SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Autumn

注目マーケティングトピックス2025

Googleが描く検索と広告の未来──広告部門VPが語る、AIによる進化とマーケティングへの示唆

 2025年7月24日、Googleはメディア向けのラウンドテーブルを開催。登壇したのは、Google Search & Commerce Global Ads Solution バイスプレジデントのBrendon Kraham(ブレンドン・クラハム)氏だ。今年5月に開催された「Google Marketing Live 2025」では、マーケター向けの新製品群と、それを支えるAI技術の進化が紹介されたが、今回のラウンドテーブルではその中から「検索」体験の変化にフォーカス。検索が“情報収集”から“知性の拡張”へと進化しつつある今、Googleが描くそのビジョンと、広告の未来について語られた。

AIで「Google検索」はどう変わる?

 クラハム氏は、Googleのコマースおよび検索プロダクトのグローバルな商業化と市場開拓戦略を主導する人物である。冒頭、同氏はAIによる業界への影響を受け、「この業界に携わって25年以上になるが、今の変化のスピードは、私がこれまで経験してきたどの時代よりも速い」と語る。一方で、「この転換期には一種の“懐かしさ”も感じている」と述べる。

 「かつてデスクトップからモバイルへ、モバイルからアプリへと移行していったように、私たちはこれまでに何度も転換期を迎えてきました。だからこそ、その乗り越え方はわかっています」(クラハム氏)

画像を説明するテキストなくても可
Google Search & Commerce Global Ads Solution バイスプレジデント Brendon Kraham(ブレンドン・クラハム)氏

 Googleは現在、AIの導入によって「検索」という体験そのものを大きく進化させようとしている。クラハム氏によれば、Geminiの高度な推論力とGoogle検索がもつ深いウェブ理解力によって、検索はもはや単なる情報収集ではなく、インテリジェンス(知性)を刺激し、拡張する場へと変化しているという。

Z世代が牽引する“検索方法の多様化”

 現在、Googleでは年間5兆件以上の検索が行われており、その数は今も増え続けている。中でも18〜24歳のZ世代は主要な検索ユーザー層であり、サインインしているZ世代ユーザーは他の世代と比べて、多くのクエリで検索する傾向にあるという。

 また近年、検索方法の多様化が進み、テキストだけでなく、音声・画像・動画を使った検索が広がっている。Googleレンズによるビジュアル検索は月間250億回を超え、そのうち約20%は購入意図を含んでいるという。

 たとえば、街で見かけた服を撮影して購入先を調べるような場面では、検索が「欲しい」という気持ちと「購入」という行動を直接結びつける強力な手段となっている。また、画面上を囲むだけで検索ができる「かこって検索(Circle to Search)」も登場し、Z世代の約10%がこの機能を検索の出発点として利用しているという。

 そして、過去10年間で最も大きな進化の一つが「AIによる概要(AI Overview)」だ。約1年前に提供が開始されたこの機能は、既に200以上の国と地域で展開され、毎月15億人以上が利用しているという。

 「Google検索は静的なリンクの羅列から、より動的でパーソナライズされた体験へと進化しました。ユーザーからの新しいインプットによって、これまでにないアウトプットが生まれているのです」(クラハム氏)

次のページ
AIで描くGoogle広告の未来 「発見を後押しする広告」へ

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
注目マーケティングトピックス2025連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

福島 芽生(編集部)(フクシマ メイ)

MarkeZine副編集長。1993年生まれ、島根県出身。早稲田大学文学部を卒業後、書籍編集を経て翔泳社・MarkeZine編集部へ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/08/07 08:30 https://markezine.jp/article/detail/49583

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング