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「欲望(Desire)」で紐解く、消費者の今と未来

心が動く消費調査から見えてきた「自分らしさ」の今 ビューティテックで加速するパーソナライズ欲求の背景

 電通の消費者研究プロジェクト「DENTSU DESIRE DESIGN(DDD)」による連載の4回目。今回は、今年春にDDDが行った生活者意識調査「心が動く消費調査」の結果をもとに、ビューティカテゴリの今と未来を推察。「美」に対する、現代の生活者の意識の在り方、欲望・インサイトを探りながら、解説いただきました。

実は、日本人は“個人行動”が好き

  DENSTSU DESIRE DEIGN(以下、DDD)の「心が動く調査」は、企業側から見えにくくなってきた現代の消費者像を、「欲望(Desire)」を起点にした消費意識から、今一度紐解こうとするプロジェクトです。活動の中心として、「心が動く消費調査」という生活者調査を年に2回行っています。

 今回は、この調査結果から「外見に対する生活者の意識」を分析し、マーケティングトレンドのひとつである「パーソナライゼーション」へのニーズを掘り下げます。さらに、ビューティテックの進化を踏まえて、ビューティ・トレンドの未来仮説まで導出していこうと思います。

 まずは、“外見”を巡る生活者の意識を紐解く材料として、興味深い調査結果をご紹介します。

 「心が動く消費調査」では、「人と一緒に行動するほうが好き」と回答した人は少なく、いずれの性年代でも「一人で行動するほうが好き」と答えた人が7割を超えていた、という結果です。実際の行動を聞いてみても、「一人で行動するほうが多い」と回答した人が76.6%と高く、いずれの性年代でも同様の傾向が見られました。

 「日本人は集団主義」と言われることが多いですが、本調査ではまったく反対の結果が出ており、実は日本人が「個人行動好き」であることが見えてきます。

【クリックして拡大】第5回 電通「心が動く消費調査」より
【クリックして拡大】第5回 電通「心が動く消費調査」より。全体平均から10ポイント以上差分がある群は、赤字・青字でマーキング
【クリックして拡大】第5回 電通「心が動く消費調査」より
【クリックして拡大】第5回 電通「心が動く消費調査」より。全体から10ポイント以上差分がある群は、赤字・青字でマーキング

他人目線、トレンド追従よりも「自分軸」が大事

 続いて、「他者目線への意識」「トレンドへの意識」「自分らしさに対する意識」などについて、調査結果を見ていきます。

ここでの調査項目

1.人の目を気にして行動したい? 人の目を気にせず行動したい?

2.流行や話題の商品の情報を探したり、見たりするのが好き?

3.流行っているものや世の中のトレンドに乗り遅れたくない?

4.自分らしく生きたい、自分らしさを発揮したい?

 まず、他者目線への意識については、「人の目を気にせずに行動したい」と回答した人が全体の82.2%を占め、20代でやや低いものの、男女ともに同様の傾向であることがわかりました。

【クリックして拡大】第5回 電通「心が動く消費調査」より
【クリックして拡大】第5回 電通「心が動く消費調査」より。全体から10ポイント以上差分がある群は、赤字・青字でマーキング

 では、トレンドへの意識については、どうでしょうか。「流行や話題の商品を探したり、見たりするのが好きだ」と回答した人は全体で36.1%。最も高い女性・20代でも48.8%となっています。一方で、「流行っているものや、世の中のトレンドに乗り遅れたくない」は全体で23.8%と低く、最も高い男性・20代で40.7%、次いで高い女性・20代でも35.9%です。「トレンド情報も一応はおさえてみるものの、それに追従する意識は低い」という傾向があるようです。

【クリックして拡大】第5回 電通「心が動く消費調査」より
【クリックして拡大】第5回 電通「心が動く消費調査」より。全体より10ポイント以上差分がある群は、赤字・青字でマーキング
【クリックして拡大】第5回 電通「心が動く消費調査」より
【クリックして拡大】第5回 電通「心が動く消費調査」より。全体より10ポイント以上差分がある群は、赤字・青字でマーキング

 かわりに、「自分らしく生きたい・自分らしさを発揮したい」という気持ちは、全体で78.6%と高く、すべての性年代で7割を超えていました。

【クリックして拡大】第5回 電通「心が動く消費調査」より
【クリックして拡大】第5回 電通「心が動く消費調査」より。全体より10ポイント以上差分がある群は、赤字・青字でマーキング

 総じて、トレンド追従の意欲の低さや、自分らしさを重視する意識から、トレンドよりも自分の主観や感性を大事にしたいという生活者の意識(欲望)がうかがえます。

 コロナ禍でテレワークが増え、自分が住みたい場所を自由に選択できるようになったり、副業が可能な企業が増加したり。オンラインで様々な分野の学びも得られるようになり、自分の価値観に合わせたキャリアやライフスタイル、趣味を簡単に選択し、まい進できるようになってきました。消費者個人が他者目線を気にしたり、マジョリティに迎合したりすることなく、自分らしい生き方を追求できるようになったことが、上記のような調査結果に結びついたものと考えられます。次のページから、本記事の本題に入っていきます。

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この記事の著者

小野 江理子(オノ エリコ)

株式会社 電通 ソリューションクリエーションセンター 未来インサイト部 未来事業創研所属 未来予測支援ラボ所属 女性向けFMCG・耐久財・外食チェーンのブランディング・コミュニケーション戦略、グローバル領域のナレッジ開発業務を経験。現在は、電通未来事業創研メンバーとして2040~2050年の未来のマ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/09/06 12:17 https://markezine.jp/article/detail/42892

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