インテージは、全国の消費者から継続的に収集している日々の買い物データ「SCI(全国消費者パネル調査)」から推計した男性化粧品の市場動向と、意識調査の結果を発表した。
2024年の男性化粧品の市場規模は497億円に増加
まず、2024年の男性化粧品市場規模は497億円(前年比114.8%)に達し、2019年比では1.8倍に成長した。分類別では日焼け止めが2.0倍、基礎化粧品が1.8倍、メイクアップ化粧品が1.3倍となった。
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男性化粧品の中でも9割近くを占める基礎化粧品に着目すると、2024年の男性基礎化粧品の市場規模は前年比115.7%となる438億円だった。化粧水・洗顔が全体の5割を占め、大きく伸びたのは美容液、クレンジングなどだ。
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男性の基礎化粧品購入金額と購入率、全年代で増加
次に、男性の基礎化粧品の購入状況を年代別に2024年と2019年で比較した。全体で、購入率は30.4%から33.2%へと1.1倍増加。購入金額は1,869円から3,131円と1.7倍になった。
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年代別の購入金額を見ると、20代・30代が1.8倍となり、年代が上がるごとに増加率はやや小さくなるものの60代・70代でも1.5倍の増加だった。
基礎化粧品を使用するきっかけを調べると、最も多かったのは「肌の乾燥やトラブル改善のため(31.2%)」に。2位は「自分磨きの一環(24.1%)」で、10代では32.4%と高い割合を示した。3位以降は「年齢を重ね肌のケアに関心が高まった(19.4%)」「友人や家族の勧め(17.1%)」と続いた。
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男性の肌ケア・化粧への意識は「とても良い」「良い」が全体の約6割に
最後に、「男性が肌の手入れや化粧をすることについてどう思うか」と尋ねた。その結果、全体では「とても良いと思う」「良いと思う」の回答が合計で57.9%と半数を超えた。男性は53.3%、女性は62.6%が、男性が肌の手入れや化粧をすることに対して好意的な意見を持っていた。
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回答者の性・年代別に見ると、男女とも若年世代ほど好意的な意見が多い傾向にあり、男性は10~30代で約7割が好意的な意見を持っていた。女性においては好意的な人は10代で85.7%に達し、20~40代でも7割を超えた。
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【調査概要】
・SCI(全国消費者パネル調査)
全国15歳~79歳の男女53,600人の消費者から継続的に収集している日々の買い物データ。バーコードが付与された商品について、「誰が・いつ・どこで・何を・いくつ・いくらで、購入したのか」という消費者の購買状況を把握できる。
・インテージのネットリサーチによる自主調査データ
対象者条件:日本全国15~79歳の男女
標本抽出方法:インテージ「マイティモニター」より抽出しアンケート配信
標本サイズ:n=5,000※国勢調査にもとづき性別・年代・地域を母集団構成に合わせて回収
調査実施時期:2024年9月27日(金)~10月1日(火)
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