MarkeZine Dayは、翔泳社主催のオンラインマーケター向けカンファレンス。年数回開催されており、地方を含めると11回目の開催となる。今回は、業界をリードする各社により、最新のトレンドや事例、ノウハウといった情報を提供する全7セッションが予定されている。
最初のセッションでは、株式会社ビービットの遠藤直樹氏が「成果10倍!入口出口から考えるユーザ中心PDCA」と題し、講演を行った。ビービットは、大手を中心にWebでのマーケティング活動に積極的な企業各社に対して、コンサルティングによる支援と効果測定ツール「Web Antenna」の提供を行っている。こうした活動の中で、同社が核としているのが「ユーザー中心PDCA」という考え方だ。
一般的にPDCAと言う場合、Plan→Do→Check→Actionを順番に回すことを指すが、ユーザー中心PDCAでは、“Plan→Do”と“Check→Action”のフェーズにそれぞれ分けて考える。
“Plan→Do”は、自社のマーケティングにおけるWebサイトが担う役割を見直す、といった基盤を構築するフェーズ。年に数回といったタイミングで行う。この際に重要になるのが、入口と出口の明確化だ。遠藤氏は「サイトリニューアルなどの際、コンテンツやデザインといったコミュニケーションシナリオを考えるのに、作業の8割が割かれている。しかし、最初にやらなければいけないのは、自社におけるサイトの役割などを考え、出口、つまり“成果を明確化”することだ」と解説する。そうした上で、どういったユーザーがどのように入ってくるのかというユーザーターゲッティング、つまり入口の設定を行う。入口と出口の橋渡しとなるコミュニケーションシナリオは、順番で言えば最後となる。
“Check→Action”は、毎日の小さな改善のフェーズ。ここでのポイントは、高速にシナリオを最適化することだ。最適化というテーマで、よく挙げられるのは、ボタンのデザインや配置といったもの。しかし、それらは点の最適化にすぎず、マーケターがいじれるパラメーターや発想には限界があるので、成果が飽和してしまう。そのため、どのようなユーザーがどのように訪れているのかといった、ユーザーへの仮説に基づくコミュニケーション改善が重要だという。
遠藤氏は、こうした考え方を、自社で担当した実際の事例をもとに解説。さらに、ユーザー中心PDCAをもとに、企業のマーケティング担当者の業務に即して同社が開発したWeb Antennaを紹介した。MarkeZine Dayではこの後も、アクセス解析や検索など、さまざまなトピックでのセッションが行われる予定だ。
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