昨年から今年にかけて大手ITベンダーによる「マーケティングオートメーション」や「キャンペーンマネジメント」の買収が相次いで発表されています。新たに日本進出を果たした海外ベンダーも多く、導入した企業、導入を検討中の企業も増えてきているようです。今注目を集めつつあるマーケティング自動化ソリューションの動向についてガートナージャパンの主席アナリストである川辺氏に訊いた。
ガートナーのマーケティング自動化ソリューション領域の定義
- 製品カテゴリーはどのように定義されているのでしょうか?
川辺:ガートナーではこのカテゴリーの製品を「マルチチャネルキャンペーンマネジメント(以下、MCCM)」と呼んでいます。機能上のもっとも大きな特徴はOne to Oneコミュニケーションを可能にするという点ですね。そしてそれをマルチチャネルでシナリオを組んで自動化できることです。ちなみにBtoB、BtoCといった区分けはしていません。
- これまで日本ではあまり導入が進んでなかった印象があるのですが、なぜでしょう?
川辺:私自身、10年以上前からこの分野には注目していました。当時まだ日本では販売されていなかったUnica(現IBM Campaign)のシナリオを組み込んだオートメーション機能を見て、これは良い製品だなと思いましたね。
米国やヨーロッパで導入が進んでいましたが、日本での販売開始後も当初はあまり浸透しませんでした。まだ日本語化されていなかったし、ライセンス料も高かった。自社の事情に合わせて簡易的に自前で開発しようとする傾向もありましたね。
国民性の違いもあったと思います。アメリカなどでは昔からダイレクトメールの利用が非常に盛んでプッシュ型のコミュニケーションに比較的抵抗がありませんが、日本ではプッシュ型よりもプル型コミュニケーションが好まれる傾向があります。そのためレコメンドエンジンなどは発展したのですが、MCCMのようなプッシュ型のマーケティングツールを活用しようとする機運が高まらなかったのではないでしょうか。
主席アナリスト 川辺 謙介氏
- 最近注目を集めるようになったのにはどんな背景があるとお考えですか?
川辺:まずマルチデバイス化の進展で対応すべきコミュニケーションチャネルが増えてきたことことが挙げられます。今までも企業はダイレクトメールやEメールなど色々なチャネルを使って顧客とのコミュニケーションを行ってきましたが、対応すべきチャネルの数が急速に増えつつあり、手作業では管理しきれなくなってきます。その結果、必然的に自動化が必要になります。
次にデジタル化が急速に進んで、顧客に関するさまざまな情報を大量に集められるようになったことも挙げられます。Webサイトのアクセスログやメールの反応データ、店頭での接客情報など、きちんとデータを溜めていくと顧客に関する情報の精度が上がってきて、プッシュ型のコミュニケーションに上手く使えるようになってきました。
一方デジタル化は競争を激化させる側面もあります。例えばリアル店舗はオンラインショップとも戦わなくてはいけなくなりました。オンラインショップと同じスピードを顧客が求めつつあり、待っているだけではなくプロアクティブなプッシュ型のコミュニケーションもしたい。そうなるとMCCMのようなテクノロジーが必要になってきます。
また、マーケティング関係者の間で注目が高まっているというお話がありましたが、IT関係のリサーチを長年やってきた我々の視点から見ると、MCCMのようなソリューションは以前からあるのですが、ずっと情報システム部の領域でした。それが環境の変化により顧客と向き合っているマーケターの方々がこの手のテクノロジー活用に直接携わるようになり、注目されるようになったという側面もあると思います。ITベンダーさんの方でもマーケターの方に直接アプローチしようと努力していますね。
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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)
デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。
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