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MarkeZine Day 2021 Autumn(AD)

“購買フェーズの見える化”で経営陣・リーダー・現場の課題をまるっと解決!成果を出すMA活用3ステップ

 2021年9月7日に開催された「MarkeZine Day 2021 Autumn」に、シャノンの村尾慶尚氏が登壇。MA利用においてよく寄せられる悩みだという「見える化」について、その解決方法と解決すべき理由を講演した。経営陣、マーケティングリーダー、現場の担当者それぞれの立場の悩みを解消する。

MA活用の悩みは「購買フェーズの見える化」で解決できる

 シャノンは2000年の創業以来、一貫して企業のマーケティング部門を支援するシステムを作り続けてきた。なかでも同社のMAは生命保険会社や不動産会社、塾などの高額単価商材を扱う企業を中心にBtoB、BtoC問わず多く利用され、フォローの手厚さなど顧客満足度の高さで評価を得ている。

 同社のMAを利用する企業からは、購買フェーズの見える化に関する悩みが多く寄せられるという。そしてその悩みの内容は、経営陣、マーケティング部門のリーダー、担当者でそれぞれ違っている。

 たとえば経営陣は、課題の達成・未達成といった結果だけでなく、将来の予測をするための目処と根拠を知りたいというニーズを持ち、リーダーたちは、非対面も含めた顧客側との接点全体を管理して購買フェーズをきちんと設計したいという思いを持っている。そして担当者は、普段行っている個別の施策がマーケティング全体に与える影響を踏まえて、目の前の施策を改善したいという要望を第一に持っている。

 なぜこうした悩みが出てくるかというと、購買フェーズが見えていないことに原因がある。

 「以前であれば、製品に関心を持てば営業担当に連絡し詳しく話を聞くというような対面の接点があったものが、コロナ禍により非対面で情報収集などを行う人が増えたため、ターゲットが認知→興味→関心→比較・検討→商談という購買フェーズを進んでいく過程が、把握しづらくなりました。フェーズの途中が見えないため、来月の商談数はどうなりそうかという予測がつかなかったり、注力すべきポイントが判断できず購買フェーズの全体設計ができなかったりします。またウェビナーの開催といった個別施策の効果がわからず、改善ができないということも起きてしまいます」(村尾氏)

購買フェーズを見える化する3ステップ

 村尾氏は、それらの悩みは、MAを活用して購買フェーズを見える化することで解決できるという。ただMAさえ入れていれば見える化できるというものではなく、そのための体制構築が必要となる。

 購買フェーズを見える化するためには、「購買フェーズの全体管理」「施策戦略の立案」「個別施策の改善」という3つのステップを実行していく。1つ目では商談創出の予測が立ち経営陣の、2つ目では購買フェーズの設計ができるようになりリーダーの、3つ目では個別施策の改善ができるようになり担当者の悩みが解決されるというわけだ。

ステップ1:顧客フェーズの全体管理

 商談創出の予測を立てるためには、その目処や根拠となる購買フェーズの分布と推移を見える化する必要がある。たとえば関心フェーズから次の月には100人が比較・検討フェーズに推移したとしたら、その翌月には商談創出が増えることが予測できる。逆に比較・検討フェーズへ進む人が少なければ商談は減っていくことが予測されるので、下のフェーズから比較・検討フェーズへと推移する人を増やすことに注力することが大切になってくるというわけだ。

 「非対面でのターゲットの動きをどうやって把握するかというと、たとえば過去6ヵ以内にWebサイトにアクセスした人は興味フェーズ、過去3ヵ月以内にホワイトペーパーをダウンロードした人は関心フェーズ、過去3ヵ月以内に資料請求や製品ウェビナーに参加した人は比較・検討フェーズというように、取得可能なターゲットの行動履歴を定義していくことで、それぞれのフェーズに何人いて、どう推移したかを把握できるようになります。そうした行動履歴は、シャノンのMAで一元管理することができます。何の行動がどのフェーズに該当するかは、各社の商品や顧客の特性に合わせて社内で検討し、定義していきます」(村尾氏)

ステップ2:施策戦略の立案

 購買フェーズの分布と推移が見える化できたら、次に顧客の獲得と引き上げの状況を見える化し、それに基づき施策戦略を立案していく。

 「たとえば比較・検討フェーズで300人獲得を目標値としていたのに現状200人だった場合、リーダーの仕事としては足りない100人を比較・検討フェーズに持ってくるための施策戦略を立案することになります。そのための方法として、フェーズの外から新たな顧客を獲得してくることと、下のフェーズから引き上げてくること2つの方法があります」(村尾氏)

 新たな顧客は、広告などで、ターゲットとしている比較・検討層などの人を既存フェーズの外から獲得してくる。そして下のフェーズからは、ウェビナーなどの施策でフェーズの引き上げを図っていく。また、なかなかフェーズが引き上がらない人をどう引き上げるか、フェーズから引き下がったり出ていったりすることをどう防ぐかという課題も考えられる。当然、それぞれの課題ごとに、その解決方法は違ってくる。

 「各フェーズの現状やフェーズへの入と出がどうなっているのかを詳細に見ていくことも重要です。それに基づき、どのフェーズを何人増やしたいのかという目標が設定でき、そこから施策戦略を立案していけるようになります。たとえば、比較・検討フェーズが目標に100人足りない場合、リスティング広告の予算内で20件の獲得を目指し、残りの80人は関心層向けのウェビナーを開催して80人引き上げることを目指すといったように、具体的な成果目標を設定できるようになります。それを実現するのにも、シャノンのMAが有用です」(村尾氏)

株式会シャノン マーケティング部 部長 村尾 慶尚氏
株式会社シャノン マーケティング部 部長 村尾 慶尚氏

ステップ3:個別施策の改善

 マーケティング全体の戦略立案だけでは、なかなかフェーズの引き上げ率の改善はできない。そのために、ウェビナーやメールマガジンといった個別の施策を行うことも必要になる。

 この時、施策ごとの「集客・接客・送客」を見える化していくのがポイントだ。たとえば関心層のフェーズ引き上げのためにウェビナーを開催した場合、広告や検索、メールマガジンといった流入チャネルごとにどのくらい集客できたか、接客の良し悪しはアンケートで満足度を測り、製品デモなど次のフェーズへの引き上げを目指す施策によってどれだけ送客できたかという3つの要素に分けて結果を見ていく。

 「ウェビナーを開催した際に集客もできて接客の満足度も高いのに、なぜかなかなか次のフェーズへと送客できないという場合には、たとえばウェビナーの画面に表示するCTAボタンをもっとクリックしたくなるようなコピーやデザインに見直すといった改善策が考えられます。参加者には接客の満足度は高かったものの集客自体はあまりできなかったということであれば、ウェビナーのタイトルを変えたり広告などで獲得チャネルを広げたりということが考えられます。このように、集客・接客・送客という3つの視点で施策の成果を判断し、改善していきます」(村尾氏)

 シャノンを利用する企業は高額単価の商材を扱っているところが多いため、社内で比較・検討や決裁に時間を要する場合もある。そのため、送客の成果をある程度長い期間を見て判断することも大事になってくる。そうしないと、個別施策の実際の効果を正しく評価できなくなってしまう。

 「シャノンのMAではABテストも行えますが、データの読み取り方にも注意が必要です。たとえば、メールマガジンでどちらのタイトルのクリック率が高くなるかABテストをした際に、どちらも同じくらいのクリック率であればまったく同じ成果なのかというと、そうとは限りません。クリック率が同じでもBのタイトルのほうがAのタイトルよりフェーズ引き上げ率が良い場合、Aはすでに引き上がっている人の興味を強くひきつけ、Bはこれまであまり興味を持っていなかった人の興味を強くひきつけたものと考えることができます。そうした効果まで把握できると、より狙った効果に合わせて個別の施策を改善していきやすくなるでしょう」(村尾氏)

 「また、Facebook広告から集客したとしたら、どのクリエイティブから一番多く集客できたのかも見ていくことが大事です。シャノンのMAでは、そうした集客元情報とリードを紐づけて管理することもできます。担当者も自身の手がける個別施策がマーケティング全体にどう影響をしているのかが把握でき、目の前の施策の何を改善するべきか、どうすれば改善できそうかが考えられるようになるでしょう」(村尾氏)

シャンのMAで購買フェーズの見える化を実現

 ここまで解説した3つのステップにおける購買フェーズの見える化は、すべてシャノンのMAを活用することで行える。購買フェーズの全体管理に必要となる情報を一元管理でき、シナリオ機能によって顧客の行動履歴に基づき購買フェーズを推移させ、ゴール機能でKPIの管理ができる。

 「3つのステップで購買フェーズを見える化する体制を作ることで、冒頭でお話した経営陣、マーケティング部門のリーダー、担当者それぞれの方々が抱えている悩みを解決することができます。ぜひMAを活用して、そのための体制作りを構築し、マーケティングを加速させていってください」(村尾氏)

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/10/19 11:00 https://markezine.jp/article/detail/37356