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世界で戦える日本人マーケターを!「アドテック関西2014」レポート

ROIがあがる最適なマーケティング方法とは?バニラエア/リクルートが成功・失敗事例から導き出した知見

 ターゲティングとリーチのどちらを重視すべきか。データドリブンなマーケティングとは何か。そして新しいテクノロジーを活用した施策に挑む際に、どうやって予算を獲得すればいいのか……。マーケターが日々向き合う課題はつきない。それらを解決するためのヒントが盛り込まれた、「アドテック関西2014」の公式カンファレンスセッションで人気&満足度1位になった講演をレポートする。

テーマは「Beyond Ad-Tech」

 今年初開催された「アドテック関西」。111名の公式スピーカーが、5つの基調講演と24のカンファレンスセッションに登壇した。その公式カンファレンスセッションの人気&満足度ランキングで1位になった講演が「ターゲティングかリーチか、ROIのあがる最適なマーケティング方法」だ。

(左より)
ヤフー株式会社 マーケティングイノベーション室 本部長 友澤大輔氏
ユニリーバ・ジャパン株式会社 メディアディレクター 山縣亜己氏
株式会社リクルートライフスタイル CRMコンテンツマネジメントグループマネージャー ID ポイント編集長 渡部純子氏
バニラエア株式会社 営業部 部長 近藤寛之氏
株式会社電通 眞鍋尚行氏

 モデレータを務めるのはヤフー マーケティングイノベーション室 本部長の友澤大輔氏。友澤氏は今日のテーマとして「Beyond Ad-Tech」を掲げる。「アドテクを超えたその先では、どうやってマーケティングをやっていけばいいのか。現場では実際には何が起きているのか。真のデータドリブンなマーケティングについて、4人のパネリストのみなさんと一緒に今日はディスカッションしていきたい」(友澤氏)

ディスカッションの3つのテーマ

(1)リーチとターゲティングのどちらを重視しているか?
(2)事業会社における成功事例・失敗事例の共有
(3)課題と解決策(課題解決までのアプローチ/予算など)

リーチとターゲティング、どちらが大事?

 リーチとターゲティングのどちらを重要視すべきか。マーケターであれば一度はこの問題に向き合ったことがあるだろう。この問いに対して、ユニリーバ・ジャパン メディアディレクターの山懸亜己氏は「両方大事です。リーチとターゲティングは、それぞれの施策ごとに設定をしていくものなので、選ぶということはできません。ユニリーバは、ダヴやラックスといったブランドを持つ一般消費財メーカーで、売上のほとんどはスーパーやドラッグストアなどのオフラインの店舗で上がっていることもあり、圧倒的にリーチが重要な業態です。リーチが大きくとれないとプロモーションにならないこともあり、リーチは一番重要ですね。でも、だからといってターゲティングしていないわけではありません。例えば女性向けの製品なのに男性にリーチしてもあまり意味がないので、ターゲティングの視点も持ち合わせて施策を行っています」とこたえる。

 一方、テレビCMなどのマス施策を行いつつ、効率重視のイメージの強いリクルートではどちらを重視しているのだろうか。リクルートライフスタイル CRMコンテンツマネジメントグループマネージャー IDポイント編集長の渡部純子氏は「まず前提として、テレビとウェブのリーチは分けて考えている」という。

 「テレビCMの目的ブランディングです。名前を知っていることで選ばれやすくなるなど、中長期的にCVを底上げする目的でやっています。なのでテレビCMを放映したからといって、直接アクションが何件とれる、といったことは問いません。ただしウェブの集客に関しては、明確にターゲットCPAという目標値を各媒体毎に設定しています。そのCPAの範囲の中で、最大限のリーチを実現していきます」(渡部氏)

 では、広告会社の視点ではどうなのだろか。ここで電通の眞鍋尚行氏は「基本的には、クライアントのブランドによります」と述べる。

 「テクノロジーの発展もあって、最近はターゲティングに偏重しがちのように感じています。しかしマーケティング全体で捉えるのであれば、もう少しリーチを見直してもいいのでは、と個人的には思っています。昨今では、一個人の行動データの活用に注目が集まっています。つまり、行動データを活用したデータドリブンなメディアプランニングをきちんとやっていかなくてはいけません。勘と経験ももちろん大事ですが、データドリブンな裏付けに基づいてリーチもターゲティングも施策を行っていきべきでしょう」(眞鍋氏)

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この記事の著者

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児の母。...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/12/26 14:00 https://markezine.jp/article/detail/21469

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