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マーケティングと営業の溝を埋めて、売上につなげる!ネクスウェイが展開するインサイドセールスとは

 ネクスウェイが展開する“インサイドセールス”は、企業がマーケティングと営業の連携で抱えがちな問題や、これからの人口減で危ぶまれる販売力の確保を解決すると注目されている。その概要やメリットを、同社のインサイドセールス支援事業部の事業部長、小椋亮氏に取材した。

従来の営業にはできない、インサイドセールスのメリットとは?

 ネクスウェイは主に二つの事業を展開している。まず、現在約7,000法人が利用している、FAXや郵送、メールなどを活用した企業間の情報発信を支援する情報発信プラットフォーム事業。そして、ICTを含む新しいコミュニケーションスタイルを提供していくための新規事業だ。

小椋氏
株式会社ネクスウェイ インサイドセールス支援事業部 事業部長 小椋亮氏

 小椋氏は後者を担当しており、2015年10月から営業のアウトソーシング分野での新規事業の発足に携わり、2016年4月にインサイドセールス支援事業部を立ち上げた。同事業部を新設した理由に関して小椋氏は、「これからの時代、人口減に伴って労働力を確保することが困難になってくる。そうなった場合、経営者が最も頭を悩ませる課題は販売力だと事前のリサーチ結果でわかったから」だと語る。

 ちなみにインサイドセールスとは、クライアントに訪問せず、社内にいたまま非対面で行う営業活動のこと。テレセールスとの違いは、電話だけでなくFAXや郵送、テレビ会議システムなどあらゆるチャネルを使って営業成果を最大限高める点だ。そもそも、企業や商品の情報がインターネットなどで簡単に入手できる今、これまでの営業が行ってきた情報提供のための訪問はもはや不要になりつつある。そのため、インサイドセールスで徹底的にリードを育成し、訪問はクロージングのみとすれば、営業にかかる工数を大幅に削減できるという。

 「単に営業のアウトソーシングではなく、人口減になったときに人手が減っても販売力を担保するために、インサイドセールスは有効です。これから多くの企業にニーズが出てくると考えています」(小椋氏)

マーケターの長年の悩みを、解決できる!

 では、マーケティング部門にとってインサイドセールスはどういった意味をもつのだろうか。まず、マーケティング部門が営業に対して以下のような課題を感じていることが多い。

・リードを渡した後のアプローチが遅い、もしくはアプローチされないケースもある。

・ファーストコンタクトでリーチできなかった場合、再度アプローチされることはなく放置されてしまう。

・リーチしたものの、課題が潜在的だった場合は、そのまま放置されてしまう。

・課題が把握できても、タイミングが合わない場合は放置となっている。

 マーケティング部門の主なKPIはリードの獲得件数であるのに対して、営業部門のKPIはほとんどが売上だ。つまり、多くのマーケターはリードを獲得するまでがミッションになっているため、その後の案件化率や受注率までを意識していないという。

 一方、営業部門からすると、すぐに売上につながる案件だけ営業したいため、供給されるリードの数をそこまで重要視していない。そのため、二者の間にはどうしても溝が生まれてしまうのだ。くわえて営業部門からマーケティング部門へのフィードバックも十分でないケースが多いため、マーケターは施策の良し悪しが分からず、次に活かすことができない。

 そこで役立つのが、インサイドセールスだ。小椋氏いわく、インサイドセールスはリードナーチャリング(顧客育成)によって、これまで営業に放置されがちだった“即購入しないけれど、2年以内には購入する顧客”の80%を囲えるという。

https://www.siriusdecisions.com/Blog/2012/Jun/Making-the-Case-for-Teleprospecting.aspxを参照し
ネクスウェイが作成

 また、アプローチ情報の入力徹底やリード供給数をコントロールしてくれるため、営業部門の対応率を高め、アプローチした結果もマーケティング部門に共有されるため、施策のブラッシュアップにつなげることができる。

インサイドセールスでMAの効果を最大化する

 マーケティング部門でリードナーチャリングというと、数年前から日本国内で増えてきたマーケティングオートメーション(以下、MA)に注目が集まっている。ただ、まだその機能を最大化できていない企業が多く存在する。そして、その理由に関して小椋氏は以下の2点をあげる。

1. スコアに達したが対応が遅れ、他社へ取られてしまっている

 インサイドセールス部隊がいない場合、担当営業が常に社内にいる訳ではないため、リード供給後の対応が遅れるケースがある

2. BANT情報が確認できていない

 BANT情報、つまり予算規模(Budget)、決裁権限があるかどうか(Authority)、ニーズの度合い(Needs)、時期(Timeframe)を取得できているかでリードの確度を見極めることが重要である。しかし、これらの情報はMAのスコアリング機能を使っても把握しきれないことが多い。

 つまり、MAから営業への連携をもっとスムーズにするためには、BANT情報の確認を徹底する部隊を設けることが必要であり、そのための部隊がインサイドセールスというわけである。

 マーケティング部門からしても、インサイドセールスの部隊がいれば獲得したリードへのアプローチを徹底してもらえることと、アプローチの感触をフィードバックしてもらえるというメリットがある。

専門部隊が顧客育成をサポート

 ここからは、ネクスウェイが展開するインサイドセールスの支援サービスを紹介する。同サービスでは、基本的にはアウトソーシングの形で同社内にいる専門部隊が代わりにインサイドセールスを実行する。このサービスの形を取っている理由に関し、小椋氏は「サービスの主なターゲットを中小企業にしているから」だと語る。

 大企業であれば、部隊の規模も大きくなるのでコスト的にもノウハウ蓄積の効率的にも、自社内に組織を立ち上げた方がよい。しかし、中小企業であれば、必要人数は2人から3人程度。自社での採用や育成、管理に対するコストを考えると高くつくため、アウトソーシングの方が適しているという。

 「当社では既に、SDR(Sales Development Representative)と呼ばれるインサイドセールスを実施する営業部隊があるので、自社内で構築するよりスピーディーに立ち上がります。くわえて、これまで培ってきたインサイドセールスのアウトソーシングに関する実績、ノウハウもあります」(小椋氏)

インサイドセールスを導入すべき3つのメリット

 では、ネクスウェイのサービスを導入するメリットはどういったところにあるのだろうか。小椋氏は3つのメリットを紹介した。

1.独自のコミュニケーション設計メソッドで、勝ちパターンをモデル化する

 クライアントの営業プロセスを整理し、プロセスを着実に進め、必要に応じてサイレントゾーンを掘り起こすためのコミュニケーションも設計。

 同社独自のメソッドをベースにクライアントの営業担当者からヒアリングすることで、顧客本位のコミュニケーションを実現する。

2.インサイドセールス体制の構築による、深いコミュニケーションを実施

 プランナー、スーパーバイザー、SDRのユニット体制により実際の営業活動と同様の活動を行う。日々の細やかなPDCAサイクルを回すことに加え、スコア状態などをタイムリーに把握できる仕組みになっている。

3.結果を見える化し、とにかく早いPDCAサイクルへ

 仮説とKPIを必ず立て、事実とデータに基づき、分析業務経験者が客観的に振り返る。また、その事象を裏付ける考察を顧客目線で行う。こういった定量・定性面でのPDCAを、早いサイクルで行うことに徹底的にこだわる。

インサイドセールスを今後のトレンドに

 最後に、今後のインサイドセールス事業の展望を伺った。小椋氏があげたのは、インサイドセールスの“トレンド化”だ。インサイドセールス自体、国内ではまだ浸透していない。そのため、同社では海外の成功事例をもとに、国内での認知を進めてトレンド化させたい考えだ。

 そして、「トレンド化を実現することでインサイドセールス市場を活性化させていき、ネクスウェイオリジナルの方法論とツールを今後提供していきたい」と小椋氏は語った。

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この記事の著者

東城 ノエル(トウジョウ ノエル)

フリーランスエディター・ライター 出版社での雑誌編集を経て、大手化粧品メーカーで編集ライター&ECサイト立ち上げなどを経験して独立。現在は、Webや雑誌を中心に執筆中。美容、旅行、アート、女性の働き方、子育て関連も守備範囲。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2016/06/30 16:00 https://markezine.jp/article/detail/24628