アイスタイルは2025年6月11日、「@cosmeベストコスメアワード2025上半期新作ベストコスメ」を発表した。本アワードは、消費者から寄せられる数多くのクチコミをもとに、2024年11月1日から2025年4月30日に発売された新商品から支持された化粧品を総括し表彰している。
アワード史上初めてシャンプー・トリートメントが総合大賞

本年の総合大賞には、THE ANSWER「スーパーラメラシャンプー&EXモイストトリートメント FOR DAILY DAMAGE」が輝いた。同アワード史上初めて、シャンプー・トリートメントが総合大賞となった。THE ANSWERは発売から7ヵ月で累計出荷本数100万本を突破しているという。
かつては日用品・消耗品としての位置づけが強かった同カテゴリーだが、高価格帯でハイプレミアムな商品が価値のある美容アイテムとして支持を集めている。今回の大賞商品は、ドラッグストアなどで販売されているハイプレミアムカテゴリーで、既存の一般的シャンプーよりも高価格にも関わらず大きな注目を集めた。

ユーザーアンケートの調査によると、「1本あたり1,501円以上のシャンプー・トリートメントを使用している」と答えた割合は約46.2%に達している。さらに、「ヘアケアにかける金額を今後増やしたい」とする人が53.3%と半数を上回り、ヘアケアへの積極投資意欲が明らかだ。2025年上半期の@cosmeトレンド予測でも「美髪課金」というキーワードが挙げられ、髪への関心の高まりが裏付けられている。

またヘアケア商品の選定基準も変化している。アンケートでは、「以前より成分にこだわるようになった」と答えた人が36.3%、「効果を重視することが増えた」が53.0%となり、スキンケアと同様に成分や効果を重視するニーズが高まった。
実際、「スーパーラメラシャンプー&EXモイストトリートメント」へのクチコミでは「成分」への言及が他商品より約2.1倍、「びっくりする」「感動する」といった反応も目立ち、効果感に関する声が多く寄せられた。一方で情緒的な表現やパッケージデザインなどは比較的少なく、より合理的な視点で選ばれている傾向が見て取れる。
総合TOP10からみえるトレンド分析
さらに、今年の総合TOP10のラインアップからもトレンドが顕著である。物価高が続くなか、消費者の間では「失敗したくない」という意識が高まり、高価格帯商品への安心感が広がっている。
2025年上半期の総合TOP10受賞商品の平均単価は、過去6年平均と比較して約1.7倍増の6,050円となった。消費者のアンケートでは、「化粧品購入で失敗したくないという気持ちが高まった」と答えた人が約80.7%、「投資する価値があるかどうかを以前より考えるようになった」が約80.8%となっている。「高価格帯の化粧品は安心感がある」とした人も41.9%にのぼり、特に判断軸が未熟な若年層ほどこの傾向が強く出ている。

総合TOP10受賞商品には「さすが」「裏切らない」といったワードも多く見られ、価格だけでなく、研究開発の裏付けや技術力への信頼が安心材料となっていることがうかがえる。アンケートでも「研究開発・技術力の高さに裏打ちされている商品」を選ぶ消費者は66.6%、「長年にわたり研究されている商品」も59.7%に支持されており、技術や信頼を基準に商品を評価する動きが顕著になっている。
専門家発信と成分買いトレンドの顕在化
近年は専門的な情報に一般消費者がアクセスしやすくなっている。特にSNSを中心に化粧品開発者や研究者、インフルエンサーによる技術や成分の解説コンテンツが拡大しており、難解な研究内容が一般ユーザーにも受け入れやすくなった。
実際、@cosme内で「化粧品開発者」というワードの登場回数が前年の2.2倍に増加し、専門家による情報発信が認知を拡大させている。総合TOP10受賞商品のクチコミにも、人気Youtuberである、かずのすけ氏のコンテンツがきっかけになったという声が増加している点が特徴だ。

加えて、成分に着目した「成分買い」トレンドも引き続き顕著だった。この成分志向はスキンケアだけでなく、ヘアケア、メイクアップ、さらには美容グッズにも拡大しているという。今年の@cosmeベストコスメアワードからは、高価格・高成分志向への転換と、研究開発や成分に関する専門家情報が消費者の購買行動を後押しする状況が明確に浮かび上がった。
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