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人に寄り添うデータ活用による「需要喚起」と「ブランドエクイティの管理」が今後の統合マーケティングの鍵

7.データエンジニアリングをマーケティングに統合する

 「People-Driven」のマーケティングを実践していくためには、データエンジニアリングと融合した顧客体験の設計が必要となってくる。

 現在は顧客データが「たまった後」にその活用を検討する会社も少なくないが、実は「マーケティング活用の許諾の有無」や「データの統合的運用につながるID取得をしているか」「自社の市場にインパクトのあるIDやデータ量を見込めるか」など、事前に設計しなくてはならないことが多い。

 これからは蓄積されたデータをどのように利活用していくのかとともに、データを利活用しやすいようにどう蓄積していくのかという、エンジニアリングの視点での設計が必要だ。

 つまり、顧客のどの体験を高めるために「どのデータを」「どう取得し」、「どのように統合していくことになるのか」をマーケティングのプランニングの段階から設計する必要がある。そして、データの利活用や統合を顧客に納得してもらい、マーケティング部門とエンジニアリング部門が分断することを防ぐためにも、その企業として、どのような顧客体験を提供するために、データを取得しマーケティングを統合していくかの「ビジョン」が強く求められている。

 たとえば、マーケティングのデジタル化を推進するに際して「購入前から購入後まで顧客に寄添った体験設計をする」という「ビジョン」を示すことで、マーケティング全体が、プロダクトアウトから、顧客中心へと変わっていくなどだ。

人に寄り添うデータ活用による「需要喚起」と「ブランドエクイティ(資産)の蓄積」が鍵

 ここまで、マーケティングのデジタル化に際しては、オンライン・オフラインの顧客接点を通じて「顧客に納得感をもってデータを提供してもらう」体験の設計が必要であるとともに、データを預かった後、「顧客体験がより良くなり、結果として自社の商品を使い続けてもらえる」ような、データマネジメントの重要性について述べた。

 特に、IDベースのマーケティングで効果的・効率的に新しい需要を喚起していくことは、今後、マーケティング担当者にとって重要なミッションになるだろう。

 統合的なデータマーケティングと人中心の体験設計は、データをストックして活用することで推進されるのだ。

 一方で、データのストックは手段に過ぎない。忘れてはいけないのが、IDベースで「ブランド」のストック(資産)を管理することだ。どんなにテクノロジーが進んでも、その先にいるのは一人の生活者だ。データをため、顧客インサイトを導き、施策を打った結果、ブランドと生活者の気持ちの中に何がストックされ、ブランドの資産となったのか。その人は、需要が喚起され、ブランドに共感し、次も選びたいと思ってくれているのか。これからは、データの利活用という手段から、ブランドエクイティという商品や事業の付加価値向上という目的にむけて、データマーケティングのマネジメントも統合して考えていかなくてはならないのだ。

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この記事の著者

江頭 瑠威(エガシラ ルイ)

株式会社電通 データマーケティングセンター PDM推進部 部長/シニアディレクター 2006年株式会社電通入社。広告のアカウンタビリティ研究部門を経て、戦略プランニング部門に異動。ブランドコンサルティング、コミュニケーションプラン、PRコンサルティング等を、幅広いクライアントに提供。2012年ビジネ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2023/07/14 15:21 https://markezine.jp/article/detail/42507

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