Alexaについてのよくある誤解
「Alexa自体のことは知ってるから今さら説明なんか要らないよ」というみなさん、お待たせいたしました。ここまで、Alexaの基礎を紹介してきましたが、今回からは「Alexa側は積極的には言わないが、Alexaの統計情報を見る上で注意すべき点」を紹介していきたいと思います。第三回でお話したように、Alexaは「ブラウザによる」「ウェブサイトへの」アクセス情報を収集・提供するサービスです。
Alexaの統計が何をどう集めたデータかということを理解しないまま、闇雲にいろんなドメインを入れて比較をすると、(当然ですが)「このサイトはこれぐらいの人気だろう」という実感とは食い違った数値やグラフが出てくることがあります。そのような驚きを元に間違った解説をするブログ記事などが後を絶ちませんので、実際に私が見たことのある例などをあげつつ「Alexaではわからないこと」を見ていきましょう。
ブラウザを使わないサービスを調べても無意味
セカンドライフといえば、単なる一過性のブームか、それとも新世代の人気サービスかという論争もかまびすしい、3Dの仮想空間で遊ぶオンラインアプリケーションですね。このセカンドライフと、日本のソーシャルネットワーク最大手ミクシィの勢いをAlexaのグラフで比べて、「ミクシィと比べればセカンドライフは言われるほど盛り上がってない」と書かれた人がいました。
しかし、セカンドライフはブラウザではなく専用クライアントを使ったネットワークアプリケーションなので、セカンドライフにどれだけユーザが殺到しようと、Alexaにそのデータが送られることはありません。Alexaで出るのは、セカンドライフの案内サイトのアクセス数です。
セカンドライフのウェブサイトと別のオンラインゲームのウェブサイトとを比較をして、「オンラインゲームの(ゲーム本体ではなく)ウェブサイトのトラフィック比較」であれば意味はありますね。もちろん、その場合でも、ウェブサイトの人気とゲーム自体の人気が比例するわけではないことには注意してください。
その場合に出てくるのは、ゲーム同士の人気度の比ではありません。そのゲームの公式ウェブサイトのトラフィックの多い少ないです。ゲームよりもウェブサイトでのコミュニティが充実したサイトや、ゲームのバグ修正パッチをウェブサイトで頻繁に提供しているような会社のほうがAlexaでは良い数値を出すかもしれません。