2025年前半のマーケティングトレンドを総ざらい
生成AIの進化がビジネスのあり方を根底から覆し始めた2025年上半期。マーケティング業界では、AIとの共存を前提としたスキルセットの再定義が急務となりました。また、生活者の価値観が多様化・細分化する中で、企業はより深いインサイトに基づいたコミュニケーションを求められています。
未来を見据えた変革が求められる中、マーケティング業界ではどのようなトピックに注目が集まったのでしょうか? MarkeZine編集部では、2025年1月1日~7月31日の間に掲載した記事を独自に点数付けし、ランキング化しました。本稿では、その上位20位を発表します。MarkeZineの人気記事から、業界の注目トピックを振り返ってみてください。
【1~10位】AI時代の生存戦略と、マーケターの役割が最大の焦点に
1位は、マーケターが日頃向き合うべき本質的な課題について、B2B Marketing Hackの“中の人”と高広伯彦氏が、真正面から問いを立てディスカッションしたセッションレポートでした。自身の業務を見つめ直すきっかけになる内容が、多くの読者の共感を呼びました。

2位には、1位と同じく高広伯彦氏が、日本のBtoBマーケティングが抱える課題と、売上だけでなく「価値」をいかにして創造していくべきかを論じた記事がランクイン。多くの企業が直面する課題に鋭く切り込んでいます。

3位は、アクセンチュアへの取材記事。「AIエージェント時代」という新たなキーワードを提示し、これからのマーケティングがどう変わっていくのかを具体的に解説しています。

続く4~10位は下記の通りで、マーケターの生存戦略から具体的な戦術まで、幅広いテーマがランクインしました。
4位 クリエイティブ運用はセオリーが大きく変化している?オプト直伝、Instagram広告「類似度」攻略法
5位 「労働力としてのマーケターはもういらない。」すがけんさんに聞く、生成AI時代にマーケターが生き残る術
6位 タイミー×TENTIALに学ぶカテゴリー戦略 “No.1になれる新たな市場”をどう作り、広げるか?
7位 生成AI時代、SEOってまだ必要?Googleアルゴリズムの今昔&基礎知識
8位 売上は計画比3倍!NECPCが『Nontitle』で挑んだ、Z世代向けPC開発プロジェクトの舞台裏
4位はInstagram広告の運用ノウハウ、5位と7位は生成AI時代におけるマーケターのスキルセットやSEOのあり方を問い直す記事でした。6位は急成長企業に学ぶカテゴリー戦略、8位と9位は商品開発とインサイト活用に関する企業の事例、10位は最新のOOHトレンドをまとめた記事でした。
【11~20位】SNS、Z世代、リサーチ、普遍的なテーマにも強い関心
11位以下では、SNSのトレンド予測やZ世代のインサイト分析、成果につながるリサーチ手法など、マーケティング活動の根幹をなすテーマへの関心も引き続き高いことが示されました。
11位 2025年のSNSトレンド予測、攻略法を解説!キーワードは「居場所の多様化・細分化」
12位 BtoBマーケ戦略の考え方は3パターンでOK。全60の施策から優先順位を決める考え方
13位 花王「THE ANSWER」大躍進!ヘアケア事業変革を率いる野原聡氏が明かす「感性マーケティング」
14位 イオングループDX推進の要「iAEON」 ID統合で実現する「イオン生活圏」とパーソナライズ戦略
15位 企画の前提がズレている?『戦略ごっこ』芹澤連さんが指摘する「広告会社のよくない癖」【前編】
16位 2024年Z世代女子のトレンド&インサイトを電通専門組織「GIRL’S GOOD LAB」が総解説!
17位 Z世代の「買いたい」を刺激する2つのトリガーとは?企業が取るべき「60点の共感」戦略
18位 リサーチ組織の改革で「さけるチーズ」の売上が過去最高に!雪印メグミルクが語る正しいインサイトの捉え方
16位と17位にはZ世代に関する記事がランクインし、引き続き重要なターゲットであることがうかがえます。18位と20位は、特集「成果につながるリサーチ」の記事でした。時代が変化しても変わらない、顧客理解の重要性が浮き彫りになっています。
2025年上半期の人気記事ランキングからは、2つの大きな潮流が見えてきました。1つは、生成AIの進化に伴う「マーケターの役割の再定義」という大きなテーマ。もう1つは、Z世代攻略やSNSトレンド、企業の成功事例に学ぶ「日々の成果につながる実践的な知見」です。
未来を見据えた戦略的な思考と、足元の成果を出すための戦術的な実行力。その両方が、求められていると言えるでしょう。2025年後半に向けて、これらのトレンドを改めておさらいしてみてはいかがでしょうか。