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統括編集長インタビュー

「“挑戦を楽しんでいるか”を貫きたい」元ビームス矢嶋氏、ハーレーパーツ販売会社社長への転身秘話


ヘッドハンティングからのオファー 最後に選んだのは事業承継

──矢嶋さんの年齢やキャリアでの転職となると、転職エージェントやヘッドハンティング、知り合い経由での転職といったパターンが多い印象だったので、事業承継という選択が新鮮に映りました。どういうきっかけで事業承継という選択肢が挙がったのでしょうか。

矢嶋:元々、社会人人生を50年と捉えていて、今年でちょうど25年目の節目を迎えるので、上司にも相談しつつ昨年の夏ぐらいから転職をイメージしていました。大変ありがたいことに、複数の会社さんからお話を頂いて、いくつかの転職エージェントさんと連絡をとっている最中でした。

 そんな矢先に、サーチファンドを経営している友人から「事業承継に興味ないか?」という連絡がありまして。それで、ちょっと話を聞いてみようかなと思ったのが、きっかけです。

──サーチファンドとは、経営者を目指す個人が投資家の支援を受けながら、企業から事業を承継し、自ら承継先の経営に携わる仕組みのことですよね。最初は、話を聞いてみようかなという感じだったんですね。

矢嶋:そうなんです。そこで、紹介された1社がパインバレーだったんですよね。私はバイクが趣味でこの会社の顧客だったので、紹介案件の書類を見た時は「ええっ!?」と、書類を二度見しました(笑)。紹介してくれた友人も、私がバイク乗りなのは知っていたのですが、まさか顧客ということまでは知らなくて、びっくりしてましたね。

 それから、創業オーナーである前社長との面談があったので、私がこの会社に関わるとしたらどうするかという視点をベースに、定量、定性でのマーケティング分析をした上で、私が社長になったらこうするという3本柱の戦略を作ってプレゼンしました。プレゼン資料を作る中で、自分の強みとパインバレーがさらに成長していくために必要なリソースや、求めている要素が合致するなと感じたのを、よく覚えています。

──そのプレゼンが、オーナーさんの心を動かしたのでしょうね。

矢嶋:実際それからトントン拍子で話が進んでいき、結果的に約3ヵ月で話がまとまり社長就任となりました。実はこれまで2年ぐらい後継者を探していたようですが、上手く進んでいなかったそうです。それが年末に話を聞いてからスムーズに進んでいったので、ほんとご縁としかいいようがないですね。

──ご縁もあるのだと思いますが、別で話が進んでいる中で事業承継を選ぶ決断がやはり新鮮です。選ぶ決め手になったのはどういった思いからでしょうか。

矢嶋:正直、エージェントさんからオファーを頂いて、心が傾いていた会社さんもありました。その中で最後の決め手になったのは、自分がこの先どうしたいのかを自問自答したことです。

 60歳で定年を迎えても、私は楽しく働いていたいと思っているのですが、実際、定年を迎えた時に、「果たして自分に何ができるのか」を考えていました。今48歳で60歳まであと12年。12年かけて何を学ぼうと思った時に、経営を学ぼうと思いました。ビジネスパーソンとして25年、さらに10年以上の経営経験をもっていれば、色々な人の役に立てるのではないかなと。

──経営を学ぶのであれば、ビームスに残って学ぶ選択肢もあったのではないでしょうか。

矢嶋:もちろん、ビームスに残ってさらに自分を高めていく選択肢もありました。私はビームスが今でも大好きですし、設楽社長を心から尊敬しています。設楽社長の言葉に「努力は夢中に勝てない」という言葉があります。社員の好きなことや得意なことを伸ばし、社員が夢中になることを貫き通して会社を大きくされた設楽社長に憧れますし、直近は経営陣の一人して近くで学ばせていただく機会も得ました。

 本当に恵まれた環境だったと思いますが、今回、私の大好きなバイクに関する事業会社で、なおかつ私がこれから身につけたい経営力を、夢中になって学べる環境が目の前にできたので飛び込んだ、そういう思いです。

──まさに「努力は夢中に勝てない」を体現する道を選んだわけですね。

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転職、独立……どちらを選ぶにしても大切なこと

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/07/25 14:23 https://markezine.jp/article/detail/46076

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