SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第100号(2024年4月号)
特集「24社に聞く、経営構想におけるマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究(AD)

最前線で成長できる。データを起点に企業に深く入り込むアクセンチュア インタラクティブ「RUN」とは

 「DX」「CX」がバズワード化している中、その一歩先の「BX」を実現すべく、顧客体験を基点に企業のビジネス変革をリードしているスペシャリスト集団がある。アクセンチュア インタラクティブの一組織「RUN(ラン)」だ。あらゆるデータとテクノロジーを駆使して“体験を科学”し、企業ではなく顧客側の視点から、企業側に必要となる継続的な変革と改善に取り組み、ビジネス成果の創出までコミットする。一過性ではなく、深く長く企業に入り込み、顧客と併走していく点が特徴である。このチームを率いる大塚健史氏と、現場で様々なプロジェクトを展開する谷道育絵氏に、RUNで培われるスペシャリティについて聞いた。

部分最適の「CX」から「BX」へ アクセンチュア インタラクティブのミッション

MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに、自己紹介をお願いできますか?

大塚:私はIMJに20年ほど在籍しており、現在は代表を務めています。デジタルマーケティングという言葉が広く知られるようになる前から、一貫してウェブサイトの制作・運用に携わってきました。また、アクセンチュアグループの中では、オペレーションズという事業領域とアクセンチュア インタラクティブのチーム「RUN(ラン)」のリードを兼務しています。

大塚さん

(左)アクセンチュア株式会社 オペレーションズ コンサルティング本部 マネジング・ディレクター 大塚健史氏
(右)同社 インタラクティブ本部 マネジャー 谷道育絵氏

 このRUNというチームのミッションは、データやテクノロジーを活用して、顧客のインサイトを深く知ること。そこで明らかになったインサイトをウェブサイトやアプリなどの形にするところはIMJの役割で、RUNとIMJは常に二人三脚で動いています

谷道:私は2006年に新卒でIMJに入社し、ウェブ制作ディレクターとして経験を積みました。ターニングポイントとなったのは、某ECサイトの運用受託です。サイト運営から商品の仕入れ、在庫管理、カスタマーサポートとEC事業そのものをお任せいただき、売り上げという形で事業に貢献することができました。その経験が買われて、Marketing Technology Labs.へ異動し、以後10年近くマーケティングアナリティクスの分野におります。

 IMJがアクセンチュアグループになった後の2020年に転籍し、現在は大塚から紹介があったRUNに所属しています。

MZ:アクセンチュア インタラクティブは多様な面から企業のビジネスをサポートされていますが、自社のミッションとして「企業のBXの推進」を掲げられています。このBXとはどのような考え方ですか?

大塚:これまで顧客体験といえば「CX(Customer  Experience)」が重視されてきました。ですがこれは、ウェブサイト、スマートフォンアプリ、コンタクトセンターといった顧客接点の一部分に特化した「顧客体験の部分最適」だと考えています。

 もちろん、CXが重要であることには変わりありませんが、各タッチポイントごとに顧客体験に差が生まれてしまっているのが現状で、こうした分断に顧客は敏感です。

 そうではなく、企業全体として一貫性のある顧客体験を提供しなければならない。そこで生まれたのが、企業のビジネス全体を変革する「BX(The Business of Experience)という考え方です。BXの推進にあたっては、企業のパーパスを変革するところから入り込んでいくこともあります

タップして拡大
タップして拡大

長く・深く企業に入り込み、併走していく「RUN」

MZ:ビジネスの根底の部分から問い直すのですね。

大塚:はい、このBXを実現するには、一人ひとりの高い専門性と、各分野のスペシャリストとの協働・コラボレーションが必要です。アクセンチュア インタラクティブには、私たちRUN以外に「Design」「Build」「Communicate」の3つのピラー(組織)があります。多様なケイパビリティを持ったメンバーが集まり、「ワン・アクセンチュア」でBXに挑んでいます。

MZ:今お話に出た4つのピラーの中で、RUNはどのような位置づけになっているのですか?

大塚:まず「Design」は、ビジネスデザインやサービスデザイン、顧客体験そのものを設計するチームです。続いて「Communicate」が生活者とのコミュニケーションを設計します。

 そのコミュニケーションの成果についてデータを振り返り、次のアクションを設計するのが我々RUNのチーム。「Build」というチームは、データを蓄積するデータベースやプラットフォームの開発などを担います。

 この4つのピラーが融合してプロジェクトを進めていきます。中でもRUNは、最も長く・深く企業の中に入り込み併走していきます。

自分自身が成長し、クライアントのビジネスをリードしていく

MZ:具体的にどのようなプロジェクトがRUNで展開されているのでしょうか?

谷道:私が今携わっているのは、大手小売りメーカーのECサイトの改善です。中長期的な戦略を立て、ECサイトの改善を通じて売り上げを向上させることにコミットしています。このプロジェクトは、フロントエンドのUIの部分だけでなく、システムのバックエンドまで含めて、“ワン・アクセンチュア”で進めており、ハイスピードで、クライアントの事業に貢献できている手応えがありますね。

 もうひとつは、中小企業の事業戦略策定のサポートです。ここでは、IMJのクリエイティブチームもジョインし、ブランドイメージをどうするかというところからディスカッションしています。事業戦略・デジタルマーケティング・ブランディングで三位一体となって、変革を進めています。

MZ:いずれも企業に深く入り込むだけあって、高いスキルが求められそうです。

谷道:そうですね。私達自身が日々成長し続けなければ、クライアント企業の一歩先でビジネスをリードすることはできません。様々なプロジェクトに関わることで、成長スピードが加速しているように思います。

 これまで一歩一歩着実にステップアップしていたとすれば、今は二段飛ばし、三段飛ばしくらいのスピードでステップアップしている感じでしょうか。業界の最前線でキャッチアップする日々です。

 また、多種多様な専門性を持った仲間から刺激を受けることで、自分の考え方や価値観の枠が取り払われ、視野が広くなっていると感じます。

事業への貢献をダイレクトに感じられるのが最大の魅力

MZ:スケールの大きなプロジェクトが多い分、やりがいや達成感も大きいのではないですか?

谷道:ええ、プロジェクトの中でクライアントや仲間とのコミュニケーションを通じて自分自身が成長し、そしてそこに顧客の事業成長がついてくる。これほどおもしろい仕事はないと思います。

大塚:生活者や顧客の真のインサイトが見えてくる瞬間も、マーケターにはたまらないと思います。私たちが扱っているデータは、単なる数値ではなく「顧客の感情」です。そのデータを紐解くことで、顧客が何を考えているのか、本当に求めているものは何なのかがおぼろげに見えてくる。そこから仮説を立て、検証することで、それまでわからなかったことが明らかになり、改善の先には企業の売り上げ向上がある。

 自分の手掛けた仕事が顧客の事業に貢献したことをダイレクトに感じられるというのは、RUNで働く大きな魅力だと思います。

谷道:もちろん日々のプロジェクトは忙しいですが、一区切りついた時にメンバーと乾杯する楽しみもありますよ。活発にコミュニケーションをしながらみんなでプロジェクトを進めているので、今はオンラインでの乾杯ですが、喜びを共有する時間は大切です。

 また、アクセンチュアインタラクティブの特徴として、働き方のメリハリがしっかりしているということがあります。「ここまで終わらせたら今日はヨガに行こう」などと、時には仕事を早く切り上げてプライベートの予定を入れることもありますし、プロジェクトのスケジュール次第では長期休暇を取ることもできます。実は私もちょうど明日から、勤続10年で付与されたリフレッシュ休暇で1ヵ月休みを取る予定です。

MZ:1ヵ月も……! すごいですね(笑)。

日々成長が求められる現場、中でも成長速度が速い人は?

MZ:“日々成長”というワードが出ましたが、人材育成の仕組みはどのようになっているのですか?

谷道:自分自身でキャッチアップしていくというセルフスターターのスタンスは必要ではありますが、人材育成やナレッジ共有の制度は組織ごとにあります。まず、入社すると、自分のキャリアをカウンセリングしてくれる「ピープルリード」という役割のメンターが1人必ずついてくれます。私自身もカウンセリーとして8人ほどのメンバーを見ていますが、コロナ禍では1on1で話をする機会を増やすなど、細やかにコミュニケーションしていますね。

 また、アクセンチュアインタラクティブ自体、本当にフラットなカルチャーで、ほとんど上下関係がありません。大塚もフランクで話しやすいですしね(笑)。プロジェクトベースでチームが組まれ、毎回異なるメンバーで仕事をしていくので、多様なワーキンググループに所属しているような感覚で、メンバー同士で刺激を与えあっています。

大塚:デジタルマーケティングは変化の著しい業界です。その変化を恐れず楽しめる人、情報感度が高く新しいことにチャレンジする前のめりな好奇心を絶やさない人が、やはり成長のスピードが速いように思います。

 そして、忘れてはならないのが「生活者視点」です。アクセンチュアという会社は、企業の「中」に深く入り込んで、変革を起こすのが得意な集団です。あわせてRUNには生活者目線をもって、クライアント企業の「外」から変えていくことも求められます。その視点を大切にしてほしいですね。

谷道:そうですね。プロの生活者として、本当にそのサービスを自分は使うのか、さらには使いやすいと感じるか。顧客のビジネスを自分ごと化し、熱量を持って考え抜ける人と一緒に働けたら嬉しいです。

まだ見ぬ世界を作っていく気概をもって

MZ:最後に、谷道さんのマーケターとしての今後の目標とRUNの展望をお聞かせください。

谷道:今回改めて振り返ってみて、マーケティングアナリティクスに携わるようになってもう10年経つとわかり、驚きました。マーケティングアナリティクスという概念がなかった頃に、ウェブサイトの制作・構築からスタートし、市場の変化とともに自分のキャリアが広がってきたんだなと思うと感慨深いですね。

 これまで属人的だったマーケティングアナリティクスの世界も、AIにより今後はどんどん自動化が進んでいくはずです。これから先、データを活用したマーケティングアナリティクスの進化系のような成功事例をいかにたくさん作れるかデータを扱いながらも、人間味を持ち合わせたコンサルタントになりたいですね。

大塚:RUNは数十名のチームです。まだまだ小さい所帯ですから、私たちにできることはもっとたくさんあるはずです。これから9年後の2030年に市場がどうなっているかは、正直、まだ見えません。ですが、まだ見ぬ世界を我々自身で作っていくことがアクセンチュア全社のパーパスですし、RUNというチームがそれを牽引していかなければならないと考えています。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

石川 香苗子(イシカワ カナコ)

ライター。リクルートHRマーケティングで営業を経験したのちライターへ。IT、マーケティング、テレビなどが得意領域。詳細はこちらから(これまでの仕事をまとめてあります)。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/08/24 10:00 https://markezine.jp/article/detail/36758