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「マス向け」から「個別最適化」へ LINE活用を大きく進化させる「BOT BOOSTaR」とは

 LINE社が法人向けサービスを再構築した「リデザイン」によって、企業のLINE活用は大きく変わりつつある。“LINEにおけるユーザー体験のOne to One化”が求められているのだ。そのような中、電通デジタルはLINE公式アカウント向けの顧客獲得・育成支援サービス「BOT BOOSTaR(ボットブースター)」を開発した。本記事では、同社の落合氏と星野氏が同サービスの強みとともに、これからのLINE公式アカウント活用のポイントを語った。

LINE「リデザインの影響」 変化するLINE活用の方向性

 LINE社は今年4月、「LINE公式アカウント」と「LINE@」を統合。企業・店舗とユーザー間でより深い関係性を築くことができるよう、法人向けサービスの“リデザイン”を行った。これには、ユーザーによりパーソナライズされた体験を提供するという意図もある。

株式会社電通デジタル 広告事業 プラットフォーム部門 ソーシャルメディア部 LINEグループマネージャー 落合陽輔氏
株式会社電通デジタル  プラットフォーム部門  LINEグループ グループマネージャー 落合陽輔氏

 電通デジタルで、LINEを活用し顧客企業の事業課題の解決に取り組んでいる落合氏は、今後の効率的なLINE活用方法について次のように話す。

 「今回のサービスリニューアルにより、LINE公式アカウントにおいて、従来のようなメッセージの一斉配信だけでなく、ターゲティング配信やMessaging APIを活用した配信をより積極的に利用できるようになりました。そのため、一人ひとりのユーザーに最適なメッセージを配信する重要性が高くなっています

 これまでLINE公式アカウントは、企業が事業単位で開発するような大掛かりな広告メニューでした。ですが、数万円から利用できるようになったことで、ブランド単位やキャンペーンごとにも活用できるようになります」(落合氏)

求められるツールの形も変わる?

 こうした状況を受けて、電通デジタルが提供を開始したサービスがBOT BOOSTaR(ボットブースター)だ。これは、LINE社が提供するMessaging APIを活用することで、LINE公式アカウントでの多様なコミュニケーションを可能にするサービス。

 柔軟なクリエーティブ表現、シナリオに応じたメッセージの配信、LINE Pay決済を用いたチャットコマース、CRMデータの資産化といった機能が備えられている。そして、その最大の特徴は“小回りが利く”ことだ。

 今後、LINE公式アカウントでのユーザー体験をOne to One化していくためには、「フルスペックの過剰なツールよりも、スピーディーかつ柔軟に小回りの利くツールが求められるようになる」と落合氏。

株式会社電通デジタル  エクスペリエンス部門 デジタルコマース事業部 コマースデザイングループ ITストラテジスト/ソフトウェアエンジニア 星野大吾氏
株式会社電通デジタル プラットフォーム部門 LINEグループ
ITストラテジスト/ソフトウェアエンジニア 星野大吾氏

 続けて、「BOT BOOSTaR」の開発を担当した星野氏は「システム開発会社が作るのではなく、コンサルティングから開発・実装、運用・実行まで、デジタルマーケティングのすべての領域を提供している当社が社内で開発した点がポイントです。プロダクトアウトではなく、PDCAを効率的に回さなければいけない顧客企業目線で設計していますので、かゆいところに手が届くはずです」と続ける。

いつでも・誰でも・スピーディーにLINE活用ができる!

 では、ここから「BOT BOOSTaR」の機能の特徴を具体的に紹介していく。

1.簡単にボットを作成可能 LINEを「みんなの」マーケティングツールに

 はじめに特筆すべき特徴として、「ユーザーとして普段LINEを使っている感覚で、自由にカスタマイズしたメッセージの配信や、ボットの作成と動作確認ができます」と星野氏。プログラミング未経験の非エンジニアでも、その日から使えるほど設定は簡単で、LINEのトークルーム内で案内に沿って操作していくだけで、ボットを作成できるという。

2.データによるメッセージの最適化 外部データとの連携も可能

 「BOT BOOSTaR」を使うと、行動データに応じたシナリオ設計やターゲティングも可能になる。

 また、トーク内アンケートの回答やLINE Beaconへの接触状況、メッセージのクリックといったアカウント内の行動データは、ツール独自の管理画面だけでなくGoogle Analyticsでも確認・分析することができる。汎用的な形でデータを入力・出力できるため、外部の高機能なBIツールと連携させ、分析結果を「BOT BOOSTaR」に戻してメッセージ配信することも可能だ。

 さらに、電通グループの統合マーケティングプラットフォーム「People Driven DMP」とのデータ連携により、ユーザー属性の補足や、テレビの視聴ログデータの活用にも応用できる。“人基点”でデータを精緻化し、ユーザーのエンゲージメント強化に資するオンオフ統合プランニングが電通デジタルの強みだ。

3.最新のメッセージ表現機能がすぐに使用可能

 LINEのメッセージ表現機能は日進月歩で進化を続けている。ということは、ツール側もLINEのアップデ―トについていかなければならないわけだが、最新機能をフルに対応しているツールは少ないのが現状。

 しかし、「BOT BOOSTaR」はLINEのAPIに直接アクセスしているため、LINEの最新メッセージ表現機能をすべて使えるという特徴がある。LINE社が提供するモックアップ作成ツール「LINE Bot Designer」や「Flex Message Simulator」を用いてデザイン部分の作成も可能だ。

【活用事例】自由度の高いクリエーティブ

 クリエーティブの表現形式も柔軟かつ多様にある。

 たとえば、三菱地所・サイモンの展開するプレミアム・アウトレットは、回答率の改善および若年層からの回答数アップを目的に、LINEでのアンケートを実施。その際、「BOT BOOSTaR」を活用した。

 アンケートのメッセージは、テキスト・画像などの配置をはじめ、フォントのサイズや色などの自由度も高く、非常にリッチな表現となっている。

 「LINEでのアンケート施策自体は目新しいものでもないですが、これまでは回答形式が限られており、またURLからLINE外部のページに遷移して答えてもらうことが多かったかと思います。しかし、『BOT BOOSTaR』を活用することで、LINE内で簡単ににアンケートに回答できます。シームレスに答えられるほうが、ユーザーへのストレスが少なくなりますよね」(星野氏)

 また、資生堂ジャパン本社と電通本社の社員食堂は、「BOT BOOSTaR」を活用して、食事メニューを閲覧できるアカウントを開設している。

 アカウントでは、トーク画面の下部分に表示される「リッチメニュー」という機能から本日のメニュー・今週のメニューを選択可能。今週のメニューをタップするとカレンダーから日付を選択できる「日付選択アクション」を使うと、店の予約などにも応用できる。

資生堂ジャパン本社のアカウント(クリックして拡大)
資生堂ジャパンの社内カフェ・レストラン「番+美」「CUE」アカウント(クリックして拡大)
電通本社のアカウント(クリックして拡大)
電通の社員食堂アカウント(クリックして拡大)

 各メッセージに13個までのボタンを表示できる機能「クイックリプライ」は、メッセージのデザイン性を損なうことなく、ユーザ―に様々な選択肢を提示できるものだ。「隣の店舗のメニューを表示」「翌日のメニューを表示」といった関連するオプションを提示し、テンポ良くインタラクティブなやり取りを実現している。

獲得から育成まで デュアルファネルでのLINE活用を支援

 マーケティングにおけるLINEの価値について落合氏は、「一斉配信による認知・興味関心を促すだけでなく、APIを利用した配信を活用することでデュアルファネル(※)に活用できる点にある」と話す。実際に、電通デジタルはデュアルファネルでのLINE活用支援に注力しており、その体制も整っている。

 電通デジタルには、LINE公式アカウント、LINE Sales Promotion、LINE Ads Platformなど様々な領域をカバーしているプロフェッショナルが在籍し、広告施策だけで終わることなく、既存顧客の育成までをサポートする仕組みが構築されているのだ。

 そして、ここに「BOT BOOSTaR」が登場することで、特に顧客の育成におけるコミュニケーションがさらに充実してくる。

※デュアルファネルのマーケティングとは、顧客一人ひとりに寄り添い、適切なコミュニケーションを行うため、認知から好意、興味・関心、意向、購買、その先の際購入、そしてロイヤルティーの育成・向上までの網羅するアプローチのこと。

 「これまでのLINE公式アカウントの使われ方は、メルマガと同じような感覚で、アカウントで全配信して終わりというのが多かったかと思います。『BOT BOOSTaR』は新しい顧客体験を生み出すと同時に、マーケティングにおけるLINEの使い方を大きく進化させられるのではないでしょうか」(星野氏)

 また、落合氏は「広告で新規やトライアルの顧客獲得だけを狙うのではなく、ロイヤルカスタマーに育てていく時に、電通デジタルの真価を発揮できるのではないか」と話し、今後の展望を次のように話した。

 「LINE社のパートナーシッププログラム『LINE Biz-Solutions Partner Program』で全3部門の『Sales Partner』に加え、LINE公式アカウントの『Technology Partner』にも認定された企業として、API活用によるマーケティング支援を引き続き強化していきたいと思っています。

 企業とユーザーがコミュニケーションをとる場として、LINEは非常に魅力的な媒体です。LINE公式アカウントを活用したコミュニケーション施策については、『BOT BOOSTaR』を主軸としつつ、プランニングの段階から育成までを電通グループ全体でサポートしていきたいです」(落合氏)

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/11/21 13:01 https://markezine.jp/article/detail/32238