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minneがソーシャルリスニングでプロモーション&PRのPDCAを回す理由

 多くの企業にとって重要なコミュニケーションチャネルとなっているSNS。しかしながら、SNS上の声を分析するソーシャルリスニングに注力できている企業はまだ多くないのではないだろうか。その中でGMOペパボが運営する国内最大級のハンドメイドマーケット「minne(ミンネ)」では、ソーシャルリスニングツール「Talkwalker(トークウォーカー)」を導入し、SNS運用やPR活動におけるPDCAを回すうえで役立てているという。本記事ではminne事業部マーケットグループのマネージャー廣崎氏とminneでPRを担当する加藤氏に導入背景から施策の成果まで話を聞いた。

外部コラボの成果を数字で把握する

MarkeZine編集部(以下、MZ):御社はTalkwalkerを活用してソーシャルリスニングに取り組んでいると聞いています。ソーシャルリスニングに取り組むに至った理由を教えてください。

GMOペパボ株式会社 minne事業部 マーケットグループ
マネージャー兼データアナリスト 廣崎 圭氏

廣崎:GMOペパボが運営するハンドメイドマーケット「minne」では、映画や美術展などと様々なアライアンス、コラボレーションを行ってきました。たとえば美術展とは、2019年に横浜美術館で開催された展覧会「横浜美術館開館30周年記念 オランジュリー美術館コレクション ルノワールとパリに恋した12人の画家たち」とコラボレーションし、minneで活躍する作家・ブランドさんに、出品絵画をイメージした作品を制作いただき、minneや美術館で販売しました。

 結果としてたくさんの作品が集まり、作家・ブランドさんに喜んでいただいた企画にはなったのですが一方で、このような取り組みによってどれだけの方にminneを知ってもらえたのか、また話題がどこまで広がったのか具体的な数字を把握する体制が整っていないことに課題を感じていました。この課題を解決して今後のPDCAを回していくためにも、minne上のPVなどだけではない外部の数字を把握する必要があると考え、ソーシャルリスニングツールの導入を検討し始めました。

MZ:ソーシャルリスニングツールがいくつかある中で、Talkwalkerを選んだ理由を教えてください。

廣崎:Talkwalkerさんにした理由は、PRと販促企画の両方に活用できる機能が備わっているためです。各社のツールを検討する上で、PRの分析に強いツール、企画のインサイト発掘に強いツールなど、特定領域に特化した機能を持つツールが多い中で、Talkwalkerさんは双方に対応した機能を有していました。PRに必要なデータと販促企画を考える上でのインサイトが得られること、そしてリスニングできるチャネルの網羅性が比較した中で一番高く、一つのツールで完結しデータの一元管理ができる点を魅力に感じ、導入を決めました。

minneにおけるSNSの役割とは?

MZ:ちなみに、minneにとってSNSというチャネルはどのような位置付けなのでしょうか。

廣崎:現在はTwitterとInstagramの2つを主に注力しており、基本的にはminne上の作品の魅力を伝えるなどの情報発信をしています。また、今後どんなことを取り上げてほしいかをユーザーに聞くなど、ユーザーとのコミュニケーションの場としてもSNSは機能しています。

 その他にも、作家・ブランドさんのSNS上の活動もチェックするようにしています。作家・ブランドさんのSNS投稿経由でのminneに対する流入も多くなっているため、我々も作家・ブランドの方々のモデルケースとなれるよう、日々公式SNSアカウントを運用しています。

加藤:SNS上に多くのファンを抱える作家・ブランドさんやSNSで活発に発言をしてくれるユーザーさんも多いため、ユーザーさん主導でminneを盛り上げてくれるケースも出てきています。

GMOペパボ株式会社 minne事業部 マーケットグループ
PR担当 加藤 千夏氏

たとえば、2020年3月にさいたまスーパーアリーナで開催予定だった「minneのハンドメイドマーケット2020」をコロナ禍の影響でオンラインイベントに切り替えた際、ユーザーさんの発信がきっかけでイベントのキーワードとなる「#エアハンマケ」という言葉が生まれました。

 「#エアハンマケ」というキーワードができたおかげで、作家・ブランドさんやユーザーさんがSNS上で「minneのハンドメイドマーケット2020」や「#エアハンマケ」というワードをたくさん発信してくれました。その影響もあり「minneのハンドメイドマーケット2020」の特設サイトには、17万人を超える方にお越しいただく結果となりました。

 このようにユーザーさんも一緒に盛り上げていただける形を作っていくことで、企画自体をより多くの方に知っていただく機会になることがあるので、PRやマーケティングの視点でも、minneをご利用いただいている作家・ブランドさんやユーザーさんがどのようなことを考えているかもSNS上ではチェックするようにしています。

事業アクションにつなげるソーシャルリスニングの活用

MZ:実際にTalkwalkerでどのようなソーシャルリスニングを行っていたのか教えてください。

廣崎:基本的には、Talkwalkerさんのツール上でminneに関する言及数、SNS上で話題になっているテーマや投稿を見るようにしています。

 minne以外にも販売できる手段がある中で、minneについて言及してくれている方はどのようなことに関心がある方なのか、またどんな企画を実施したらminneについてもっと言及したくなるような環境を作り出せるのか、などを複数のワードを掛け合わせて確認しています。

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廣崎:その他にも、ソーシャルメディアの運用改善にも活用しています。Twitterアナリティクスのデータと連動して、画像が何枚掲載されているツイートが良いのか、どのジャンルに関するツイートが良いのか、などを分析し、投稿するコンテンツのチューニングを行っています。

MZ:加藤さんはいかがでしょうか。

加藤:PRにおいてはメディアの掲載状況の確認、インフルエンサー・アンバサダーの発掘に活用してます。minneについて発信してくださっている方の中でSNS上での影響力のある方たちを一覧で見ることができます。

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 また、よりリーチしたメディア掲載やフォロワー数の多い方などでソートすることや、SNSを活用した企画や投稿がどのように広がったかを見ることができるため、今後のコラボレーション先を探す上でも非常に参考になっています。これらを人力で探すのは非常に大変なので、一元管理して見られるのは非常にありがたいです。

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ハッシュタグキャンペーンの成果も数字で把握

MZ:御社は「#エアハンマケ」のような、ハッシュタグを起点にしたキャンペーンに力を入れていると聞いています。実際にTalkwalkerを活用しながら、成果を出すことができたハッシュタグキャンペーンはありますか。

加藤:最近だと、作家・ブランドさんがminneで新作を出した時にSNS上での告知に使用できる「#minne_new」というハッシュタグを用意しました。

 これまで、企画やキャンペーンごとにユーザーさんに使っていただけるようなハッシュタグを都度用意をしていたのですが、「#minne_new」は常に素敵なものが見つかるずっと使い続けられるハッシュタグとして、今回公式で初めて用意しました。今年の3月に投稿促進企画として「#minne_new WEEK」を開催したのですが、1週間で9,000件を超える投稿が集まり、とても多くの作家・ブランドさんにハッシュタグを使っていただけました。

 Talkwalkerを導入してから「#minne」の言及数を定点観測する習慣がチーム内でできたことが「#minne」のようにずっと使っていただけるハッシュタグを作ろうと思ったきっかけでもあるので、常にSNSの動向を追う体制ができたのもTalkwalkerのおかげだと思っています。

 SNSを活用した取り組みを行う中で定量面に大きく話題になったことを可視化でき、その要因をきちんと理解する上で、ソーシャルリスニングは欠かせないものになっています。

ソーシャルリスニングによる成果は?

MZ:Talkwalkerを活用したソーシャルリスニングによって、得られた成果を教えてください。

加藤:PR担当からすると、特にインフルエンサーの発掘に非常に貢献したと考えています。また、その他にもTalkwalkeさんは様々な形でminneのサービス運営、PRに力を貸してくれています。

 たとえば、ユーザーさんから直接お問い合わせ窓口を経由してご連絡をいただく前に、SNS上での投稿の中からminneで起きている不具合を検知し、通知してくれるおかげで、早期改善につながった事例があります。またメディアの方との情報交換でもTalkwalkerで得られた情報をもとにハンドメイド業界のトレンドをお伝えするといったことも実現できています。

廣崎:導入目的としてあった、外部でのminneに対する盛り上がりの数字化ができたのは良かったです。各施策の良し悪しが数字で判断できるため、PDCAをより精緻に回せるようになりました。PRも、自分たちが気づかぬところで記事掲載いただくこともあったので、PRの効果がどれくらいあったのかも、Talkwalkerによって視覚化できるようになったと考えています。

ソーシャルリスニングを通じて仕組み化を推進

MZ:今回の導入によって得られた知見・学びはありますか。

加藤:Talkwalkerによって、各販促・PRの取り組みでは熱量の高いユーザーさんが発信したくなるコンテンツを用意することが、リーチ数を増加させることにつながる、ということを改めて認識できました。元々、作家・ブランドさん側のコミュニティと一緒に取り組むことが熱量を生むことは体感値としてありましたが、それを数字で実際に理解できたため、今後改善する際の知見になったと思います。

MZ:最後に、今後のSNS活用における展望を教えてください。

廣崎:minneの集客チャネルの中でもSNSは非常に重要なので、今後もアクションに対する成果をTalkwalkerさんのツールで分析しながら、仕組み化していきたいと考えています。その上で、minneの公式SNSアカウントと作家・ブランドさんの力を結集した取り組みを仕掛けていきたいです。

 そうすることで、minneと作家・ブランドさん、作家・ブランドさんとユーザーさん、minneとユーザーさんのコミュニケーションを活発化できればと考えています。

加藤:最近では、日本の作家・ブランドさんのハンドメイド作品を海外の方が購入するという動きがminneでも進んでいます。しかし、現在は代行サービスさんがminneで代理購入しているため、直接海外の購入者さんと作家・ブランドさんがコミュニケーションできる環境はまだ整っていないのが現状です。既にSNS上では直接日本の作家・ブランドさんと海外の購入者さんが交流しているのをお見かけするので、私たちからもそういったコミュニケーションをもっと促進したり、今後の企画に活かしていきたいと考えています。

顧客本位の経営に役立つ示唆を与えるTalkwalker

 今回紹介したTalkwalkerは、高度なAIを搭載した会話型インテリジェンスプラットフォームを提供し、あらゆるチャネルに渡り交わされている消費者や顧客の会話をリアルタイムに収集し、顧客の声に応えるビジネスを運営している国内外の大手企業をサポートしている。

 顧客が考えていることや交わされている会話をAIが自動で分析し、最終的なアクションに至るまでのカスタマージャーニーを可視化。従来型のSNS分析を超えた示唆を提供することで、企業が顧客本位への経営にシフトし、収益の強化やコストを削減する施策の最適化を支援している。

 現在までに、本社を構えるルクセンブルクから、ニューヨーク、サンフランシスコ、フランクフルト、シンガポール、パリ、東京、ロンドン、ミラノにオフィスを展開しており、国内外2,000社を超えるブランドや代理店にサービスを提供。

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/05/21 10:00 https://markezine.jp/article/detail/35894