インテグラル・アド・サイエンスは、2018年上半期の「メディアクオリティレポート」を発表した。
同レポートには、パブリッシャーダイレクト(以下、純広)と、プログラマティック・チャネルを通じて提供されるデジタル広告について、不正インプレッション、ブランドセーフティ、ビューアビリティの3つの指標に関する調査結果がまとめられている。
純広のビューアビリティは改善傾向に
ビューアビリティの調査には、「ディスプレイ広告全体の50%以上のピクセルが、画面上に1秒以上表示された場合」をビューアブルとする、Media Rating Councilの定義を採用。ビューアブルなインプレッションが全体に占める割合で表示される。
グローバルの数値と比較すると、日本のビューアビリティは低い傾向。しかし、純広は66.5%と、グローバル平均の63.7%を大きく上回り、改善傾向にある。これは、セラーサイドによる改善への努力が反映された結果である。
タイムインビューはモバイルよりデスクトップが長い
タイムインタビューは、ビューアブルなインプレッションにおける閲覧時間の平均を表す指標で、秒数が長いほどブランド認知や顧客とのエンゲージメントに貢献していることを示すものだ。
日本のタイムインビューは、デスクトップでは8.49秒、モバイルでは6.98秒となり、モバイルよりもデスクトップのほうが長い結果に。グローバルの数値も、同じ傾向を示した。
モバイルウェブの不正インプレッション指標が追加
不正インプレッションは、適切な広告提供の妨げとなる、あらゆる意図的な行動およびプログラムに起因する指標。同レポートには、今回から、日本市場におけるモバイルウェブの不正インプレッション指標が追加された。
最適化されたキャンペーンの不正インプレッションは、モバイルよりもデスクトップで高い数値を示した。この傾向は、世界の他のマーケットでも見られている。
ブランドセーフティは大幅に改善
ブランドセーフティ(ブランドリスク)は、ブランドイメージや評判に毀損をもたらす広告掲載面インプレッションの指標。同レポートでは、「アダルト」、「アルコール」、「ヘイトスピーチ」、「不快な表現(物議を醸すコンテンツやフェイクニュースを含む)」、「違法ダウンロード」、「違法薬物」、「暴力」の7つのカテゴリーにおいて、リスクを計測している。
デスクトップ ディスプレイのブランドリスクは、2017年下半期の8.1%から、2018年上半期は5.5%と大幅に改善。特に純広では、2.6ポイント、比率にすると12%の改善が見られた。
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