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データドリブンはここまで進んでいる! 先進企業4社が語る効果測定とデータ活用の重要性

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2015/11/19 17:00

 11月17日、Optimizelyは「Optimizely Experience JAPAN 2015」を開催。「日本発データドリブン企業はどこまで進んでいるのか?」をテーマにパネルディスカッションが行われた。パネラーは、UNCOVER TRUTHの小川 卓氏、オイシックスの奥谷 孝司氏、VASILYの金山 裕樹氏、リクルート・ホールディングスの山本 一誠氏の4名。MarkeZineの押久保 剛編集長がモデレーターを務めた。

データドリブンはどこまで進んでいるのか

押久保:効果測定で得られたデータをもとに、次のアクションを起こしていくのがデータドリブンです。データドリブンというと、パネラーの皆さんのような本格的に活用している先行者はいても、まだまだそれに続くような人、フォロワーが少ない印象もあります。皆さんの取り組みやデータドリブンについての考えをお聞かせください。

左から、株式会社UNCOVER TRUTH CAO 小川卓氏オイシックス株式会社 COCO 奥谷孝司氏株式会社リクルート・ホールディングス 山本一誠氏株式会社VASILY 代表取締役 金山裕樹氏
左から、株式会社UNCOVER TRUTH CAO 小川卓氏
オイシックス株式会社 COCO 奥谷孝司氏
氏株式会社リクルート・ホールディングス 山本一誠氏
株式会社VASILY 代表取締役 金山裕樹氏

奥谷:オイシックスに転職してまだ一か月なのですが、MA(Marketing Automation)やいろいろなツールが出回ってはいるものの、基本的なサイトの分析とA/Bテストをきちんと繰り返していくことが大切だなと改めて思っています。

山本:私はリクルート・ホールディングスのMedia Technology Labでイベント日程調整ツール「調整さん」を担当しています。昨年からテコ入れ中で、実際に「Optimizely」を使ってCVを上げている最中です。

金山:当社は女性向けのファッションアプリ「iQON(アイコン)」の開発・運営を行っています。僕らはデータを活用することで、最初の100万人のユーザーを広告費を1円もかけずに獲得しました。

小川:コンテンツの評価もデータを活用して行っているんですか?

金山:すべてデータを使っていますね。データがなければ社員と話(議論)もしません。

小川:女性向けキュレーションメディア「MERY」の方の話では、記事が良いか悪いかの判断は“かわいい”を基準にしているそうです。けれども、その記事が“かわいいかどうか”は数字で表しづらくて、編集者の感覚的な判断に委ねられている。個人的にはとても印象的だったんですが、そういうやり方についてはどう思われます?

金山:それでうまくいっていることには驚きますし、素晴らしいと思います。ですが、“かわいい記事が良い”という背景には、“かわいい記事ならユーザーに評価される”という結果があるはずです。その結果は、ログとして残っているわけですね。さらに言えば、最終的には、事業に対する数字、売り上げに結びつくものが大事なわけで、それが判断できるのはデータだけしかありません。売り上げを上げるか、費用を下げるかのどちらかに、どの数字が結びついているかを考えることが大切なのではないでしょうか。

データドリブンを浸透させるために

押久保:現場から見るとデータドリブンは浸透していると感じていますでしょうか。

山本:部署によって異なりますが、私が以前いたチームではデータドリブンをしていたとは言いづらいですね。あるアプリがあって、ユーザー数を伸ばそうと新機能を入れるにしても、例えばお医者さんがなんの病気かわららないけど、とりあえず注射打っておこうというような感じで、KPIも効果測定もよくわからないまま、とにかく機能を追加していました。それでは成果もよくわかりませんし、もしかしたら逆にKPIが下がっているかもしれません。そこで、きちんと分析して、データドリブンしていきましょうという話になっていきました。

小川:そもそも分析ができる人、やりたい人はそんなに多くないでしょう。難しそうに見えますし、華やかじゃないですよね。さらに、分析だけじゃなくて施策を考えるところまでやらないとならない。分析と施策、事業としてドライブするという3つの役割を兼ね備える必要があります。だから、新人がいきなりやるというのは難易度高くて、それができる人材をどう育てるか、あるいは他の施策をやっている人に分析にどう興味を持ってもらうかということが課題ですね。

奥村:データの分析の意義、活用という面では経営者への説得材料に使えるということもあります。データを集めてダッシュボード化していくことで、どんな施策をなぜやるかということを経営者に説得力を持って伝えることができるようになります。

山本:私はプロダクトオーナーなので自分で意思決定できるのですが、データドリブンを他のスタッフに浸透させる工夫は必要ですね。例えば、A/Bテストの成功率を上げていくためには、成功と失敗の知見を数多く貯める必要があります。そのためには、クリエイティブも数が必要になってくるのですが、デザイナーは量よりも質を重視するんですね。でも、データドリブンするためには、時間をかけて高品質なものを作っても、もったいないだけです。そこで、1回デザイナーにすべて任せて、テストとかは関係なく満足いく物を作ってもらう。すると、CVがガーンと落ちるんですよ。そのデータを一緒に見ながら、限られた時間内で良い物作っていきましょうよという話をして、納得してもらうわけです。

押久保:金山さんご自身ではデータドリブンし続けていると思うのですが、社員の方にもその考えを浸透させるのに心がけていることはあるんですか?

金山:2つあります。マインドと仕組み化です。まず、マインドについては、報告する際にデータを持ち合わせいなければ「あなたが神でもデータを持って来なさい」と伝えています。なぜそこまで言うのか。わかりやすい例だと、「ちょっと売り上げが下がっています」という“ちょっと”が定量化されていないと、それが5万か100万かわかりませんよね? そのリスクはとても大きいので、データがなければ議論すらしないというスタンスを徹底しているんです。とはいえ、データをどう使うかという仕組みも必要です。幸い、当社が扱っているのはアプリとWebなので、ユーザーの活動をログで取ることができます。それをすべてGoogleの「BigQuery」に入れて、「Tableau」で視覚化して吐き出すというフローをSQLによって自動化しています。「Google Analytics」などの計測ツールも使っていますが、やはり毎日見るのは面倒くさいものです。ですから、KPIなどの大事なデータは強制的にBOTが飛ばしてくる仕組みを用意しました。


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著者プロフィール

  • 市川明徳(編集部)(イチカワアキノリ)

    大学卒業後、編集プロダクションに入社。漫画を活用した広告物や書籍のクリエイティブ統括、シナリオライティングなどにあたる。マネジメントや自社サイトの企画・運営にも携わる。2015年、翔泳社に入社。MarkeZine編集部に所属。

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