日本SPセンターのシニアマーケティング研究室は、「ワーキングシニアに関する調査」(※)をインターネットおよび、ネットを利用したデプスインタビューで実施した。
今回の調査は、定量的調査を2020年9月18日(金)から2020年9月28日(月)の10日間、全国の就労している60歳以上の男女300人(5歳区切り)を対象に実施。さらにその中から選びだしたパネラー4名(男女各2名)に対して2020年11月5日(木)、6日(金)の2日間にデプスインタビューを行った。なお、調査にはアスマークが協力している。
※ワーキングシニアは、雇用の形態に関わらず、何らかの職業に就いているシニア(この調査では60歳以上)を指す
働き方は「継続勤務」と「新規分野への就業」で拮抗
全体で見れば、「定年退職せず同じ職場で継続勤務している」と「定年退職後、新規分野への就業」が拮抗。男性では、65歳が勤続勤務か新規分野かの岐路に、一方女性では70歳が岐路になっている。「継続して自営業を営んでいる」人は男女、年齢階級を問わずほぼ似たような人数で存在している。
勤労収入は「41万円以上」が最多 高年齢ほど格差が広がる
60歳以上の総計で見れば、「41万円以上」が抜きんでて多く、その他の金額帯はほぼ同等に近い数字に。特に60~64歳では男女とも、「41万円以上」が突出している。男女とも年齢階級が上がるほどばらつきが多くなり、75歳以上になると男女とも低収入・高収入の二極化が進んでくる。
6割以上が働く理由を「生活の原資」と回答
総計で見れば、働く理由のうち「生活の原資」が最も多く、189名。63%が賛同している。次いで多いのが「健康維持」で135名。45%が賛同している。男女とも年齢階級が上がるほど、概ね、「生活の原資」は減少し、「健康維持」が増加する。75歳男性に至っては、「健康維持」が「生活の原資」を上回る結果となった。
就労収入の使途は多くのグループで「食費」がトップに
75歳以上男性を除くすべてのグループで、食費がトップを占めている。次いで上位を占めるのが、趣味と交際費。趣味は65~69歳男性が最も多く、交際費は60~64歳女性が最も多くなっている。貯蓄は、60~64歳女性が最も多い。ただし、女性では年齢階級が上になるほど減少している。男性ではこの傾向は顕著ではない。ローン返済は突出した数ではないものの、各グループに遍在している。最も多いのが65~69歳男性。完済が高年齢化しているとも言える。
いつまで働くかの回答では「可能な限り働きたい」が圧倒的首位
「可能な限り働きたい」がすべてのグループで圧倒的な回答数を得た。特に75歳以上男性では、すべてがその意向であった。
【関連記事】
・後れをとる日本のソーシャルグッド意識/けん引するのはSNS投稿頻度が高い層【電通・電通総研調査】
・日本の営業に関する意識・実態「働く時間の20.2%がムダ」/リモート営業が急増【HubSpot調査】
・動画視聴者の3人に2人は購買に影響/各プロセスで効果的な尺・動画要素は【動画生活者統合調査2020】
・約3人に1人が音声メディアを日常的に利用/使ってみたい媒体にClubhouseも【トレンダーズ調査】
・2020年の世界アプリパブリッシャーランキング 中国企業が躍進、日本首位は?/App Annie調査