電通デジタルは、デジタル広告の最適な表示回数(フリークエンシー)の上限を導き出すフレームワークを開発し、提供を開始した。これにより、広告配信対象となるセグメント・広告予算・配信期間に応じて、最適な広告上限表示回数の設計を実現する。
現在のデジタル広告には、一定期間内に同一ユーザーへの広告表示回数を制限する機能があり、広告効果を最大化するためにこの機能の適切な活用が重要となっている。しかし、これまでは広告表示回数の上限をどのように設定すべきか、データドリブンな算出に課題があった。
そこで電通デジタルは、同社が保有するフリークエンシー回数別(以下、FQ回数別)リフトモデルと、プラットフォーマーが保有するリーチシミュレーションデータ(ユーザーへのリーチ数とフリークエンシー分布の予測データ)を組み合わせることで、配信セグメント・広告予算・配信期間に応じて最適なフリークエンシー上限回数を導き出すフレームワークを開発した。
FQ回数別リフトモデルは、広告接触時に発生する広告効果の伸びしろと可変性(態度変容のしやすさ)を軸に、FQ回数別の態度変容指数を導き出すもの。同社が複数の事例を通して検証を重ねた結果、限られたユーザーに複数回広告を表示し続けるよりも、可能な限り多くのユーザーに1回広告を表示した後に、2回目以降の広告を表示することが理想的なフリークエンシーの制御方針となることがわかったという。
またFQ回数別リフトモデルにより、配信予算規模に応じて、最適なフリークエンシー上限回数が異なることも判明。具体的には、フリークエンシー上限設定回数が少ないほどオークションプレッシャーがかかり、CPM(広告表示1,000回あたりの料金)の高騰が起こるため、広告予算規模が大きい場合はフリークエンシー上限設定回数も多いほうが広告効果を期待できる傾向にあることがわかったという。
本フレームワークでは、リーチシミュレーションデータより得られるオークションプレッシャーによるCPMの変動率とFQ回数別リフトモデルを加味することで、配信セグメント・広告予算・配信期間に応じて最適なフリークエンシー上限回数を算出する。
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