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統括編集長インタビュー

「結局のところ大切なのは、面白いか面白くないか」─NHN PlayArtの“アニキ社長”加藤氏インタビュー


 2013年4月にNHN Japan(現LINE株式会社)から分社化し、8月に商号変更したNHN PlayArt。フランクな人柄でみんなの兄貴的存在だと慕われる、代表取締役の加藤 雅樹氏に、「NHN PlayArt」のビジネスやゲーム業界の行く末について聞いた。インタビュー中の加藤氏は終始笑顔を絶やさなかったが、会話の端々にはめまぐるしく変化する業界で生き抜くヒントが散らばっていた。

やりたいこと-今の状態=やるべきことが見えてくる

 ――まず、現在の御社の事業構造について教えてください。

 大まかに言うと1.PCゲーム事業、2.スマートフォンゲーム事業、3.新規事業、の3つの大きな軸があって、その軸の中で幾つかの事業が同時進行しているといった状況です。

NHN PlayArt 株式会社 
代表取締役社長 加藤雅樹氏
 NHN PlayArt 株式会社 代表取締役社長 加藤雅樹氏

 PCゲーム事業はハンゲームという大きなくくりがあります。お客様に楽しんでもらえるメジャーなものに集中したいと考えていて、その視点からチャネリング事業、共同開発、パブリッシング事業という3つの軸で進めています。それからスマートフォンゲーム事業は、LINEゲームとそれ以外のゲーム事業、新規事業としては、comicoというWebコミックサービスをはじめました。

                                                                      開発:NHN PalyArt 株式会社
                      運営:LINE株式会社 (c) LINE Coporation

 ――PCゲーム事業の構造について教えてください。

 まず、チャネリング事業とは、ゲーム開発会社さんが独自で作ったゲームを、弊社のプラットフォームで提供するというものです。共同開発は、共同してゲームを開発するということで、例えば数々のヒット作をお持ちのレベルファイブさんと共同で「イナズマイレブン オンライン」のゲーム開発を手掛けていたりします。コンテンツはレベルファイブさんが、サーバーのテクノロジーは弊社という役割分担で、それぞれのノウハウをうまくガッチャンコして行う事業ですね。

Published by NHN PlayArt Corp.
Copyright(c) LEVEL-5 Inc. All rights reserved.

 最後のパブリッシング事業とは、海外のゲーム会社さんと契約し、海外のゲームを持ってきて日本で販売するという事業です。韓国のゲーム会社と契約した『ダンジョンストライカー』などがこれにあたる事業です。

 ―― スマートフォンゲーム事業は主にLINEゲームでしょうか。

 そうですね。LINEゲームと、通常のゲームを、2:1くらいの割合(LINE:それ以外)で制作しています。

 ―― 最後のcomicoとは?

 これは、オリジナルコミックを集めて、無料で提供するWebコミックサービスです。実は、従来からキャラクターのIP(Intellectual Property/知的財産)獲得には注力していまして。そこで、ゲームとコミックはもともと親和性が高いので、comicoのようなサービスで作家さんを集め、それがメジャーになり、そのままゲームになっていけば良いな、という期待をこめて始めました。

 ―― なるほど。スマートフォンゲーム事業についてもう少し詳しくお聞かせください。市場の変動が大きいゲーム業界ですが、そこにスマートフォンが登場しました。今後さらなるマーケットの変化が予想されますが、そこで勝ち抜く戦略や、意識されている競合さんはいらっしゃいますか?

 競合はあまり意識していません。事業計画もがっちり固めているわけではありません。というのも、自分たちがやりたいことというのがはっきりしているので、そこに向けてやっている、やっていく、というビジョンで動いています。つまりは、自分たちが望んでいる姿というものがあって、現状がある。そこのギャップをどのようにして埋めていくのか、そこをどれだけ楽しめるか、ということだけ考えています。

 ―― 競合調査、つまりマーケティング的な側面はあまり意識されていないと?

 もちろん全くないわけではありません。お客様の楽しみ方は人それぞれなので、それを前提としてどこにフォーカスを置くかしっかり考えた上でのゲーム作りというのは心がけています。ただ、本当に「これやばくない!?」といった圧倒的に面白いゲームが出てきたら、勝手に口コミで広がると思うんですよね。パズドラは正にその典型。だから、結局のところ大切なのは、面白いか面白くないか、だと思います。というか、そう信じています(笑)。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

大塚 笑可(オオツカ エミカ)

フリーライター。大阪府出身。法律業界から転身し、フリーライターに。社会系、IT系からファッションまで、幅広い分野で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/12/06 23:52 https://markezine.jp/article/detail/18875

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