米国を発信源とする大規模公開オンライン講座(MOOC)とともに「反転授業(Flipped Classroom)」と呼ばれる教育スタイルに注目が集まっている。反転授業は「教室で講義を受け知識を得る→自宅で復習し知識を定着させる」という従来の教育スタイルに対し、「自宅でオンライン教材により知識を習得する→教室で議論や発展的な課題に取り組む」という教育スタイルをとり、自宅と教室の役割を逆転させる新しい手法。
米国では、スタンフォード大学が2011年から大規模な試行実験を開始し、もっとも効率的な学習が期待できるものとして、世界中の教育機関が関心を寄せている。反転授業を成功させるためのポイントのひとつは、学習効果の高い自宅学習のためのコンテンツを、教員自身がいかに簡単に作成できるかにある。
早稲田大学とロゴスウェアは、予習のための教材コンテンツを教員自らが簡単に作成できるツールの開発と実証実験をスタート。第一弾として、英語教材用デジタルブックを開発。英語音声の読み上げ、単語の語訳表示、確認用テストの付加機能を埋め込める。
埋め込まれたテストには、学生ごとの学習内容およびテスト結果を、大学が管理する学習管理システム(LMS)に送信する機能も装備している。加えて、LMS側で予習用教材コンテンツの結果に対して合格点を設定することで、合格点に達するまで学習を促すこともできる。送信フォーマットは、eラーニング標準規格SCORMに準拠しているため、幅広い学習管理システムへの適用が可能となっている。
学習コンテンツは、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器でも利用可能。開発された予習用教材コンテンツを用い、早稲田大学内において実証実験が開始される。
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