WPPグループは、2016年の世界のブランド価値ランキング『Brand Top 100 Most Valuable Global Brands Ranking』を発表した。同レポートは、消費者調査に基づいて測定されたブランド資産と、企業の経済的な業績分析を組み合わせたもので、業績と株価の向上にブランドがもたらす価値を明らかにしている。
Googleがブランド価値1位をAppleから奪還
今年度、最もブランド価値が高いと評価されたブランドはGoogleだった。昨年に引き続きMicrosoftが3位にとどまり、FacebookとAmazonが初めてトップ10入りした。また、トップ100のブランドが保有する価値総額は、前年比3%増の3.4兆ドルに達している。
なお、前年トップのAppleから奪還した理由は、Googleが企業価値を32%増の2,290億ドルに拡大させたのに対し、Appleはマイナス8%の2,280億ドルに縮小したことにあるとレポートでは分析している。
Amazon、Starbucks、Facebookが躍進
今年のランキングで最も価値を上げたブランドのトップ3はAmazon、Starbucks、Facebookだった。
今年のランキングで上位に入っているブランドは、この一年、世界的な経済混乱に直面しながらも安定した業績を上げている。その中でも目立って成長を遂げたこれらのブランドは、ブランド体験を通して自社のイノベーションをコンシューマーに提示している企業といえる。
破壊力をもったブランドは多くの方法で自社の提供する商品やサービスの現状を変えようとし、消費者のニーズや欲求を取り巻く多面的なシステムの構築を目指し、新たなカテゴリーに参入して多様化を図るケースも数多く見られる。上にあげた3ブランドはその代表的なものといえる。
たとえば、Amazonは請負業者を使って独自のロジスティックスを構築。それによって自社コンテンツ内で、フレキシブルかつ1時間以内といった速やかな配送オプションの提供を可能にした。Facebookは、登録会員による利用を持続させるために出版社が作成したオリジナルコンテンツの提供を開始し、Starbucksは、「タップ&ゴー」アプリを使用したeコマース分野に乗り出し、コールドドリンクと塩味の軽食メニューの品揃えを強化すると同時に、ビールやワインなどの関連商品の売り上げを伸ばしている。
世界で最も価値のある日本のブランドはToyota
日本のブランドでは、自動車の3ブランド(Toyota、Honda、Nissan)と通信の2ブランド(NTT、Softbank)が、すべて前年より順位を上げて100位以内に入った。ブランド価値ランキングが始まってからの11年間、Toyota(トヨタ)は常に日本ブランドのトップを走っている。
新しいブランドが現状を打破しうる
2016年、100位以内にランクインしたブランドの半数近く(46社)は、調査が開始された2006年よりも後にランク入りしており、残る半数(54社)は、最初のランキング発表以来、常にランキングに名を連ねている。これは、有力ブランドがいかに長期にわたり価値を維持できているかを示しており、また同時に新しいブランドが現状を打破しうることも示唆している。
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