なぜビジネスでSNSを活用するのか

　ビジネスにおけるSNS活用は、ユーザーの購買行動の変化を捉えて効率的に売上拡大や顧客獲得を行う手法の1つです。

　SNSの普及により、SNSとマーケティング活動が密接に関わるようになりました。マーケティング活動のなかで商品やサービスを購入・利用してもらうためには 「認知→興味関心→比較検討→商品購入」という購買行動の流れがあります。

　SNSが普及する以前は、テレビCMや雑誌・インターネット広告を活用して商品・サービスの広告を配信していました。

　SNSが普及した現代では消費者の購買行動にも変化が現れ、気になる商品やサービスの情報をSNSで集めるユーザーもいます。

　このような消費者の購買行動の変化を捉え、ユーザーとの接触機会を増やすためにSNSを取り入れる企業が増えています。

ユーザーとの接触機会を増やせる

　SNSは、単に写真やメッセージを投稿すればよいものではありません。情報を発信しつつ、ユーザーとの接触機会を増やせるコミュニケーションツールです。SNSをうまく活用してユーザーとの接触機会を増やし、認知や売上の拡大を図りましょう。

　どのような顧客接触ができるのか、具体的に3つ紹介します。

商品・サービスの認知拡大

　1つ目が「認知拡大」です。SNSでは、下記のように自社商品・サービスの認知を拡大できます。

• 自社アカウントで投稿したものがフォロワーにシェアされる
• ユーザーが投稿したものを自社アカウントでシェアできる
• フォロワーを増やすことで一度に多くのユーザーに情報を届けられる

　自社の投稿をフォロワーに見てもらえるほかに、リポストなどといったシェア機能があり、フォロワーを介してフォロワー以外のユーザーに向けて投稿の拡散ができます。

　既存のユーザーだけでなく、新規のユーザーに向けても自社商品やサービスの認知拡大を図れるでしょう。

ファンの育成・関係構築

　2つ目に挙げられるのが「育成・関係構築」です。投稿に写真や動画を活用すると、自社ブランドの世界観をユーザーに伝えられます。

　既存のユーザーだけでなく、新規のユーザーがフォロワーになってくれたり、投稿にコメントやDMを送ってくれたりするようになるでしょう。

　コメントやダイレクトメッセージを通じてユーザーとのコミュニケーションが取れるため、関係構築を図れます。

　1つ目に紹介した「商品・サービスの認知拡大」が十分にできると、リポストやコメント・DMをくれるユーザーが増え、ファンの獲得、育成や関係構築につながります。

購入意欲の向上

　最後に紹介するのが「購入意欲の向上」です。ECサイトでの商品・サービスの注文や、実店舗への来店などを促すこともできます。

　ただし、すぐに効果を出すことは難しいでしょう。SNSを経由して注文や実店舗へ来店してもらうためには、紹介したようにSNS上で商品・サービスの認知を十分に拡大し、ユーザーとのコミュニケーションを構築した場合です。

　「認知拡大」「育成・関係構築」を中長期的に続けることで、徐々にSNSを経由しての注文や実店舗へ来店を獲得できるでしょう。

SNSを活用するうえでのメリット・デメリット

　SNSを活用することで、ユーザーと直接的なコミュニケーションを図れるので、商品・サービスの認知拡大に効果的です。

　しかし、認知拡大やファンの獲得というメリットだけでなく、SNSの活用にはデメリットもあります。

　メリットとデメリットを理解したうえで、SNSの運用を進めなければなりません。メリット・デメリットについて簡単に紹介します。

メリット

　SNSはユーザーに対して直接的なコミュニケーションが取れるため、自社の商品・サービスに興味関心の高い層に宣伝が可能です。

　SNSにはリポストなどのシェア機能があるため、コストを抑えながら多くのユーザーに情報を届けることができます。

　最近では、投稿で伝えきれない商品の魅力を紹介したり、視聴しているユーザーからの質問に答えたりする「ライブ配信」を活用した新商品紹介を行う企業が増えています。

　ライブ配信により、購入確度の高いユーザーを捉えられるほか、検討中のユーザーの購入意欲の引き上げも実現しやすくなるでしょう。

　またSNSは投稿頻度や投稿時間の自由度が高く、1日何度も投稿できる点が特徴です。ユーザーの動きが活発な時間帯を把握して、1日に複数回投稿するのも1つの手といえます。

　各SNSのサービスは、コンテンツ投稿のほかにGoogleやYahoo！のような、広告配信機能も持ち合わせています。

　コストはかかりますが、1度商品・サービスのLPや自社サイトを訪問したユーザーに対して、SNS上でバナー広告の配信が可能です。

　SNS投稿から認知し、LPに訪れた新規ユーザーを取りこぼすことなく再度LPに誘導できるので、予算や人手に余裕がある場合は取り入れましょう。

　このようにSNSを活用するメリットは多く、うまく活用すれば自社商品・サービスの認知拡大から売上獲得までを行えます。

デメリット

　SNSの活用から得られるメリットは多いですが、デメリットがあることも理解しておきましょう。

　SNS運用における最大のデメリットは炎上のリスクだといえます。炎上のリスクはSNS運用を行う上で切り離せないリスクです。

　一度の炎上で築き上げたユーザーとの信頼関係を崩してしまうため、企業やブランドイメージの毀損につながることもあります。

　炎上してユーザーからマイナスイメージを持たれてしまうと、信頼を回復するまでにさらに時間がかかるため、企業のアカウントから行う投稿内容や発言には、十分な注意を払いましょう。

　SNSの運用は、実施後すぐに成果が出るものではありません。中長期的にコンテンツを投稿して、しっかりとユーザーとコミュニケーションを取り、関係構築を行う必要があります。効果が目に見えるまで6カ月ほどの期間を要します。根気強くSNS運用を継続しましょう。

　またコンテンツの企画や作成・投稿と、一定の工数がかかります。そのため、SNS運用担当者を立てなければなりません。また更新するコンテンツの世界観設計や投稿素材の準備が必要です。

SNSを活用する際の注意点

　SNSの運用を始める前に、ポリシーと投稿ルールを社内で固めましょう。実際にSNS運用を始めてからも、投稿内容のダブルチェックを行うなど、細心の注意を払って取り組むことが大切です。

　SNSを活用するうえで、特に注意しなければならないことは炎上です。思わぬ原因から炎上してしまうこともあります。

　炎上は、どの企業においても避けたいリスクです。実際に炎上してから対応に戸惑ってしまい、企業イメージやブランドイメージを損なってしまうと、大きな損失につながりかねません。炎上のリスクを抑えるための対策を事前に行いましょう。

　SNS運用におけるポリシーと投稿ルールを定めることで炎上へのリスクマネジメントを行えます。炎上しそうなときや炎上したとき、有事の際のコメントや投稿ルールをマニュアル・明文化することで属人化せずに対応できます。

　またSNSは、定期的に更新する必要があります。投稿予定日に投稿するコンテンツが用意できていないなどのトラブルを回避するために、投稿スケジュールを作成し、事前に投稿するコンテンツを準備しておくように心掛けてください。

　投稿するコンテンツは、一方的な情報提供ではなくユーザーの共感が得られる内容を意識しましょう。

主要SNSサービス6選

　自社でSNS運用を行うことは決まったもののサービスが多く、どのSNSから始めたらよいか迷う方もいるでしょう。ここでは主要SNS、6サービスの特徴を紹介します。SNSごとの特徴から、自社が取り組みたい内容とマッチするサービスを選びましょう。

　各サービスごとに詳しく紹介します。

1.Instagram

　画像・動画とテキストを掛け合わせた投稿がメインとなり、ビジュアルを活かした視覚的なアプローチを行える特徴があります。

　メインの投稿のほかにストーリーズやリール動画など縦長動画のフォーマットもあります。ストーリーズとリール動画の違いは下記のとおりです。

• ストーリーズ：公開期間限定の写真・動画投稿。公開から24時間後に消えるため気軽に投稿できる。
• リール動画：動画を活用した投稿。最大90秒の動画を作成・編集・投稿できる。

　ビジュアルを活かした投稿ができるため、インフルエンサーの活動が活発なサービスです。

　リポストのように投稿をシェアする機能がデフォルトで搭載されていないため、シェアするには専用のアプリが必要です。拡散性はあまり高くありませんが、ファッションやコスメ、料理、飲食、ライフスタイルといったユーザーの趣味嗜好が反映されやすいサービスだといえます。

　Instagramのメリット・デメリットは下記のとおりです。

メリット

• サービス利用者が国内だけでも3,000万人強と多い
• ビジュアルを活かした視覚的アプローチが可能
• ハッシュタグを活用したアプローチが可能

デメリット

• ビジュアルが重要なのでサービスによっては活用しにくい
• デフォルトのシェア機能がないため、拡散性が低い

　商品・サービスのビジュアルに魅力がある場合は、積極的にInstagramを取り入れましょう。また動画投稿を利用することで、商品・サービスの使い方や活用事例なども伝えられます。

　Instagramの利用者はハッシュタグを使って情報収集を行います。効率的に商品・サービスの認知拡大を図るためにハッシュタグを活用するように意識しましょう。

2.Facebook

　Facebookは実名登録制のため、リアルでの交友関係がベースとなるサービスだといえます。長文テキストや写真・動画を活用した投稿が可能です。

　ほかのSNSと異なり、実名登録制になっているので炎上しにくいという特徴があります。

　ビジネスで活用できる機能も豊富で、企業専用のビジネスページを作成できます。ビジネスページはカスタマイズが可能で、企業のWebサイトのように使えるでしょう。

　Facebookのメリット・デメリットは下記のとおりです。

メリット

• 実名登録制なので炎上しにくい
• ビジネスページを活用したユーザーと交流できる

デメリット

• 拡散性が低い
• 利用者の年齢層が中高年層のため商品・サービスが限定的となる

　Facebookは2018年のアルゴリズム変更により、企業投稿においては広告を使用しないオーガニックリーチが伸ばしにくい状況となりました。効果的な運用を目指す場合、費用はかかりますが広告配信とセットで検討するのがよいでしょう。

3.LINE

　年齢・性別問わず多くのユーザーが日々のコミュニケーションツールとして使用しているサービスがLINEです。

　自社のアカウントを友だち登録してもらえば、情報の発信やユーザーからの問い合わせを受け取れるほか、メルマガのようにお得な情報を発信したりカスタマーサポートとして活用したりできます。基本的には1to1コミュニケーションになるため、拡散性は低いです。

　LINEのメリット・デメリットは下記のとおりです。

メリット

• 友だち登録した確度の高いユーザーにメッセージを送れる
• 高い集客力が期待できる
• カスタマーサポートとして活用できる

デメリット

• 拡散性が低い
• 友だち登録というハードルがある
• ブロックされる可能性が高い

　LINEをうまく活用するには、友だち登録までの導線の設計やアカウントをブロックされないための工夫が必要です。

4.YouTube

　YouTubeは、さまざまなジャンルの動画を投稿できるSNSとして世界的に利用されているサービスで、ユーザー人口は全世界で20億人を超えています。

　昨今ではテレビを見る代わりにYouTubeを観るユーザーも多くなりました。YouToubeには広告機能もあり、動画の途中でテレビCMのように動画広告を配信して認知拡大を図ることも可能です。

　しかし動画を1本投稿しただけでは、効果が得られません。中長期的に動画を投稿して、ファンを獲得する必要があります。

　動画も、ただ単に映像を投稿するのではなく、ユーザーが視聴しやすいように尺の編集やテロップの工夫などが必要であるため工数がかかります。

　YouTubeのメリット・デメリットは下記のとおりです。

メリット

• テレビCMのような広告配信ができる
• 商品・サービスに対する理解促進がしやすい

デメリット

• 動画を作成する際の編集作業など工数がかかる
• 効果を得るまでに時間がかかる

　投稿フォーマットは動画のため、商品・サービスの使い方や活用事例などを解説するとユーザーの理解度が増すでしょう。

5.X（旧Twitter）

　X（旧Twitter）は1回に140字までの短文テキストが投稿できるSNSです。10代から30代を中心に幅広く利用されています。

　匿名でアカウントを作成できることから投稿ハードルが低いため、リアルタイムの出来事や本音の口コミなどの収集が行いやすい特徴があります。

　リポスト機能があり、拡散性が非常に高いことがX（旧Twitter）の強みです。とはいえ、フォロワーが増えるには時間がかかるため、根気強く投稿を続ける必要があります。また拡散性が高い反面、炎上しやすい傾向があるのもX（旧Twitter）の特徴の1つです。

　X（旧Twitter）のメリット・デメリットは下記のとおりです。

メリット

• リアルタイムな口コミを収集できる
• 拡散性が高い
• 投稿フォーマットがテキストのみなので準備の手間がかからない

デメリット

• 効果を得るまでに時間がかかる
• 拡散性が高い反面、炎上しやすい

　テキストのみで投稿できるため手軽さはありますが、炎上のリスクがほかのSNSよりも高く、マイナスな発言は避けてユーザーとコミュニケーションを取るように意識しましょう。

6.TikTok

　TikTokは投稿フォーマットは動画のみで、15秒から最大3分までの動画を投稿するSNSです。幅広い年齢層のユーザーが利用していますが、10代の利用者層が66.4%と圧倒的な多さです。TikTokへの動画投稿から有名になった歌手やダンスもあり、さまざまなトレンドを生み出しています。

　AIを使ったレコメンド機能が優れていて、フォロワー以外にも趣味嗜好が近いユーザーに動画が表示されるため、認知の拡大に寄与します。

　ただし15秒から3分の動画のため、いかにユーザーの目を引く動画を作成するか企画力と動画の編集力が必要です。

　TikTokのメリット・デメリットは下記のとおりです。

メリット

• AIを使ったレコメンド機能で認知拡大に寄与する
• トレンドが生まれやすい

デメリット

• 動画編集の工数がかかる
• ユーザーの目を引く企画力が求められる

　TikTokの利用者は10代を中心とした若年層が多いため、商品・サービスのターゲットの年齢層が高い場合は、成果につながらない可能性が高いでしょう。

　ここまで主要6サービスそれぞれの特徴を紹介しました。どのSNSから手をつけるか迷った場合は、自社の商品・サービスのターゲット層と近いユーザーがいるSNSから取り組むことをおすすめします。

SNS運用の始め方

　取り組むSNSを決めたら、運用を始めるための準備が必要です。手順を1から4に分けて説明します。事前準備は難しくないため、ぜひ実際に手を動かしてみましょう。

手順1.アプリインストール

　自社で取り組むSNSのアプリをインストールしましょう。Webブラウザで取り組めるサービスもありますが、アプリの通知設定をONにしておくと、ユーザーからのコメントやDMを見落とさずに済みます。

　なるべくアプリ版で準備を進めましょう。

手順2.各SNSのアカウントを作成

　SNSを利用するためのアカウントを作成しましょう。各サービス共通で、アカウント作成に必要な情報は下記のとおりです。

• アカウントID
• パスワード
• メールアドレス

　そのほか、SNSによっては氏名や電話番号などが必要な場合もあります。

　アカウントIDやパスワードは、ログインの際に必要な情報となるため、忘れないように保管しましょう。

　またパスワードは推測しにくいものにして、二段階認証設定も行います。推測しやすいパスワードにしてしまうと、最悪の場合アカウントを乗っ取られてしまうこともあるため、十分に注意してください。

手順3.プロフィールの作成

　アカウント作成が完了したら、プロフィールを作成します。プロフィールは、作成したアカウントの自己紹介となるため、プロフィール画像はもちろんのこと、紹介文も漏れなく記載して、アカウントが何者であるかわかりやすくすることがコツです。

　プロフィール欄に自社WebサイトのURLや電話番号なども記載するとよいでしょう。

手順4.投稿やユーザーとの交流を行う

　プロフィールの設定まで完了したら、コンテンツの投稿です。また自社の商品・サービスについて投稿しているユーザーがいたら、積極的にいいねやフォローをしてコミュニケーションを図りましょう。

SNS運用のコツ5選

　SNSの運用は、投稿するだけでは成果につながりません。SNS運用を成功させるためには、どのようなことを意識して取り組めばよいか、5つ紹介します。

　最初は難しいかもしれませんが、試行錯誤を繰り返して成果につながるように調整していきましょう。

　特にLINEは1度ブロックされてしまうと、アプローチができなくなってしまうため、慎重に取り組みむ必要があります。

1.SNS運用の目的を明確にする

　SNSを運用する目的を整理して、明確にしましょう。目的があいまいになるとコンテンツの内容もブレてしまい、成果も出せません。

　SNSを活用したマーケティングでは、主に以下のような目的が挙げられます。

• ブランド・商品・サービスの認知拡大
• 購入意欲・来店意欲の向上
• 企業のブランディング
• ユーザーとの関係構築およびファンの育成

　目的によって、SNSで発信するコミュニケーション戦略が変わります。事前に目的を明確に定めることが重要です。

　SNS運用はあくまで手段であって、目的とならないように注意して、目的設定を行いましょう。

2.利用するSNSの特徴を理解する

　「何」を「どのように」伝えたいか整理して、使用するSNSを選定しましょう。

　SNSはサービスによって、投稿フォーマットが異なります。どのようにユーザーにアプローチしたいかを整理して、マッチする投稿フォーマットがあるSNSを選ぶことが大事です。

　たとえば商品・サービスの理解促進を図りたい場合は、テキストよりも視覚的にアプローチすることでユーザーの理解度が深まります。このような場合は、InstagramやYouTube、TikTokがマッチします。

3.ユーザーが求める情報をリサーチする

　投稿するコンテンツを作成する際には、ユーザーが求める情報をリサーチしてから取りかかりましょう。

　商品・サービスの魅力を知ってほしい気持ちから、ユーザーのニーズを無視した一方的なコンテンツを作成すると、反響を得られません。

　ターゲットとなるユーザーが、どのような情報を求めているのかをリサーチして、共感を得られるコンテンツや役立つコンテンツを作成しましょう。

4.投稿頻度や時間帯を考える

　SNSは、コンテンツを投稿する頻度や時間帯も重要です。深夜に投稿をしても、リアルタイムで投稿を見るユーザーは多くありません。

　SNSは情報が流れやすいため、リアルタイムに反応を得られない場合、タイムラインの中に埋もれてしまい、情報を届けたいユーザーにうまくアプローチできない可能性もあります。

　各SNSによって、ユーザーがアクティブになっている時間帯は異なります。自社で活用するSNSが決まったら、多くのユーザーがアクティブになる時間帯や適正な投稿頻度を調べましょう。

5.ハッシュタグを活用する

　ハッシュタグは、投稿に付与できるタグで、SNS内の検索などに使用されます。投稿するコンテンツにハッシュタグをつけることで、同じハッシュタグを使用して投稿したユーザーや検索したユーザーの目に留まる確率が上がります。

　最近では、ハッシュタグを活用してSNS内で情報収集するユーザーも増えているため積極的に取り入れましょう。

SNS活用の成功事例

　実際にSNS（Instagaram・X（旧Twitter）・LINE）を活用して成功した企業事例を3つ紹介します。商品・サービスによって活用方法もさまざまなので、 全く同じ方法が取り入れられるというわけではありませんが、運用イメージとして参考にしてみてください。

【Instagram】北欧、暮らしの道具店

　「北欧、暮らしの道具店」のInstagramでは、同社で取り扱っている商品の写真を投稿。ただ商品が映っているものではなく、生活の中に商品があったときの雰囲気をイメージできるような写真を使用しています。ほかにも同社スタッフによる商品を使用したモーニングルーティンや料理レシピの紹介など、ユーザーのニーズを捉えたコンテンツを作成しているのが特徴です。

　アカウントのプロフィール欄の下部には、投稿で紹介した商品を集めたページのリンクが記載され、商品購入までの導線が用意されています。このように投稿内容や導線を整理することで、ユーザーの購入意欲を高めて売上拡大を図っています。

【X（旧Twitter）】SHISEIDO 資生堂

　「資生堂」のX（旧Twitter）は、自社の各ブランドやサービスの投稿を拡散するための中核として、リポストをメインに運用。

　アカウント独自の投稿も行っていますが、内容としては企業活動についての投稿を中心としており、企業ブランディングと自社のさまざまなブランドの認知拡大に振り切った運用方針となっています。

　複数の商品・サービス、ブランドを展開している企業のSNS担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

【LINE】マイナビ転職

　マイナビ転職のLINEは、友だち登録するとトーク画面でさまざまな情報が取得可能です。トーク画面には、会員登録や転職ノウハウ、求人情報など転職検討者が知りたいであろう情報が、複数のカードで表示されます。

　ユーザーが気になるカテゴリーのカードをタップするとトークが始まり、同カテゴリー内の詳細カテゴリーがカードで表示される仕組みです。

　最終的にはマイナビ転職のWebサイト該当ページにリンクされており、視覚的にもわかりやすい導線でユーザー視点で使いやすい仕様になっています。

　ユーザーの求める情報をリサーチして整理することで、このような導線の設計を考案できます。LINEを活用したカスタマーサポートなどを考えているSNS担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

　SNSによる購買行動の流れの変化からSNS運用のメリット・デメリット、各SNSの特徴、各企業の活用事例などを紹介しました。

　企業がSNSを活用するにあたり、自社がSNS運用を行う目的を整理し、目的にあったSNSを導入することが欠かせません。SNSのメリット・デメリットを理解し、運用におけるポリシーと投稿ルールを確立すれば炎上のリスクを抑えられます。

　ただしSNSは投稿してすぐ効果が現れるものではありません。中長期的に投稿を継続して、効果検証を行う必要があります。効果が悪ければ何が悪かったのか仮説を立て、試行錯誤を繰り返して成果を出していきましょう。