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統括編集長インタビュー

「“挑戦を楽しんでいるか”を貫きたい」元ビームス矢嶋氏、ハーレーパーツ販売会社社長への転身秘話


 「事業承継に興味ないか?」。2023年の年末、メッセで唐突に届いた一言が人生を変えた――。会社員人生を50年と考え、25年目の節目にあたるタイミングで進めていた転職活動。じっくり時間をかけて検討し、もう心の中では次を決めつつある状態だったが、最後の最後に選んだ道は、自身の趣味でもあるハーレーダビッドソンのカスタムパーツ販売会社の社長だった。元ビームス執行役員 DX推進室長で、2024年4月1日からハーレーダビッドソンのカスタムパーツの販売やチューニングサービス等を行うパインバレー 代表取締役社長に就任した矢嶋 正明氏に、決断の背景やキャリアへの考え方について聞いた。

25年の会社員人生から一転、ハーレーパーツ販売会社社長へ

──矢嶋さんは、アルバイトからビームスに入社され2005年のEC立ち上げを皮切りに、ビームスのデジタル領域を担ってこられたので、退職を耳にした時はびっくりでした。しかも25年間務めたビームスの次に選んだ道は、ハーレーダビッドソンのカスタムパーツ販売を手掛ける中小企業の社長。会社員からいきなり社長となり約3ヵ月経ちましたが、率直に振り返っていかがでしたか。

矢嶋:25年の会社員人生と4月1日の社長就任からの3ヵ月を比べると、明らかに時間の流れが違いますね。一言で表すと、新入社員に戻ったような感覚で、エキサイティングで刺激的です(笑)。実務的な面だと、会社の代表者としての変更届、お取り引き先様へのご挨拶、私が代表になる前から進んでいたパインバレー名古屋店のオープン等で忙殺されていました。約20名いる社員全員と、きっちり1on1できたのは5月中旬ぐらいです。今まさに会社を理解している段階ですね。

パインバレー 代表取締役社長 矢嶋 正明氏
パインバレー 代表取締役社長 矢嶋 正明氏

──大手企業の会社員から中小企業の社長となると、やることが全然変わったのではないかと想像します。

矢嶋:外からご覧になると、大きな変化があるように見えますよね。でも、実は私の中では今回の決断は「なるべく最小限の変化」を選んだつもりです。まったく知らない領域だと、コントロールできないことが増えるので、ミスが起こりやすいし間違った判断にもつながりやすい。

 ご存じの通り、ビームスは洋服や雑貨のセレクトショップですが、パインバレーはハーレーダビッドソンのパーツを扱うセレクトショップなのです。どちらも仕入れ商品と自社商品を扱っている小売業で、ビームスは店舗とEC事業が共存していますが、パインバレーもハーレーを整備する店舗をもちながらEC事業を運営していて、ECの売上シェアは全体の50%にも達しています。なので、実は共通項が多くあり、事業の根幹がとても近いんですよね。

 また、企業経営という面では、ビームスでは執行役員を務めていて、事業戦略の立案、EC部門のチームビルディング、デジタルマーケティングからデータ分析、システムの統合、PL/BSと向き合う等の実務に取り組んでいました。一つずつパインバレー社の事業を理解しながら、今までの経験を生かし経営を実行しています。

──外から見ると大胆な転身に見えましたが、実際はそうなんですね。元々お店の顧客でもあったと聞いてます。社員さんたちからすると、お客様がいきなり社長になったという側面もありますか。

矢嶋:確かに私は、元々パインバレーのユーザーですし、去年も私のハーレーをパインバレーでチューニングしカスタムしていたので、私を接客してくれた社員も覚えていてくれました。社員たちの受け止め方はわかりませんが(笑)、弊社には3つの部門がありまして、その部門長たちと日々膝を突き合わせて、事業の展望や課題についてみっちり議論をしています。

 私がお客様として利用していたときの視点は大切にしつつ、社員に一からヒアリングして、オペレーションのフローチャート図を自ら書き出して、改善点を検討してます。私自身、できるだけ多くの社員と会話するように心がけていますし、社員との距離を近づけられるように努力しています。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2024/07/25 14:23 https://markezine.jp/article/detail/46076

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