【課題ときっかけ】三木谷さんが広めたTwitter活用
半年ほど前、三木谷さんがTwitterの利用を開始し、その後、楽天グループ内のほぼ全サービスが公式アカウントによる取り組みを始めた。ソフトバンクの孫さんの「やりましょう」というつぶやきが話題になるなど、企業におけるTwitter活用も進み、それに伴ってTwitter関連の解析サービスが次々に出現した。
ところが、企業のTwitter公式アカウント運用は現場スタッフがボランティア的に担当し、属人的になりがちだ。フォロワー数という単純な指標のみで、取り組みのゴール設定や評価が行われることも多い。
ここはひとつ、効果測定の精度を高め、つぶやき内容やフォローのタイミングを最適化できる状態を実現したい。そうすることで、現場の最適化が進み、努力や成果が正当に評価されるようになるのではないか?
【現状の調査】既存の解析ツールは使えるのか?
まずは、下記のブログエントリーを参考に、利用可能なTwitter解析ツール15種類を試用してみた。
この中で気になったのは、TweetStatsとTwitalyzerだ。TweetStatsは、つぶやきの回数や時間帯をグラフ化したり、つぶやき内容からキーワードを抽出したタグクラウドを作成できる。Twitalyzerは、自分のつぶやきに加えて、Retweetやリプライの回数もグラフ化できるので、つぶやきの影響度を把握できる。競合のTwitter活用状況を調べるのにも役立つ。
この他にも、単純にフォロワー数の推移をグラフ化したり、相互フォロー状況をIDごとに調べるツールは数多く存在するが、これだけでは今回の目的には不十分だ。
【期待したこと】Twitterで売上は増えるかを計測したい
企業アカウントの解析としては、つぶやき内容をブランド名や社名で検索し、言及回数やセンチメント(ポジティブ・ネガティブ)を分類することで、広告やイベントのバズ効果を計測するという手法や事例が多いようだ。
ただし、楽天のサービスはECが多いので、もっと直接的な効果である「売上への貢献度」を調べたい。改めてKPIについて考えるため、2月の時点でよくRetweetされていた下記のブログエントリーを参考にした。
ビジタークリック率 = リンクのクリック訪問者数 ÷ フォロワー数
“フォローしている人はつぶやきを閲覧したはず”という想定であり、【図1】のようにクリック数をPVで割るCTRの考え方に近い。
このKPIの場合、そのアカウントのフォロワーが直接クリックした回数を確認することになる。だが、ソーシャルメディアの場合、Retweetのような間接効果も重要だ。そこで、さらにKPIの検討を進めた。