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選んだのは顧客管理まで“踏み込む”代理店。WAKUWAKUが広告に固執しない運用になるまで

 表層的な広告運用では足りない、外部パートナーの支援に求めるべき本質とは──。「不動産仲介+リノベーション」という不動産業と建築業を一気通貫で手掛けるビジネスで注目される「WAKUWAKU」。業界的には珍しいBtoBtoCモデルでありながら最適な広告運用体制を構築し、ブランドパートナー店の増加に成功しているという。担当者に取材し、事業に見合った広告運用を成功させるために必要な社内外の提案力について探った。

BtoBtoC事業のマーケティングを4チームで推進

──まずは、御社の事業について改めて教えてください。

山本:WAKUWAKUでは、中古不動産を購入してリノベーションしたい方向けのワンストップサービス「リノベ不動産」を提供しています。事業構造としては、全国にあるブランドパートナー店(加盟店)と中古住宅購入を検討しているユーザーをマッチングするBtoBtoCモデルです。

 現在、コロナ禍を経てニューノーマルな暮らしのニーズが高まっています。当社では「不動産・建築業界の課題解決を通して、日本中をワクワクさせる」をミッションに掲げ、テクノロジー投資やDX推進によって生産性と顧客体験価値の向上を図っています。

リノベ不動産概略図
「リノベ不動産」のサービス概略図(WAKUWAKU企業公式サイトのサービス紹介動画より)

──お二人が担当している業務内容について教えてください。

山本:当社にはマーケティングを担当するチームが四つあり、私はCMOとしてそれらのチームを管轄して見ています。

 一つ目が、加盟店様を増やすために、見込み候補の企業を開拓するチーム、二つ目と三つ目がエンドユーザーである住宅購入を検討されている方を集めるチーム、さらに、加盟店様に送客したり、当社直営の不動産部門への集客をしたりするチーム、四つ目が、サイトを開発するエンジニアのチームです。

 プロダクトはもちろん、マーケ・セールス・CSを全体として見ていく立場として、マーケティング全体に関わっています。

水野:私が担当しているのは、山本が説明した四つのうち一つ目のチーム、新規の加盟店様を開拓するチームです。マネージャーとして、どのような企業に加盟していただくかというターゲティングの検討やそこに対しての広告を含めた露出などを担当しています。

山本氏と水野氏
(左から)株式会社 WAKUWAKU 執行役員/CMO 山本大輔氏
同社 マーケティング部 マネージャー 水野雄介氏

表面的な運用では不十分 課題は「マーケティング」への理解力

──御社では、広告運用について外部パートナーと協働する体制を構築し、成果を上げているとうかがいました。取り組み以前に、どのような課題があったのでしょうか。

山本:toB領域の加盟店候補を対象にした広告周りの業務に関して、以前は社内ですべて行っていました。しかし、マーケティングや広告運用の経験を積んだ担当者がいなかったため、そもそも専門的なノウハウがないという課題がありました。

 一応、いくら使って何件コンバージョンが出たのか、CPAはいくらかといった基礎的なデータは取っていたのですが、今考えると見ている数字の粒度も荒く、表面的に数字を追っているだけでしたね。

水野:データの粒度だけでなく、データを取る頻度も少なかったと思います。広告媒体のクリック回数やコストはデイリーでメンバーが更新していましたが、広告媒体別の商談化率や受注率などのより深いデータは月に1回しか出していませんでした。

 そのデータを取るのも手動で、ものによっては自分で数えて数字を出していたものもあったんです。業務に時間がかかるため負担が大きく、そのため月に1回ぐらいしかそのデータを出さない、出さないから深く分析できない……という状態でした。

山本:そこで、マーケティング領域の業務に専門的な知見を持って支援をしている外部の企業に話を聞いてみることに。結果的に、オーリーズさんに広告以外の手段も含む俯瞰的な視点で相談に乗ってもらっています。

「普段の業務の様子」まで細かく共有 本来したかったことを導く質問

──現在の運用体制をパートナーと構築していくにあたり、印象的なエピソードはありますか。

山本:当初のご相談の際にオンラインで打ち合わせをしたのですが、最初は「こんなに細かいところまで質問してくるのか」と驚きました。私は前職で広告代理店の方とお仕事をする機会も多かったのですが、いかにコンバージョンを取ってCPAを安くするかという表面的な内容が中心で、業務や課題に対する理解という点では不安がありました。

山本氏

山本:今回のオーリーズさんの場合は、たとえば「(顧客管理に使っている)Salesforceにどのような項目を入れてどのようにデータを取っているか」など、普段の業務の様子から、リノベ不動産という事業の中身まで、本当に細部にわたって徹底的に聞いてくれました。今考えると理由がわかるのですが、そのときは「こんな情報がなぜ必要なのか?」と疑問に感じるほどでしたね。

 広告運用だけでなく、広告接触以降のフェーズを見込んでSalesforceの設計まで支援してもらえる点はパートナーとして選んだ大きな理由の一つです。そこまで最適化することでより本質的な改善になるとわかり、実際にお願いすることにしました。

──新たな設計で実際に運用を開始されてから、どのような変化がありましたか?

水野:先ほどお伝えした、月1回手動で出していた広告媒体別の商談化率や受注率などのデータは、簡単にデイリーで見られるようにしてもらいました。もちろんそれ以外にも、業務のリソース不足を理由に思うように進まなかった課題について様々な点で解決を助けてもらっています。

 たとえば、加盟していただく企業を増やすにあたって、どんな企業でも同じ一つの契約として見るのではなく、契約後の活躍が期待できる企業の具体像を描いて「こんな加盟店を増やしていきたい」という案をオーリーズさんに相談したんです。

 その結果、当社が求める性質を持つ企業について日ごとに商談の進捗~契約までが確認できるレポートのフォーマットを作ってもらえて、Salesforceと連携して半自動で見られるように構築してくれました。

 それまで全体の契約数は追うことができても、契約一つひとつのマーケティング効果がわかるレポートはすぐに見ることができなかったので、ここは大きな違いですね。

ときには広告を削る提案も 商談獲得のためなら固執しない

──業務の効率化以外に、変化はあるでしょうか。

山本:オーリーズさんにお願いしているのは、基本的にオンライン広告周りなのですが、展示会やBDR施策などの依頼している以外の販促手段も含め、最も効果が高い施策を見える化していただけました。媒体ごとに分断してそれぞれ担当分だけの効果を見ていると、事業全体を通して最適な設計からずれてしまう懸念があります。現在はすべての効果が並べて見られるため、いつでもすぐに比較検討できるようになっています。

画像を説明するテキストなくても可
WAKUWAKUが各施策の効果検証のために確認しているシートの一部。検索広告、ディスプレイ広告に加え、その他の施策も横断して一覧になっており、顧客管理ツールから呼び出した情報からその効果を参照・比較できる

山本:オーリーズさんと一緒に効果改善を進めるなか、学びとなったのは「広告という手段に固執していない」という点です。

 社内で運用を行っていると、広告効果で評価される広告担当者から、広告を削るという提案が出てくることはほぼありません。マネージャーや経営層なら違うかもしれませんが、日々の運用のなかで担当者がそうした発想を持つというのは難しいですし、自分の予算を削りたくないという意識が働いてしまうはずです。また、通常のデジタル広告代理店でも、コンバージョンやCPAといった目先の数字に関わるもの以上を支援していただくのは難しいのではないでしょうか。

 オーリーズさんにはすべての販促手段の効果を可視化して検討しやすくした上で、商談につなげるにはどうしたらいいか、幅広く手法を考えていただいています。ときには広告を削ってインサイドセールスをするなど、何が最適かを提案してもらえているんです。広告に限定せず、認知からインサイドセールスまで一気通貫して支援してもらえる点は良い意味で予想外でした。

パートナーだからこそ「突っ込んで聞く」姿勢を

──なるほど。本来の目的に立ち戻って一緒に考えてもらえるのは事業のパートナーに求めたい姿勢ですね。

水野氏

水野:そもそも事業にどういう特徴があるのか、どういう顧客を増やしたいと考えているのかといった点を深く理解しようと努めていただいていると感じます。

 当社の場合は一般的な不動産事業とは異なり、業界的に理解し難い面もあるのですが、毎月のミーティングでも、細かいところまで曖昧にせず突っ込んで聞いてくれるんです。事業に対する解像度もどんどん上げてもらっているという感触がありますし、まるで弊社のなかの人のように施策を動かしてくれていると感じますね。

専門家の力を借りて「顧客と向き合う時間」を取り戻す

──広告関連のデータの見える化や業務効率化が進んだことで、仕事に対する向き合い方に変化はありましたか?

水野:一番感じるのは、お客様と向き合う時間が増えたという変化です。広告周りを自分たちで運用していたときは、目先の業務や運用に必要なスキルアップに追われていました。もちろんスキルアップは大切ですが、それだけでいっぱいいっぱいになってしまい、マーケティング担当として大切な「お客様を見る」ということに時間を割くことができなかったんです。

 今は専門的なところをお任せできるようになり、お客様との商談に同席したり、広告に反応があった方にお電話をしてお話をうかがったりする時間がかなり増えましたね。

 我々の事業はまだまだ未成熟な分野ですし、お客様のことを100%捉え切れてはいないと思います。

 もちろん、お願いする前に比べてフィーを含めても広告の成果はプラスになっているのですが、そうした直接的な数字だけでなく、お客様に向き合う時間を取れるようになったということは大きなメリットだと感じています。

山本氏と水野氏2

──最後に今後の展望を教えてください。

山本:現在、加盟店開発において、ターゲットとなる対象をさらに絞っていきたいと考えています。そうなるとこれまで取り組んできた幅広くリーチするWeb広告とは異なるアプローチの検討も必要です。オーリーズさんには現在も様々な提案をいただいているのですが、今後も広告という手段に限らず、幅広い専門性を活かして伴走してもらえるとうれしいですね。

 現在、加盟店様が全国に200店舗以上あるのですが、対応できていないエリアがあるんです。中古住宅の購入やリノベーションに興味を持っていらっしゃるお客様がいるにもかかわらず、受取先がない。加盟店様の獲得についても、今は都道府県単位でしか見られていないので、もっと網を細かくして必要なエリアを優先的に対応し、BtoBtoCでつなげられたらと考えています。オーリーズさんにはtoB領域だけではなく、toC領域でもご支援いただいていますので、toB、toCを俯瞰して見ていただくことで一緒にサービスを成長させていきたいです。

 水野からも述べたように、我々の事業はまだまだ新しく、開拓していくべき領域がたくさんあります。不動産業界、建築業界の課題を解決し、より良い住まいのご提供に向けて、今後もオーリーズさんと一緒にチャレンジしていきたいですね。

オーリーズでは「BtoB特化型」の広告運用代行サービスを提供しています

 オーリーズは、BtoB業界に特化した広告運用代行サービスを提供している広告代理店です。 広告運用に縛られず、クリエイティブ制作、MAツールの導入・活用、展示会の企画など、施策横断で全体ROIの最大化を実現します。

 直近ではBtoB特化のインサイドセールス、Salesforce活用支援を行うセールスリクエストを子会社化し、リード獲得からナーチャリングまで一気通貫で支援可能な体制を持っています。

 商談数の伸び悩み、商談単価の改善で課題感をお持ちの場合はぜひオーリーズにご相談ください。

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提供:株式会社オーリーズ

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2023/12/26 11:00 https://markezine.jp/article/detail/44303