに至ったのか教えて下さい」と直接尋ねる方法です。営業やカスタマーセンターでのオペレーションに組み込む方法や、Web上でCV後にアンケートを表示する方法が考えられます。
既にこうしたデータ取得オペレーションを確立している場合でも、選択肢にAIが含まれていないケースやデータの棚卸しができていないケースもあるので、改めて「AI経由間接CV」を判定できる状況になっているか確認が必要でしょう。
(2)ユーザーインタビューなどの結果を使って推計する
こちらはすべてのCVに対し浅く広くヒアリングするのではなく、特定の人物の行動を深掘りする方法です。
そのため、AI型購買への全体的な移行度合いを測るには(1)と比較するとやや精度が下がるといえます。しかし、AI型購買をしている何名かに共通する特徴的な行動パターンがあった場合は、「同様の行動パターンを持つCVはおそらく間接的にAIを経由しているだろう」と判断するといった推計を用いることは、一定有意義かと思います。
これらの手法を使い、以下のようなデータを整形することで、自分たちの事業においてAI購買がどの程度進捗しているのかを可視化することが可能です。

これは意外とどの企業でも取り扱っていないケースが多いデータですが、AEO投資というテーマでは最も重要なデータといえるので、必ず取得いただくことをおすすめします。
